2014インターハイ女子インタビュー<1> [高校]

高辻真子 桜花学園高#4

「『絶対に優勝しよう!』という気持ちが強かったです」

千葉で熱戦を繰り広げた2014インターハイの女子は、桜花学園高が3年連続20回目の優勝を遂げた。勝負どころで意地を見せたのは、桜花のキャプテン高辻真子と加藤優希の3年生コンビだった。ポイントガードとして見事にゲームをコントロールした高辻に、優勝の喜びを聞いた。

取材・文/舟山緑   写真/一柳英男

高辻はゲームコントロールだけでなく、果敢にゴールをねらい、14得点と活躍。ディフェンスは昭和学院#8赤穂ひまわり

2014インターハイ女子インタビュー<1>

「先生にも周りにも『今年は強くない』と言われてたから、
『絶対に優勝しよう!』という気持ちが強かったです」

高辻真子(桜花学園高#4/160㎝/PG)

タイトなディフェンスで相手にプレッシャーをかけてスティール。
速攻に走ってそのままレイアップやジャンプショットを決める。
勝負どころの第4クォーターの中盤、果敢にゴールにアタックしたのはガードの高辻真子(まこ)だった。
中学からのチームメイト#7加藤優希の連続ゴールで昭和学院の反撃を振り切ったのも、
高辻の思い切りのいいパスだった。
160㎝の司令塔は、勝負どころで高い集中力を見せてチームを大きく牽引した。
インターハイ優勝の要因を聞くとともに、ガードとして強く心に留めていることを聞いた。

■昭和学院との決勝戦――残り5分からの勝負どころ         

「どんな状況でも焦ってはいなかったです。絶対に大丈夫だって。
みんなで声をかけあうことで、チームが1つになっていたと思う」

――優勝おめでとうございます。勝因はどこにあったと思いますか。

優勝を決めて笑顔を見せる高辻

センターのステファニー(#15馬瓜)がしっかりさくらちゃん(#12赤穂さくら)を止めてくれ、ガード陣もこぼれ玉をしっかり拾えたし、自分たちの持ち味であるディフェンスからブレークが出たところで流れを変えることができたと思います。そこが良かったし、一番は相手よりも「勝つ!」という気持ちが強かったからだと思います。

――相手のエース#12赤穂さくら選手への#15馬瓜選手のディフェンスが効いていましたね。

はい。1年生だけど、そこでがんばってくれました。たぶん「桜花のスタートだから」という気持ちが強かったのでは。1年生だけど、責任をもってやってくれたので、よかったです。

――今大会はずっと立ち上がりが悪かったと思いますが、今日は第1クォーターで23-13と10点のリード。その点差のまま前半を折り返しました。立ち上がりがよかったですね。

井上(眞一)先生からは「今年はエースがいない」と言われていますが、どこからでも点が獲れるチームだと思います。だから、誰かが抑えられても、別のところで点が獲れるというか。今日はうまくゲームに入れました。

――粘りのディフェンスからブレークが出たところがペースを握った要因になったと?

今年のチームはオフェンス力がそんなにないので、とにかくディフェンスをやらないと。ディフェンスをしっかりやれば速攻も出るし。セットオフェンスではなかなか点が獲れないので、ブレークに走ることをとにかく意識しました。

――10点リードで前半を終え、ハーフタイムでの指示は?

スティールから速攻に走り、スピードあるドライブで昭和のディフェンスを切り裂いた

井上先生にもチカさん(長門明日香Aコーチ)にも「後半は0-0からの気持ちでやれ!」と言われていたけれど、やっぱりどこかでみんなの気持ちの中にスキがあったのかな。同点にされ、逆転されてしまいました。

――しかし、逆転された後、さらに粘って逆転。一進一退のまま第4クォーターに入りました。焦りはなかった?

自分はどんな状況でも焦ってはいなかったです。絶対に大丈夫だって。みんなも「ここ、がんばろう!」「ディフェンスをしっかりやろう!」と声をかけあって、チームが1つになっていたと思います。

――第4クォーターも54-50とリードされた後、ブレークからのレイアップやドライブインなどで再び追いつきました。競ったあの場面は、自分がガンガン攻めていこうと思ったのですか。

昭和戦だけじゃなくどの試合もディフェンスからブレークが出たら、自分たちの流れがつかめるって思って戦ってきました。だから、相手が疲れてきたときこそ、自分たちが走れば流れがくるって。逆に流れが向こうにいっているときは、しっかり我慢をしてディフェンスをがんばってやるんだと思っていました。

――残り5分、昭和学院がタイムアウト。そこから#7加藤選手が3連続ゴールで62-56。2本のアシストが効いて見事なゴールでした。文字どおり、リバウンドを獲ってのブレークが効きましたね。

