第10回FIBA U-19女子世界選手権 総括インタビュー【1】 [U-19]

一色建志U-19 女子日本代表ヘッドコーチ

「体力不足を痛感。全てにおいてあと一歩、正確なプレーを」

リトアニアで開催された「第10回 FIBA U-19女子世界選手権」。日本はロシアを破って8強入りした。決勝ラウンドは残念ながら8位に終わったが、ガード田村未来がアシスト王に輝き、センター河村美幸の頑張りも光った。一色建志ヘッドコーチに収穫と今後の課題を聞いた。

取材・文/舟山 緑   写真提供/fiba.com

昨年のU-17世界大会7位に続いて、U-19世界大会で8位の成績を収めた日本代表。この経験を次につなげていきたい

U-19日本代表:試合結果

■予選ラウンド
 ●日  本 70 (14-15、11-23、28-26、17-20) 84 スペイン○
 ●日  本 82 (21-18、15-18、27-31、19-29) 96 オーストラリア○
 ○日  本 76 (16-11、11-10、26-23、23-24) 68 アルゼンチン●

第2戦のオーストラリア戦でルーズボールを激しく争う#11河村

■2次ラウンド
 ●日  本 66 (15-15、19-20、12-18、20-17) 70 ブラジル○
 ○日  本 87 (23-17、17-17、29-12、18-21) 67 セルビア●
 ○日  本 88 (27-23、12-24、27-17、22-14) 78 ロシア●

■決勝ラウンド:準々決勝
 ●日  本 67 (11-23、21-28、14-30、21-27) 108 アメリカ○

■5-8位決定戦
 ●日  本 49 (7-15、15-22、14-9、13-24) 70 中  国○

■7位決定戦
 ●日  本 64 (14-23、19-22、21-13、10-17) 75 カナダ○

◆大会公式サイト
◆日本協会:大会特設サイト
◆大会結果
◆U-19日本代表メンバー

一色建志ヘッドコーチ インタビュー

「体力不足から勝てる試合を落としたのが悔しい。
リバウンド、スクリーン、シュートなど、全てにおいてあと一歩、
正確なプレーが出来る体力をつけなくてはならない!」

リトアニアで開催された「第10回FIBA U-19女子世界選手権大会」。
日本は2次ラウンドでロシアを下して決勝ラウンドへと進出したが、準々決勝でアメリカに完敗。
5-8位決定戦では中国、カナダを倒せずに8位に留まった。
日本が勝利したのは、アルゼンチン、セルビア、ロシアの3カ国。
2次ラウンドでは、ブラジル戦で4点差と惜しいゲームもあった。
優勝したアメリカの強さは、このU-19カテゴリでも群を抜いていたが、
一色建志ヘッドコーチは「試合を経るごとに体力の差が出てしまった」と、帰国後に語った。
アジアのライバル中国は5位。韓国は決勝ラウンドへ進むことができず、13位だった。
164㎝のガード田村未来(早稲田大1年)は平均5.9本のアシストをマークして
見事「アシスト王」に輝き、また、高さとパワーで上回るセンター陣の中で、
河村美幸(183㎝/シャンソン化粧品)が平均得点16.1をマークしてランク5位になる収穫もあった。
一色建志ヘッドコーチに、今大会の収穫と今後への課題を聞いた。

ロシアを破って8強入り

「12点ビハインドの試合を、プレスで逆転したロシア戦。
長身のセンター相手に踏ん張りを見せた河村と、ガード田村の頑張り」

ポイントガードの田村は、3ポイントやミドルショットで貢献。そのひたむきなプレーでチームを牽引した

――8位という結果については?

最低ラインの目標はクリアしたと思いますが、欲を言えばあと1つか2つ勝ちたかったです。選手はよくやってくれました。

――予選ラウンドは1勝2敗でしたが、2次ラウンドは2勝1敗。少しずつ調子が上がっていったのですか。

試合を経るごとにチームプレーが徐々にかみ合っていきました。初戦のスペイン戦は、70-84と最後は差がつきましたが、内容的には惜しかったです。ガードにパスミスが多く出てぎゃくしゃくしたプレーになったのですが、それが徐々になくなっていきました。試合を重ねるごとにチームプレーはかみ合っていきましたが、次第に体力がなくなっていったのは苦しかったです。

――キャプテンの藤岡(麻菜美)選手がケガをしたのですか?

もともと痛めていた腰を初戦でまた悪くしたので、2戦目のオーストラリア戦は休ませ、残りの試合もドクターとトレーナーと相談しながら起用しました。それでも2次ラウンドのロシア戦では、第4クォーターの終盤、競った場面でスティールからの速攻で踏ん張りを見せてくれ、それが逆転につながって流れを引き寄せる役目を果たしてくれました。

――藤岡選手に代えて田村(未来)選手をスタートに起用。また、熊(美里)選手もいい働きをしました。ガード陣のスピードが生きたのでしょうか

スタートを少し大きくするとボール回しが重くなるので、そこは調整をしながら戦いました。田村と熊を入れて速い展開にしたり、2人を交代して少し大きい選手を入れてパワー系で勝負しながらという形で目先を常に変えて戦いました。

高さで上回るロシア相手に、粘りのバスケットで見事に逆転勝ちした日本。チーム一丸の勝利だった

――決勝ラウンドに進めたのは、2次ラウンドの最終戦でロシアに逆転勝利したのが大きかったのでは?

そうですね。12点ビハインドだった試合を逆転した試合です。40分間、プレスをかける体力がなかったので、後半に勝負をかけました。相手の足元に徹底して入るプレスを仕掛けて、ミスを誘ったのです。そのプレスが功を奏して、相手が嫌がり、足が止まってしまいました。ロシアの集中力が40分間もたずにキレてしまったのです。この一戦は、本当に幸運でした。この勝利によってベスト8入り、決勝ラウンドへ進むことが出来ました。

――大会を通して田村選手のシュートが当たりました。また、平均5.9本でアシスト部門でも1位。昨年11月のアジア予選と比べると、今大会は期待に応えてくれたと言えますか。

1次ラウンドはよかったです。164㎝の身長で、シュートにアシストにと頑張ってくれました。ただし、2次ラウンドになると、その3ポイントがマークされ厳しく守られました。そこで他の選手がもう少し当たったら、よかったのですが……。それでも、ポイントガードとしてよく頑張ってくれ、アシスト王になってくれました。田村は、地元の観客や他の国からもマスコット的な人気を得ていました。日本は毎回、一生懸命にプレーするので、他の国から特に応援をしてもらえます。今大会も、田村だけでなく、日本チーム全体によく拍手をもらいました。

――190㎝台の大型選手がいる中で、センターの河村(美幸)選手がスペイン戦21得点、ブラジル戦も20得点と活躍しました。得点ランキングでも平均16.1得点で5位。インサイドである程度、勝負が出来たということですか。

そうですね。河村への裏パスが通って、そこで得点につながることが出来たのが大きかったです。河村がインサイドの起点になってくれたので、外角も生きたと思いますし、リバウンドでも頑張ってくれました。河村の次にセンターと言うと高校生の西岡(里紗:大阪桐蔭高2年)になりますが、経験不足ですし、畠中(春香:大阪人間科学大1年)はどちらかと言えば外が得意なので、かなり河村が頑張ってくれました。

1 / 212