外国人指揮官 × 日本のバスケットボール<1>  [NBL]

ドナルド・ベック <後編> トヨタ自動車アルバルク東京

「若い選手たちを育て、日本のバスケットボールが成長する手助けをしたい」

NBL外国人指揮官のフィロソフィーを紹介する第一弾は、トヨタ自動車のドナルド・ベック。<後編>では、日本のバスケットボール界の将来についてと、11月より開催する「コーチングセミナー」の詳細を紹介。日本のバスケットボールの発展を願うベックHCのフィロソフィー完結編。

インタビュー・文/宮地陽子  写真/小永吉陽子

外国人指揮官×日本のバスケットボール<1>

ドナルド・ベック(トヨタ自動車アルバルク東京 ヘッドコーチ)

「若い選手たちを育て、日本のバスケットボールが
成長する手助けをしたい」

今シーズンのNBLは12チーム中、アイシンと東芝以外の10チームが外国人ヘッドコーチを起用している。ヨーロッパでの経験、アメリカでの経験、国家代表での経験、NCAAでの経験――日本にいては知ることができない国やカテゴリーで指揮を執った哲学は、NBLと日本人選手たちに様々な影響をもたらすだろう。

「外国人ヘッドコーチのフィロソフィーを聞く企画」第一弾は、トヨタ自動車のドナルド・ベックHC。一昨シーズンはリーグとオールジャパンの2冠に導いているベックHC。<前編>では、トヨタ自動車を指導した3シーズンでの経験談と、勝利を目指すチーム作りのフィロソフィーをインタビュー。<後編>では、日本のバスケットボールと選手の将来、そして自身が日本の発展を願って11月より展開するコーチング・クリニックの内容について聞いた。

◆ドナルド・ベックHCのコーチングセミナー開催
2013年11月5日より、トヨタ府中スポーツセンターにて、
ドナルド・ベックHCによるコーチングセミナーを開催する。
ベックHCとディスカッション形式& アメリカ・ヨーロッパのコーチから学ぶ全6回のセミナー。
詳しくはコチラのリンクを参照。
 
 

NBL開幕

「NBLはよりいいやり方を模索しているところ。
日本のバスケットボールの将来には明るい希望を感じる」

選手個人の役割を徹底させ、チーム作りを行うドナルド・ベックHC

──今季からの新リーグ、NBLについてはどう思いますか? 何か変化を感じますか?

今シーズンの日本(バスケ界)の動きについては、どれも、いいことだと思っている。ルール変更(外国人選手オンザコート)は、特に大きな影響を与えている。2人の外国人選手を同時に試合に出すことができるようになったことで、ゲームが変わってきている。今はみんな少しずつ慣れてきているところだと思う。全体的に、1Qと3Qの得点は、2Qと4Qの得点とは少し違ってきている。今は、そういったことをみんなが学んでいる途中なのだと思う。

私たちは好運なことに、3人目のアメリカ人、デビン・ウスコスキと契約できた。彼は、フィル(故障欠場中のフィリップ・リッチー)が戻るまでチームの助けになってくれている。好運だった

何にしても、新リーグになってルールが変わったことは影響を与えているし、これはいい変化だったと思う。このシステムには賛成だ。もっとも、私は昨シーズンまでのやり方もよかったと思ってもいる。アメリカ人選手を同時に1人しか起用できない方法でも、何の問題も感じていなかった。どちらのやり方も、いいと思う。

リーグが全体としてよりプロフェッショナルな方向に進んでいることもいいことだと思う。これまでより、よりいいやり方を模索していると感じるし、日本のバスケットボールの将来に明るい希望を感じる。

──日本のバスケ・ファンの中には、企業の名前をつけたチームを嫌がり、企業がオーナーのチームよりも、プロチームを求める声もでています。そういったことについてはどう考えられていますか?

将来的にはそういう方向になっていくと思う。それに、残念なことに、NBAでもユニフォームに企業スポンサーの名前を入れることになりそうだという話も出ているわけだしね。

トヨタは厳密的にはプロのチームではないと言われているが、実際はプロのチームだ。私は会社に勤めているわけではなく、アシスタント・コーチたちも会社で働いているわけではない。選手の中には会社に勤めている人もいるが、それでもプロとして活動している。今後は、さらにそういった方向に進んで行くだろうと思う。ただ、企業とプロのチームを分けようとするのは、単なる言葉の上のことにすぎず、どちらだったしても、それほど大きな違いはないと思う。
 
 

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