2014インターハイ女子インタビュー<3> [高校]

馬瓜ステファニー 桜花学園高#15

「自分は1年生でまだまだだから、できることを一生懸命にやるしかないと」

昭和学院のエース赤穂さくらをどれだけ抑えられるか。桜花の1年生センター、馬瓜ステファニーは4ファウルになりながらも最後まで赤穂を苦しめた。181㎝の細身の身体は、手足の長さが特に目を引く。まだまだ荒削りだが、ルーズボールへの執念も強く、これからの伸びしろが楽しみな1年生だ。

取材・文/舟山緑    取材・写真/一柳英男

残り28秒で決まった昭和学院の#8赤穂ひまわりの3ポイントに対抗して、#15馬瓜もタイムアップ寸前に3ポイントを放ち、見事にネットの中に。ベンチも応援団も、そして本人もビックリ。優勝の喜びが倍増となった瞬間だった

2014インターハイ女子インタビュー<3>

「自分は1年生でまだまだだから、
できることを一生懸命にやるしかないと。
それで抑えられなかったら、それまでだと思ってました」

馬瓜ステファニー(桜花学園高#15/181㎝/C/1年)

昭和学院のエース#12赤穂さくら選手(184㎝)にマッチアップしたのは
桜花の1年生センター#15馬瓜(まうり)ステファニー(181㎝)だった。
高さでも技術でも赤穂(さ)にはまだまだ及ばないが、前半で3ファウルとなりながらも
後半、持ちこたえて赤穂(さ)を24得点に守り切った。
1年として重責を担った馬瓜に、インターハイでの自身の出来を聞いた。

■昭和のエース・赤穂さくらとのマッチアップ      

「第2クォーターでファウル3つ。ハーフタイムで気持ちを切り替えました。
ファウルアウトしなくてよかった(笑)」

低い姿勢で#12赤穂さくらのポストプレーを守る#15馬瓜。このプレッシャーが後半、効いてきた

「ステファニー(馬瓜)の体力がもってくれたのが大きかった」と、決勝戦を振り返った桜花学園の井上眞一コーチ。マッチアップした昭和学院の大黒柱#12赤穂さくら(184㎝)は、高校界屈指のセンタープレーヤーだ。アジア競技大会の日本代表候補(B代表)として、7月末には国際親善試合を2戦戦っていた。その赤穂(さ)をどれだけ守れるかが、決勝戦のカギとなった。その大役を、この1年生センターは足の痛みをこらえて踏ん張った。

「フォームが安定しないから、シュートが苦手」という馬瓜だが、前半も後半もいいところで得意のドライブインを決め、勝負どころのリバウンドもしっかりともぎとった。大会直前の合宿で左足の甲に痛みを訴え、「疲労骨折の疑いがある」(長門明日香Aコーチ)中での決勝戦だった。しかし、試合はそんな痛みを感じさせないほどの集中力で、12得点、9リバウンドの数字を残した。手足の長さは、姉の馬瓜エブリン(桜花学園→アイシンAW)以上かもしれない。

――優勝を決めて、今の気持ちは?

本当にうれしいです。準決勝(大阪薫英女学院戦)が全然ダメだったので、今日は最後までがんばろうと思っていました。意外とよかったです(笑)。

――マッチアップの相手は3年生の#12赤穂さくら選手。どう守ろうと思っていましたか。 


インタビューに応える馬瓜

相手は3年生で自分は1年生。まだまだなのは分かっていたから、自分ができることを一生懸命にやって、それで抑えられなかったら、それまでだと思ってました。そんな気持ちで臨んだら守れたので、本当によかったです(笑)。

――第2クォーターで3ファウアル。後半、4つまでかさんだけれど、ファウルアウトせずに持ちこたえました。そこが大きかったのでは?

第2クォーターで3つやったときは「ヤバいなー」と思ったんですが、ハーフタイムでもう一回、気持ちを切り替えてコートに立ちました。後半は無理にボールを取りにいかず、確実にさくら選手を抑えることだけ気をつけてやったらやれたので、よかったです。

――井上(眞一)コーチからの指示は?

