女子世界選手権に挑む<1> [女子代表]

長岡萌映子日本代表#12 富士通#0

「富士通でも代表でも、しっかりと“結果”を残したい!」

9月27日、トルコで開幕する女子世界選手権。3年ぶりに代表復帰を果たした長岡萌映子が任されたのは、新たな挑戦である3番ポジションだ。スーパーサブとして戦った7月の親善試合での手応えはどうだったのか。昨シーズンが不本意だっただけに、今季に懸ける思いは強い。「世界」へ挑む熱い思いを聞いた。

取材・文/舟山緑   写真/日本バスケットボール協会(JBA)、一柳英男

国際親善試合ではFIBA世界ランク2位の強豪・オーストラリアと対戦(写真提供:日本バスケットボール協会/JBA)

世界選手権に挑む<1>

「富士通でも代表でも、自分に求められている“仕事”を
果たし、しっかりと“結果”を残したい!」

長岡 萌映子  
(日本代表#12/富士通#0/182㎝/SF/20歳)
 

トルコで開幕する「FIBA女子世界選手権」が目前に迫ってきた。
長岡は昨年、手首のケガのために代表活動を辞退せざるを得なかったが、
今季は元気いっぱい、アグレッシブな姿を合宿や試合で見せている。
チーム最年少の長岡らには、2020年・東京オリンピックを見据えて
国際舞台での場数を踏んで大きく伸びていってほしいという期待がかかっている。
さまざまに悩んだ昨シーズンの戦いから得たことは何かを聞くとともに、
新たな挑戦である「日本代表での3番ポジション」の手応えはどうか。
代表に賭ける熱い思い、今季に懸ける率直な思いを長岡に聞いた。

■国際親善試合2014でオーストラリア、モザンビークと対戦

「ベンチでは、誰と交代するのか、今、試合はどんな流れで、
何が自分に求められているのかを落ち着いて見られるようになりました」

日本代表で内海知秀ヘッドコーチから任されたのは「3番ポジション」。札幌山の手高時代からオールラウンダーとしてその持ち味を見せてきた長岡萌映子だが、本格的に「3番」をやるのは初めてだ。同じ代表チームで「3番」にコンバートされた髙田真希(デンソー)とはタイプが異なるが、内海ヘッドコーチは「代表で3番に育てていきたい」と大きな期待を込めている。

――7月末、国際親善試合で世界ランク2位のオーストラリアと2戦戦いました。1戦目は途中までリードしながら逆転を喫して1点差の惜敗。しかし、2戦目は相手の厳しいディフェンスの前に苦しい展開になりました。スタートの栗原三佳選手(トヨタ)との交代でコートに出ましたが、世界の強豪との戦いはどうでしたか。

3年ぶりの代表復帰。この2シーズンで得た経験を「世界」にぶつける機会でもある(JBA)

1戦目は日本がいいリズムで試合に入ってリードしたのですが、途中から相手にアジャストされていきました。2戦目は最初からディフェンスが厳しく、本当に実力を見せてきたというか。1戦目で1点だったから、日本チームとしては「2戦目でもう一回……」という思いがあったけれど、そこをちゃんとつぶしてきました。そう簡単に勝たせてもらえなかったです。1戦目から2戦目ときちんと調整してくるところは、さすがだなって思いました。

――内海ヘッドコーチから任されたのは「3番ポジション」です。自分の役割をどう考えていますか。

日本代表ではドライブや走ることを期待されています。「3番で、この身長(182㎝)でドライブを切っていける選手はあまりいないから」と言われました。そういう選手になれたらいいなと思いながら今はやっています。

――実際に親善試合を戦って、その役割について自分の手応えはどうでしたか。

まだまだのところはありますが、何本かドライブに切っていけたので、今後はそこをコンスタントにできることが課題ですね。あとは周りに渡嘉敷(来夢)さんや間宮(佑圭)さん、大神(雄子)さんという素晴らしい選手が揃っているけれど、自分がもっと積極的に攻めに参加していきたいと思いました。

――3番としてスタートだった髙田選手がケガで国際親善試合は出られず、代わって栗原三佳選手(トヨタ自動車)がスタートになり、長岡選手はその栗原選手との交代でした。富士通ではこの3年、スタートでバリバリとやってきました。スーパーサブでコートに出るのは難しいところがありますか。

以前は代表でベンチにいる時間が長いと「試合に出られない……」という焦燥感だけでいっぱいでした、でも、今は全然、違います。ベンチで試合を見ていて、誰と交代するのか、今、試合はどんな流れで、何が自分に求められて交代するのかを落ち着いて見られるようになりました。交代で下がる人よりも、自分はもっといいプレーをしなければいけないと思っていますから。そこは自分が富士通ではできないことを経験させてもらっているので、プラスにとらえています。ゲームをよく読んでバックアップとしてコートに出て行く“目”を養うというか。それがもっとできるようになればと思っています。

――冷静にゲームを見られるようになったということですか?

走力がある長岡には、ブレークからの得点が期待されている(JBA)

そういう目でゲームを見るようにしています。これは試合に出ているから言えることかもしれませんが、今、こうやって代表に選んでいただいて、親善試合でもプレータイムを与えてもらっているから、そのチャンスをしっかり生かしていきたいと。「6番手で出るかもしれない」というのは、7月上旬にチェコの代表チームが来日して練習試合をやったときから若干、感じていました。そのときに「自分はこれからベンチでの考え方、見方を変えていかなくちゃいけない」と思いました。そこが、以前の自分と全然違ってきたと思います。そこは、少しステップアップできたかなと(笑)。

――内海ヘッドコーチから与えられた「3番」という役割に慣れてきた?

それなりにフィットした手応えは感じています。いろいろ悩むことはあったのですが。

――悩んだのは、具体的にはどんなことですか。

今の代表チームのプレースタイルが、インサイドも強くて3ポイントが打てるシューターもいる。その中ではシュートの正確さを求められるけれど、自分は3番としてシューターという役割ではなく、ドライブマンとして切っていくプレーや、先頭を走っていって1対1を仕掛けていくというのをスタッフから強調されてきました。今までは、3ポイントが打てるのが自分の武器だと思っていたのに、そうじゃなくて、「ブレイクと走ることだ」と言われたときに、「あ、そうなんだ!?」となったんです。その自分に求められているプレーが通用するのか、という迷いみたいなものが出たんです。

最初は髙田さんがスタートで、ケガをして親善試合は栗原さんがスタートになりましたが、その前の練習では自分がスタートで出ていたんです。でも、それが代わったときに「3ポイントが打てないからか?」と、戸惑いました。自分が焦点を合わせるべきところがブレていたんです。そこが悩みの種だったというか……。でも、今は求められていることがハッキリと見えてきたし、あとはコートの中でどれだけやりきるかだと思うので、そこは吹っ切れています。
 
 
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