ウインターカップ2013特集 [高校]

馬瓜エブリン (桜花学園高#5)

「ファウルアウトしないことは、すごく意識しました」

馬瓜エブリン対ローヤシン。ウインターカップ決勝は、センター対決が大きなカギとなった。桜花はローに28得点を許したが、個々の1対1の強さで岐阜女子を突き放した。着実な成長を見せてきたセンターの馬瓜に、U-17世界選手権での経験を含め、この1年を振り返ってもらった。

取材・文/舟山 緑  写真/一柳英男

東海決戦となった岐阜女子とのファイナル。馬瓜は初めてローヤシンにセンタージャンプで勝ったと言う

ウインターカップ2013特集:選手インタビュー<2>

馬瓜エブリン  (桜花学園高#5)

「ファウルアウトしないことは、すごく意識しました」

180㎝の上背は、女子のセンターとしては決して図抜けている訳ではない。
しかし、持ち前のリーチの長さとジャンプ力で、馬瓜(まうり)エブリンはリバウンドをもぎとってくる。
ローポストでの得点力もこの1年で確実に安定感を増し、名実ともに桜花のエースに成長した。
ウインターカップ決勝では、岐阜女子の187㎝のセンター#7ローヤシンと対決。
得点こそ相手が上回ったが、後半の勝負どころではローを見事に守り切って優勝に大きく貢献した。
馬瓜に改めてウインターカップ決勝のこと、ライバルチームとのセンター対決のこと
桜花での3年間でどんな点が成長できたのかを聞いた。

■ウインターカップ2013……岐阜女子との決勝戦

「決勝のセンタージャンプで初めてヤシン選手に勝てました。
その瞬間、“あ、この試合はいけるな!”と思いました」

ウインターカップ女子決勝は、180㎝の桜花・馬瓜エブリンと187㎝の岐阜女子・ローヤシンとのセンター対決が見どころだった。桜花は今季、インターハイと国体で昭和学院の2年生センター#12赤穂さくら(184㎝)を見事に守り切ってきた。しかし、ローの高さは赤穂以上。馬瓜が、そして桜花がチームとして7㎝のミスマッチをどう守るのかが1つのカギとなった。

――岐阜女子との決勝戦。ローヤシンへの守りは、どんな指示だったのですか。

岐阜女子#7ローヤシンへのパスをインターセプトする桜花#7井澗。桜花はチーム・ディフェンスで対抗したが、予想以上にローに得点を許してしまった

自分一人では守れないので、ガード陣がヘジテーションで守ってヤシン選手へのパスをインターセプトするか、ボールが入ったらトラップして守る作戦でした。でも、結果はうまく守れなかったです。勝てたからよかったですが、結構、得点を獲られましたよね(※馬瓜15得点に対してローは28得点)。6月の東海大会のときと比べると、ヤシン選手は上手くなっていました。

――ローヤシン選手(187㎝)は、昭和の赤穂選手(184㎝)よりも高い相手でしたが、守り方は違ってくるのですか。

基本的には同じです。私は180㎝しかありませんから、2人ともにミスマッチになります。自分一人では守り切れないので、ガード陣に助けてもらうのは同じです。さくら選手の場合は、自分一人で守れるところは守っていました。でも、ヤシン選手のほうはそれより身長があるから、とても守りづらかったです。その分はガード陣もヘルプをがんばってくれたと思います。

――試合は1クォーターでローヤシン選手が3ファウルとなったところがカギとなりました。ファウルを誘うという作戦はあったのですか。

ローヤシンとのセンター対決。得点ではローが28得点と上回ったが、チームを勝利に導いたのは馬瓜だった

ありました。ヤシン選手もファウルをしないように当然守ってくると思っていたのですが、意外にもポンポンとファウルをしてくれたので、自分としては助かりました(笑)。それと、岐阜女子との試合ではこれまでずっと試合開始のジャンプボールでヤシン選手に負けていたんです。でも、直前に井上(眞一)先生の「ポジションを取れ!」という声が聞こえてきました。それでがんばってジャンプしたら、初めて勝てたんです。その瞬間、“あ、この試合は行けるな!”って思いました(笑)。ヤシン選手が3ファウルでまるまる2クォーター、ベンチに下がってくれたのは本当にラッキーでした。

――第3クォーターでは岐阜女子が徹底してローヤシン選手にボールを集め反撃してきました。そこはどう守ろうと思ったのですか。

後半はちょっと焦りました。ボールが入るところをもっと止めたかったのですが、相手も上手くなっていたので止め切れませんでした。なので、ボールが入ったらとにかくファウルをしないようにプレッシャー気味に守り、相手がシュートを落としてくれたらそのリバウンドを取ればいいと思っていました。そういうプレーが何本かうまくいったと思います(リバウンド数は馬瓜12本、ローは8本)。

――最大20点のリードが第4クォーターでは6点差まで詰まりました。しかし、その後に馬瓜選手がローポストでの1対1で得点をし、我慢の時間帯のあとに#4山田(愛)選手のドライブからのシュートなどで再び突き放しました。後半は得点が伸びていませんが、要所でのリバウンドは支配していましたね。

後半はあまり点にはからめませんでしたが、とりあえずリバウンドでがんばろうと思ってプレーしていました。焦りは少しあったけれど、「絶対に勝つ」気持ちでいたし、みんなも同じだったと思います。

――改めて決勝戦を振り返って、自分の仕事はできましたか。

ヤシン選手を抑えるという点では十分に出来たとは言えません。でも、リバウンドや走ることはこの3年間、ずっと井上先生に言われ続けて取り組んできて、それはできたかなと思います。
 
 

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