2014インターハイ男子インタビュー<1> [高校]

津山尚大福岡大学附属大濠高#13

「片峯先生の『忘れ物』を取って帰ろうと、みんなで話しました」

インターハイで28年ぶり3回目の優勝を飾った福岡大学附属大濠高。昨年、果たせなかった「日本一」を決めた瞬間、司令塔の津山尚大は泣いていた。決勝では19本のリバウンドを奪取。チームが苦しくなった場面では3ポイントを決めるなど、エースとしての存在感を大いに見せつけた。

取材/清水広美  構成/舟山緑  写真/一柳英男

田中国明Aコーチに続いて胴上げされた片峯聡太コーチ。選手にとっても、片峯コーチにとっても悲願の「日本一」になった

2014インターハイ男子インタビュー<1>

「片峯先生の『忘れ物』を取って帰ろうと、
みんなで話したので、優勝できて本当によかったです!」

津山尚大(福岡大学附属大濠高#13/178㎝/PG/3年)

28年ぶり3回目の優勝を飾った福岡大学附属大濠高。
決勝戦は、U-17世界選手権のために福大大濠は1人、2年生チームの明成は2人を
欠く異例の決戦となったが、高さとディフェンス力に勝る福大大濠が明成を突き放した。
胴上げでは創部より2009年までチームを指揮してきた田中国明Aコーチと
片峯聡太コーチが、部員らの手によって宙を舞った。
司令塔の津山尚大は、持ち前のアグレッシブなプレーだけでなく、冷静にチームをコントール。
19本のリバウンドを奪取するなど意地を見せ、

チームが苦しい場面ではシュートを沈めて、エースの存在感を示した。
 
 
■28年ぶりのインターハイ優勝           

「リバウンドは意識していました。ガツンとディフェンスで守って、
ブレイクという大濠のバスケットに徹しようと思っていました」

――優勝した瞬間、涙していましたが、頭に浮かんだことはどんなことでしたか。

戦いを終えて熱い思いをかみしめる津山

周りのチームメイトや先生方、父兄の方々に感謝の気持ちでいっぱいでした。チームとしても28年ぶりの優勝で、自分らの代で田中(国明)先生を胴上げすることができました。先生にもすごく指導していただいたので、感謝の気持ちしか浮かびませんでした。

――自分自身の出来はどうでしたか。

まだまだ全然……。声かけは意識していましたが、特に点差が開いたときにチームをコントロールするプレーの場面で、自分が熱くなって流れを崩したりすることがあったので、そこが反省点です。

――リバウンドが19本。両チーム合わせても一番でした。意識して飛びこんでいた?

意識していました。リバウンドを取って、ブレイクにどんどん走って行こう、と。それが試合前の自分の中の感覚でした。先生から言われた訳でなく、最初からガツンとディフェンスで守り、そこからブレイクという大濠のバスケットに徹して、最初からリードを奪おうと思っていました。

19本のリバウンドを奪取した津山。18本はディフェンス・リバウンドで、明成のチャンスの芽をつんだ

――インサイド陣も今日は強気でよくゴールに向かっていましたね。

増田(啓介)とか野口(夏来)が身体を張っていて、自分に対して詰め気味に寄っていたので、ハイポストがガラあきでした。そこに増田がいいところでフラッシュしてノーマークになっていました。前半は自分がやらなくても、周りの選手がやってくれました。

――後半、出足のところで点差を詰められて11点差になったときに、今度は自分で3ポイントを決めて再び流れを引き寄せました。あそこは気持ちが入っていましたか。

ここはちょっとやらなきゃいけないかなぁと思って(笑)。外したら、野口とかがリバウンドを獲ってくれると信じて、思い切りよくシュートが打てました。

――明成は2人、大濠は1人欠いての決勝になりました。実際の明成の手応えはイメージしていた力と比べてどうでしたか。

(八村)塁がいないので、どんな感じになるのかなと思っていました。明成は脚を使ってバスケットをしてくるので、塁が走るバスケットに徹したら怖いかなぁと。それはウインターカップを見越した自分のイメージです。塁がガードも、外も中もできるというチームになったら怖いですね。

