インタビュー<後編> [海外]

渡邊雄太セントトーマスモア校

「NBAに入りたい夢があるのでアメリカ行きを決断した」

アメリカ・コネチカット州のセントトーマスモアに通う渡邊雄太。アメリカで自分の能力を発揮するには、日本にいたとき以上に自信を持ち、強い気持ちで戦わなくてはいけない。そんな環境に、渡邊は意外なほどすんなりと入り込んでいた。2014年1月末、進学先を決めた渡邊雄太の近況を取材。<後編>では、夢と目標・生活面と言葉・日本代表についてインタビュー。

文・インタビュー・写真/宮地陽子

インタビュー<後編>

渡邊雄太 (セントトーマスモア校)

「NBAに入りたい夢があるので、アメリカ行きを決断した」
 
 
【関連記事】
◆アメリカの地で決断した新たな一歩
 (2014年2月)
◆U18アジア選手権代表選手インタビュー
「結束力と
ハードワークで成長。悔し涙を流れた9連戦を忘れるな」
 (2012年9月)
 
 

■将来の夢と目標

「小さいときからの夢はNBA選手。
近い目標は大学で1年からスタートで出て、試合にどんどん絡んできいたい」

チームメイトとともに撮影。最後の大会、全米プレップチャンピオンシップでは決勝に進出。決勝で敗れたが、渡邊は25得点と活躍した

──目標と夢について聞きたいのだけれど、まず夢の話から。夢は何ですか?

夢はやっぱりNBAですね。小さいとき、NBAを見出したときからの夢です。小さい時は誰でも、NBAに行きたいっていう夢を持つものだけど、僕はずっと、小学校も中学も高校のときも、ずっとそういう風に思ってきました。アメリカに来た理由も、アメリカの大学でバスケットボールがやりたいとか、英語が喋れるようになりたいといったこともあったんですけれど、何よりもNBAに入りたいっていう夢があったから、アメリカ行きを決断したっていうのもありますし。将来の夢は、NBAでプレーしたいです。

──それを日本で言ったときに、まわりからはどういう反応が返ってきた?

今はみんな、『じゃ、頑張れ』みたいな感じです。小学校のときはまだみんな、同じような夢をもっているけれど、中学校ぐらいになって、みんなは『自分らではNBAでは無理かな』って徐々に現実的になっていくじゃないですか。それでも僕の夢はずっとNBAだったんです。自分で思い続けて、言葉にも出し続けて。夢を曲げずに。その結果、まだまだ全然遠いですけれど、ちょっとずつ近づいてこれているのかなと思います。

──夢を曲げずに…っていうのは、周りから無理だと言われることに対して屈さないっていう感じ?

はい、そうです。この夢はずっと持ち続けようと…。だから、僕、高校に入ったときも、将来の夢は絶対にNBAと言っていましたし、インターハイ前にもアンケートが回ってくると、(将来の夢の欄には)NBAってずっと書いたんです。その夢は、今もずっと持ち続けています。

──NBAが夢だと口に出すっていうことはそれだけの覚悟ができているっていうこと?

覚悟ができていますし、自分も、ちゃんとやることはやっていると思っています。

──今までに、その夢に対して、無理などと厳しく言われたことは?

厳しく言われたことはないですけれど、中学校ぐらいのときは、ちょっときついかな、みたいな感じのときもありましたね。小学校のときは県でもそれなりに注目されていたんですけれど、中学校に入って、膝がすごい悪くなって。

チームでは2、3、4番をこなす。外からのプレーと3Pシュートをもっと身につけたいという

──それは身長が伸びたから?

そうです。身長が伸びて。中学校で合計して30㎝伸びました。中学校の入学は160で、卒業するときに190だったんで。

──それは膝も痛くなるよね。

そう、本当に膝がひどくて。それでも練習はずっとやっていたんですけれど、なかなか自分の思うようなプレーはできずに、小学校のときは明らかに自分のほうが上だったのに、中学校に入って、ちょっとずつみんなに追いつかれて、追い抜かれていっているような気がしていて。そういうときにはちょっとくじけそうになったときもありました。

──今から考えると、その30㎝のために、当時は膝が痛くてつらかったかもしれないけれど、今は30㎝の分、夢に近づけている部分もあるのでは?

そうですね。そのときに身長が伸びたっていうのはすごくラッキーなことなんですけれど、それ以上に、そのときにも継続して練習をやり続けた。シュート練習は本当にずっとやっていたので。それは今でも生きていると思っています。ずっとやっていてよかったなと思います。

──夢に対して、ご両親は何と?

父親は、そんなでっかい夢があるんだったら、とにかく練習しろって言って、僕にずっとつきっきりで。僕がシュートを打つときはいつもリバウンドを拾ってくれていたんです。(チームの)練習終わって、家に帰って、ご飯食べたら、すぐに家の近くの空き地に行って、僕がひたすらシュートを打って、父親がずっとリバウンドを拾ってくれてっていう感じ。ずっと練習していました。

──それでは、夢よりもう少し近いところにある目標は?

