ASIAN GAMES 2014<2> [男子代表]

比江島 慎日本代表#6 (アイシンシーホース三河)

「攻めるガード像」が見えてきた3年目の変化

銅メダルを獲得したアジア大会。躍進の中心にいたのは比江島慎だった。みずからのミスで相手に勝利をさらわれたカタール戦から這い上がり、課題を抱えながら、試合をこなすごとに「攻める」という自分らしさを出せるようになってきた。ガードとして“気づき”が多かった今年1年間の模索とアジア大会での成果とは。

インタビュー・文・写真/小永吉陽子

準決勝の韓国戦では23分32秒、11点、3アシスト。3決のカザフスタン戦では35分12秒出場、15点、9アシストを記録

「攻めるガード像」が見えてきた3年目の変化

比江島 慎
(日本代表#6/190㎝/G/24歳)

銅メダルを獲得したアジア競技大会。躍進の中心にいたのは比江島慎だった。
みずからのミスで相手に勝利をさらわれたカタール戦からの這い上がりを誓い
「自分らしさとは?」との問いに向き合って大会を戦った。
ガードにコンバートして3年目。
まだまだ課題は多いが、「攻める」という自分らしさを出せるようになったのも事実。
ガードとして“気づき”が多かった今年1年間の模索とアジア大会での成果とは。
 
 
「カタール戦のパスミスを挽回しよう、
自分で攻めようという思いでこの大会をやってきた」

比江島の良さは1対1を仕掛けられること。中国戦、カザフスタン戦では要所の1対1で活路を開いた

――カザフスタンとの接戦を制して3位になった気持ちは。

苦しい時間もありましたが、最終的にはやってきたことがよかったということを証明できたので、日本はこれからもっとよくなると思ったし、素直にうれしいです。

――この大会はほとんどポイントガードで出たけれど、自身のポイントガードとしての出来は?

今大会は、どちらかというと調子が良かったです。カザフのディフェンスは韓国のプレッシャーに比べたらそうでもないので、自分に余裕があったので攻めていくことができたし、相手がデカイので自分が起点になって、スピードを生かしながらアシストができたのがよかったです。

――余裕というのは、どんなふうに余裕が出てきたのですか?

ガードとして3年目ですし、NBLを経験したのは大きいと思いますし、去年の自分よりも成長していると思います。その点で余裕が出てきました。

――3決の残り2分41秒、大事な場面で1対1を狙ってバスカンで逆転。あの場面は、どんな意識を持ってプレーし、バスカンにつながったのでしょうか。

あの時間帯は外のプレーだけで単発になっていて、ペイントエリアにボールが入ってなかったので、自分がドライブをしようと思っていました。まさか、バスカンになると思わなくて、とりあえず打っておけと思ったのが入ってよかったです。そこは自分でもよく行ったなと思うし、勝ちたいという思いがあったのでドライブに行けたのだと思う。

――1次リーグのカタール戦でブザービーターを決められて敗戦。そこからどう切り替えて試合をしてきましたか。

そうですね…。「みんなは2位通過になって中国と対戦できてよかったよ」と言ってくれたのですが……。自分では(カタール戦の最後に)パスミスしたことで1位通過を逃してしまい、それを挽回しなければと思ってやっていました。

――日本の動きがよくなったのは2次リーグ(8強リーグ)2戦目、中国戦の後半からでした。特に4Qでは脚が動いていた。これは崖っぷちだったから? チームに何の変化が起きていたのでしょうか?

中国戦ではあとがないので自分の力を出そうと思ってやっていたのですが、リバウンドが取れなくて離されてしまって…。でも、相手のディフェンスがよくなかったので、「今日はパスではなくて自分の1対1ができるのでは」と思い、ゴールに向かって得点を狙おうと切り替えました。自分のいいところを出そうとしたことが良かったと思います。

――中国戦の後半、タイムアウトで長谷川ヘッドコーチがみんなに喝を入れていました。あそこから変わってきたように感じたのですが。

それはありました。あの喝は効いたと思います。日本人がルーズボールだったり、リバウンドを見合っていたり、そういうところで負けたら勝てないと言われていたのに、あの試合では3Qまでみんながやっていなかった。リバウンドでただ取られて負けて、セカンドショットをやられて、「やっぱり、このまま変わらないのか」という思いがありました。長谷川さんに怒られたところから、みんなでリバウンドを取るんだとか、ボールに行くんだという意識が出てきたのはありました。

――でも、まだ韓国には及ばなかった。現時点では何が足りないと思いますか?

うーん…。まったく勝てない相手ではないと思いますが、接戦で勝てないのは日本の長年の課題だと思います。今は持てる力出しましたが、最後はさすがのゲーム運びというか、シュート力にやられてしまいました。けれど、こういう試合を続けていくしかないと思います。
 
 

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