――#4鳥羽(陽介)選手が相手のシューター三上(悠仁)選手を前半シャットアウトしたのも大きかったですね。

それがチームとしてのゲームプランでした。#4鳥羽と#6中村(大地)がよく守ってくれました。
 
 
■エースとしての意地と成長           

「チームが苦しくなった場面は自分のシュートでガツンと相手を引き離す。
そういうプレーを心掛けました」

――3年になって以前のような「イケイケドンドン」だけではなく、一歩引いた目でゲームを見るようになったのでは?

津山は、持ち前の身体の強さと巧さを生かし、攻守でチームを牽引

自分でもそこは意識して、練習で取り組んできました。たまに冷静さを失うときがあり、自分の癖なのかなぁと思う時もあります。でも、今大会はあまり出なかったので、抑えられたかなと思います。

――エースの意地を見せられた大会になりましたね。

はい。みんなが力んでいたときはリバウンドで貢献して、チームが苦しくなった場面はシュートでガツンと相手を引き離す、そういうプレーを心掛けました。思い切ってシュートが打てたのは、今年のチームはディフェンスがいいからです。それに、センターがリバウンドを取ってくれるので、思い切って打てました。

――改めて、日本一になった気分はどうですか。

うれしいですけど、まだ8月、インターハイなので。12月にはウインターカップがありますから、満足はしていません。でも、大会前に片峯先生の『忘れ物』※を取って帰ろうとみんなで話したので、優勝ができて本当によかったです。(※片峯コーチが高校3年のインターハイ、同じ船橋アリーナで福大大濠と延岡学園が対戦し、準優勝に終わったこと)

――津山選手は沖縄の出身。福大大濠を選んだのはどんな理由からですか。

もともと自分はプロ選手になるのを目指していて、プロを輩出するのが多いチームは大濠かなと思いました。中1のときの「おきなわカップ」(毎年3月に開催)に金丸(晃輔/現アイシンシーホース三河)さんたちが来ていて、その試合を見て思いました。

鳥羽とともに冷静にゲームをコントロールした津山

――自分自身がめざす選手はどんな選手ですか。

やっぱり、並里成人選手(bjリーグの琉球ゴールデンキングス)です。ずっと小さいころからバスケを見ていて、バスケットに対する姿勢が試合によく出ている選手です。特にゴールデンキングスに入ってからは、本当に熱い選手だな、ああいう選手になりたいなぁと思っています。

――さて、ウインターカップに向けてのチームの課題は?

自分自身のゲームコントロールやシュートの確率を上げていかなければいけないなぁと思います。チームとしては足が止まる場面があったので、それを改善してウインターカップに向けてがんばっていきたいです。

――個人としての今後の目標は?

今大会は全試合、自分にとっては課題が残る大会だったので、それを福岡に戻って改善して、国体とウンターカップで見せられたらと思います。一番の課題は、ディフェンスもそうですが、もう少し冷静さを保って決めるべきシュートの確率をもう少し上げることです。国体に向かう前に、8月は「U-18アジア選手権大会」(8月19日~:カタール)があるので、日本代表としてがんばってきたいと思います。
 
 
津山尚大 TSUYAMA, Shota

福岡大学附属大濠高#13/178㎝・78㎏/G/3年/1996年4月16日、沖縄県生まれ。北谷中出身。フィジカルが強いガードであり、3ポイントやドライブを得意とする。アグレッシブさに定評があったが、3年になって冷静さも身につけてきた。インターハイ後はU-18日本代表として「第23回FIBA アジアU-18男子選手権大会」に出場(8月19日~8月28日:カタール・ドーハ)し、スタートメンバーとして活躍。