アメリカに来たときはディビジョンIの大学に行くことが目標だったのですけれど、とりあえずその目標はかないそうなので、今は、このチーム(セントトーマスモア)で活躍して、もっとチームの勝ちに貢献できるようにしたいなと思っています。最近、ちょっとプレーに波があって、いい時と悪いときの差が激しいんで、そういうのをなくしていきたいです。シーズンが終わるの3月ぐらい。それまではコンスタントに活躍ができるようにしていかないといけないと思っています。

──大学に入ってからの目標は?

1年からスタートで出て、試合にどんどん絡んできいたいと思っています。

フィジカル面は、U18アジア選手権で自分より身長の高い選手と対峙した時から最重要課題として意識

──それができる大学として、ジョージ・ワシントン大を選んだということですよね?

そうですね。ただ、この間GW(ジョージ・ワシントン)の試合を見てきたんですけれど、強かったんです。コーチは1年から試合に出すようなことを言っているんですけれど、それはあくまでリクルートのため(の誘い文句)じゃないですか。どこまで本当かわからないし、試合を見た感じではそう簡単なことでもないと思う。

あそこでスタートで試合に出るとしたら、もっとうまくならなきゃいけないし、強くならなきゃいけないと思うので。もっと努力はしないとだめですね。今のままじゃ、まだ厳しいかなっていう感じはあります。試合には、たぶんちょくちょくは出られると思うんですけれど、大事な場面で出られるかっていったら、たぶん、今は出られない。大事な、勝負がかかった場面で試合に出ていたいので。そういう選手になれるように頑張りたっていきたいです。

──そのために、自分で足りないものは?

フィジカルは日本にいるときからずっと課題です。すごい弱いので。そのフィジカルの部分をもっと強くしていくのと、あとはこの身長で、僕にマークするのはけっこう大きい選手になるんで。この学校でも、そこで1対1したりとか、アウトサイドに出てシュートを決めたりとかをけっこうしているので、そういうところをもっと伸ばして、自分の強みを伸ばしていけば。

フィジカルは弱点ですけれど、これはたぶん体質もあるので。まだ身長もたぶん伸びているし。

──身長は中学のときに30cm伸びて、そのあとは?

高校に190で入って、卒業するとき2mを少し超えるぐらい。その期間は、身長がまだ伸びていたので、ウェイトは全然やっていなかったんですよ。高校で日本代表とかに入り出して、徐々にウェイトの回数も増えていったんです。それでも、やっていたのが、基本的に腕立て伏せとか腹筋とか、基本的なことをやっていたので。僕、ごはんとかもけっこう食べるんですけれど、なかなか(筋肉が)ついてこなかったりするんで。そういう、フィジカルを鍛えるのは、僕は時間がかかると思うんです。

そこをすぐにやろうと思っても無理なので、自分の弱点を直しつつ、自分の強みもどんどん伸ばしていけば、フィジカルな部分とか、自分の強みでカバーできるのかなと思ったりもしています。もっとシュート力を上げたりだとか、ドリブルとかももっとつけるようになったりして。アウトサイドから攻めていけるようなプレーもどんどん、もっと覚えていきたいです。

──こっちに来て、そういったものも含めてプレースタイルが変化したという意識はある?

今やっているのは、高校のときにやっているのと似ている感じですね。今、ポジション的には、2、3、4で、時間的には4をやっていることが多いんですけれど、コーチもアウトサイドでやるっていう風に言っているんで。アウトサイドからシュート打ったり、でかいやつがついていたらドライブインしたり。プレー自体は、あまり意識的に変化させたりはしていないです。

アメリカには渡邊と同等の身長の選手も、フィジカルが強い選手も大勢いる

──自分の将来を考えたときに、こういうプレーだったら自分でもNBAに入れるんじゃないかと思い描くことがある?

この間、NBAの試合を見にいったんですけれど、でかくて外からっていう選手、当然いますけれど、そんなに多くはないと感じたので、3ポイントとかが継続的に入るようになったら、自分にもチャンスがあるかなという風に感じています。

──NBAはお父さんの影響で見ていたの?

はい、そうです。で、気づいたらレイカーズ・ファンになっていました。好きなのはコービー(・ブライアント)とシャック(シャキール・オニール)。レイカーズが強かったときなんで。

──他に好きなNBA選手は?

(ケビン・)デュラントと(ダーク・)ノヴィツキーがけっこう好きです。たぶん、シュートがうまい人が好きなですね。

──身長的には4番。それなら外からできるのは武器という考えにはなるかも。それで憧れている選手にノヴィツキーをあげているの?

ノヴィツキーは、何か知らないけれど小さいときから好きだったんです。別に自分が大きくなったからっていうわけではなくて。身長が小さいときからコービーとかノヴィツキーとかを好きだったんで。何でノヴィツキーが好きになったかはわからないです。

──この選手を真似したいという選手は?

デュラントのプレーはけっこう見ていますね。

──デュラントが高校のときにすごく細かったというのは知っている?

はい、知ってます。(モントロス高校でデュラントとチームメイトだった)伊藤大司さんから聞いたんですけれど。

──それじゃ、デュラントが目標?

そうですね。目標ですね。
 
 
◆次ページは「日常生活と英会話」について。
 
 

1 / 3123