自分は体力がまだないんで「あと20分、がんばれ!」と。「もう次の試合はないんだから、ここで完全燃焼するつもりで行け!」と言われました。
 
 
■世界で戦うためにワンハンドシュートにフォームを改造中 

「ディフェンスで相手を抑え、リバウンドやルーズボールなど
地味なところをがんばることだけはいつも意識しています」

――シュートフォームを直している最中ですか。

フェイクをかけてのドライブインは見事だった。今後、ポストプレーが安定していけば、大きな武器になる

はい。中学(若水中)のときはボースハンドだったので、今はワンハンドで打てるように直しています。先生からは徹底的に言われています(笑)。だから、シュートはあまり自信がありません。

――どの試合でもルーズボールへの執念が強い印象ですが、そこは意識しているところですか。

はい。勝ち上がっていくにつれて自分も相手に抑えられてしまいます。そんなときに自分がルーズボールを獲らなかったり、逃げたりすると流れが変わってしまうから。だから、点は獲れなくても、ディフェンスで相手を抑え、リバウンドやルーズボールなど、地味なところでがんばることだけはいつも意識しています。

――6月に遠征した「U-17世界選手権」(チェコ)では、2番の控えとして起用されていました。でも、チームでの仕事は5番ポジションですよね。

はい。U-17ではドライブが得意なので、フォワード的な役割でした。インサイドでのシュートが下手なので、ディフェンス要員として交代で入っていました。でも、桜花では5番ポジションです。これからポストプレーがしっかりやれるように練習を積んでいかないと。ポストプレーができるようにならないと、外のプレーもできないと思うので。得意なドライブを生かしながら、中もできるようになりたいです。

――今年、桜花を卒業してWリーグに進んだ姉のエブリン選手(アイシンAW/180㎝)は、どんな存在ですか。

お互いに励ましあっているし、刺激しあっていて、ライバルみたいな存在です。お互いがお互いを認めて応援しています。インターハイ前にお姉ちゃんからは「勝ったら、牛丼を買ってあげる」と言われました(笑)。今は離れているけれど、お互いに情報交換をしながらがんばっています。お姉ちゃんががんばっているから、自分もがんばろうと思えます。

――10月の国体、12月のウインターカップに向けての課題はどんなところですか。

馬瓜にとって昭和の#8赤穂ひまわりは中学からのライバルであり、U-17日本代表ではよき仲間。赤穂姉妹との対決は、国体、ウンターカップへと続く

今回勝てたのは、先輩方の力があったからだと思います。いいところでシュートを決めてくれたので。国体、ウインターカップに向けては、もっと自分もオフェンスに参加して点を獲れる選手になっていきたいです。

U-17でもそうだったんですが、自分よりも大きな相手と対戦したときでも逃げずにどんどん相手に向かっていけるようなプレーを身につけたいと思います。「自分が決めてやる!」ぐらいの気持ちが持てるように、技術を身につけていかないと。

今回、先生からは「(赤穂)さくらさんを10点に抑えろ」と言われても、24点も獲られてしまったので、次に対戦するときには有言実行できるようにがんばります。
 
 

馬瓜ステファニー MAWULI, Stephanie

桜花学園高#15/181㎝/C/1年/1998年11月25日、愛知県生まれ。両親ともにガーナ人だが、小学校6年のときに日本国籍を取得。名古屋の強豪中学・若水中では2年の全国中学大会で準優勝。3年の全中では第3位で大会優秀選手に選ばれた。中学2年でU-16日本代表候補メンバーに入り、中3でU-16代表として「第3回FIBAアジア女子選手権大会」(2013年11月)に出場(2位)。今年6月にチェコで開催された「第3回FIBA女子世界選手権大会」では控えメンバーとして奮闘し、7位に貢献した。昭和学院高の#8赤穂ひまわり選手とは、中学時代からのライバルであり、ともにU-16 、U-17日本代表として戦ってきた。姉は今春、桜花を卒業した馬瓜エブリン選手(アイシンAW)。得意なプレーはドライブイン。筋力も体力もこれからだが、持ち前の長い手足でしなやかなプレーが持ち味だ。1年生ながらリバウンドやルーズボールへ強い気持ちを見せるのも大きな魅力。愛称は「ステ」。