いつもナウ(加藤優希)のことは信頼しています。中学(愛知・若水中)からのチームメイトなので。あの3連発も、自分は絶対に決めてくれるって思ったからパスを出しました。

■ポイントガードとして心に強く持っていること          

「小さい選手でもできることは絶対にあるって思っています。
人は絶対に“スキ”があるから。
そこを突いていくことをいつも心がけています」

――決勝戦は、桜花のメンバーの気持ちの強さをすごく感じました。キャプテンとしてチームを引っ張っていく中で「勝たなきゃ」というのが強かったですか。

勝たなきゃいけないという気持ちもありましたが、今年は先生からも周りからも「あまり強くない」ってずっと言われてきました。だから、みんなの中に「絶対に優勝してやろう!」という気持ちが強かったと思います。その気持ちの強さが出せたかなって思います。

――その気持ちの強さは、先輩方の背中を見てきたからですか。桜花に代々、受け継がれてきたものというか。

ゲームコントロールには定評のある高辻。最後まで冷静にチームを引っ張った

今まで練習でやってきたことをコートで出せば、絶対に勝てるという自信はありました。桜花には、中学時代に活躍した素晴らしい選手が全国から集まっています。だからチーム内でのユニフォーム争いも厳しいし。そこは、仲間だけど厳しいです。後輩であっても上手ければ、ユニフォームがもらえます。そこには先輩・後輩がないから、いつも刺激し合える環境です。控えもしっかりいるので心強いです。

自分が桜花を選んだのは日本一になりたいと思ったから。ユニフォーム争いは大変だけど、お互いに刺激あえるのはすごいことだと思います。

――その中でユニフォームを着ているからこそ、負けられないと?

3年生としてもキャプテンとしても、絶対に負けたくかったです。でも、自分だけががんばったんじゃなくて、ユニフォームを着ていないメンバーも、ベンチの外で応援してくれているメンバーも全員でチームが1つになっていたと思うので、優勝できたんだと思います。

――キャプテンとして大変だったことはありましたか。

自分の声があまり通らないので、コートで指示を出すときとか声をかけるときに「もっと大きい声で言え!」と先生からは言われ、そこが大変でした。でも、自分が変わらないとチームも変わらないから、そこはしっかりしないといけないと思い、この大会が始まる前から、コートの中では必ず声を出してやっていこうと決めてました。そこはちょっとだけできたかなと思います(笑)。

桜花のキャプテンというのはすごく責任感があります。でも、プレッシャーとかあまり感じることなくできました。自分たちはチャレンジャーとして、ただ自分たちのバスケットを楽しんでやろうと思ったので。

――高辻選手は身長が160㎝と、決して大きくはありません。身長がない中、ポイントガードとしてポリシーにしていることは?

ブレークに入る高辻。リバウンドの本数では昭和が上回ったが、結果は自分たちの得意な展開に持ち込んだ桜花の勝利に

身長は関係あるといえばありますが、自分は関係ないとも思っています。小さい選手でもセンターがリバウンドを獲ってボールを下げたら、そこをねらって獲ることもできるし。小さい選手でもできることは絶対にあるって思っています。それに、人は絶対に「スキ」があると思うから、そこを突いていくことをいつも心がけています。

――確かに決勝戦もスティールから速攻に走った場面が何本もありましたね。得意なプレーは?

3ポイントかな。でも、オフェンスよりもディフェンスのほうが好きです。

――決勝戦は、自分がマッチアップした相手ガードを困らせるようなディフェンスはできましたか。

今日はあんまり……(苦笑)。少しプレッシャーが足りなく、引いていたかも……。

――ポイントガードとして周りを使うのも上手いですが、そこも意識していますか。

アシストばっかりを考えているとダメなので、まずは自分がシュートを打って、ディフェンスが出てきたら味方にパスを考えています。

――去年はオール3年生で3冠を獲得しました。今年はその先輩方が卒業して、自分たちの代になって初めての優勝です。自分たちで獲った優勝は違いますか。

はい、違います。サイコーです(笑)。

――この後は国体、そして12月のウインターカップと続きます。この後の目標は?

もちろん優勝です。でも、昭和も、他のチームも強い気持ちで上がってくると思うので、自分たちも優勝をめざしますが、もう一度、チャレンジャーとしての気持ちを忘れずに、1から練習して、気持ちで負けないようにしたいです。
 
 

高辻真子 TAKATSUJI, Mako

桜花学園高#4/160㎝/PG/3年/1996年5月8日、愛知県名古屋市生まれ。若水中→桜花学園高。若水中では2年と3年の全国中学校大会で連続優勝。3年の全中では加藤優希とともにベスト5にも選ばれている。スピードを生かしたドライブと3ポイントが得意。冷静にゲームをコントロールするガードとしての力が高い評価を受けている。愛称は「ラナ」。