ウインターカップ2013特集 [高校]

植村 哲也明成高 #6

「明成で学んだのは“自分からやるから成長する”ということ」

4年ぶり2度目のウインターカップ日本一に輝いた明成高。3年生たちは、まだ引退の日を迎えず、後輩たちの新人戦の指導に当たり、次の進路に向けて準備をしている。この伝統こそが、創部9年で2度の全国制覇を成し遂げた要因でもある。植村哲也キャプテンに、3年間で学んだことともに、「体はハッスル、頭は冷静」と3年生たちが勝因にあげた明成のバスケスタイルについて聞いた。

インタビュー・文/小永吉陽子  写真/一柳英男

優勝の瞬間、キャプテンの植村哲也はあふれ出る涙を拭いながらも、ガッツポーズで喜びを表現した

ウインターカップ2013特集:選手インタビュー<3>

植村 哲也  (明成高 #6)

「明成でいちばん学んだのは
“自分からやるから成長する”ということ」

全国の高校3年生はウインターカップをもって公式試合からは引退したが、
日本一を遂げた明成高の3年生たちは、“明成バスケットボール部”からはまだ引退していない。
東北新人戦および、卒業まで後輩の指導に当たり、次の進路に向けて自身の準備をする――
この伝統があるからこそ、明成は創部9年にして、2回の全国優勝を成し遂げられたのである。
すでに次なるステージに向けて走り出している明成の植村哲也キャプテンに
ウインターカップ優勝の要因、インターハイ後の成長、後輩たちへの思い、
そして、3年生たちが日本一を遂げた勝因として語った「気持ちはハッスル、頭は冷静だった」という
選手たちの考えのもとに成り立っていた「フリーランス・バスケットボール」について聞いた。
 
 

PGとSGの両方をこなすフロアリーダーとして、ベスト5を受賞

――改めて、ウインターカップで優勝した感想を聞かせてください。

入学したときから日本一を目標にして頑張ってきたので、最後の大会でチームが一つになって、優勝という目標を成し遂げられたのでうれしいです。

――自分たちの出来はどうでしたか。

ウインターカップでは、僕たちの勢いが完全につぶされることが一度もなくて、相手のバスケットを出されたときにもこっちは慌てないで、自分たちを見失わないでできました。

――今までの大会では、勝負所になると一歩引いてしまうところがありました。ウインターカップではそれが最後まで崩れなかった。こういったバスケができるようになった要因は何だと思いますか。

ウインターカップでは「自分たちのバスケットをやるんだ!」という気持ちが出せたと思います。今までは相手の好きなバスケットをさせてしまったら僕たちも崩れてしまったんですけど、ウインターカップでは、いつもだったらガードから指示を出される側の白戸(大聖)や宮本(滉希)がチームのために率先して声を出したり、ベンチにいる阿部(元樹)や三橋(幸太)からも「お前らに託したぞ」という気持ちが伝わってきて、そういう気持ちの強さがあったから自分たちのバスケットを見失わずにできたのだと思います。やっぱり同じ苦労をしてきた3年生からかけられる言葉は一味違うというか…。

ウインターカップが始まるまでの練習では(佐藤)久夫先生から厳しいことを言われたり、個人的にもチーム的にもいろいろ問題があって、そのたびにつまずいてきたんですけれど、それはウインターカップで厳しい状況が来たときにどう打開するかの予行練習を久夫先生がさせてくれたと思うので、これまでの練習がウインターカップで生きたんだと実感しました。一度もリードされなかったのはそういう厳しい練習を乗り越えてきて、試合の入りから集中できていたのが一番大きかったのかなあ…と思います。

スピードある強気な攻めとジャンプシュートを得意とする

――いつくらいから、「自分たちからやる」バスケットができるようになった手応えを感じましたか。

ウインター直前のOB戦(12月20~21日)だと思います。OB戦の前までは自信ないわけではないけれど、うまくいくかな? という気持ちがあったんですが、OBの方たちが本気になってやってくれた中で、僕たちも気持ちで一歩も引かないで試合ができました。OBの方たちは頑張りどころとか、苦しいところで乗り越えなきゃいけない時間帯がわかっていて、そういうのを対戦しながら僕たちが体で経験できたのは大きかったです。だから、あのOB戦でチーム全員の自信が出てきたのかな、と思います。

今年のチームの目標が「自主自立」だったんですけど、インターハイや国体では、自主自立といっても形だけだったという反省がありました。やっぱり、インターハイで負けてからチーム全体がさらに深く考えるようになったんだと思います

――どういったところが「自主自立」になったのですか?

やっぱり、インターハイで負けたときに、自分たちからやれていないから負けてしまったんだと気が付きました。国体が終わってウインターカップの練習に専念していくときに声を掛け合うことが多くなって、自分たちで引っ張っていくんだという自覚が出てきました。自覚が出てくるのが遅い選手もいたんですけれど、ウインターカップ前には3年生の意志の疎通ができてきて、試合中も「強気で、強気で」と、みんなで言い合えるようなったのがうれしかったです。
 
 

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