躍動!オールジャパン2015<女子編> [オールジャパン]

伊集 南デンソー#13/168㎝/G/24歳

「自分のシュートで チームを鼓舞したいと思って戦いました」

デンソーにとって3年ぶりとなるオールジャパン決勝の舞台で、積極性が光ったガード伊集南。昨季のWリーグファイナル2戦目。みずからのミスによって勝利を逃し、号泣していた姿はそこにはなかった。Wリーグファイナルでの悔しい経験が伊集を成長させたのだ。優勝には手が届かなかったが、躍動が光った伊集南を大会後に直撃した。

取材・文/小永吉陽子   写真/一柳英男

得点力の高い伊集にマッチアップしてきたのはJX-ENEOSの吉田だった。ケガから復帰したばかりで完全な体調ではない中で、伊集を厳しくマークしてきた

躍動!オールジャパン2015<女子編> 

伊集 南
(IJU , Minami/168㎝/G/24歳/デンソーアイリス #13)

「自分のシュートで
チームを鼓舞したいと思って戦いました」

デンソーにとって3年ぶりとなるオールジャパン(皇后杯)ファイナルの舞台。
躍動していたのは、2年目のガード伊集南(いじゅ・みなみ)だった。
昨シーズンのWリーグファイナル2戦目。
みずからのミスによって勝利を逃し、号泣していた姿はそこにはなく
積極的なドライブや3ポイントでチームを勢いづけ、アウトサイドの核になった。
その成長の背景にあるのは、やはり、Wリーグファイナルでの悔しい経験。
そして、背中の痛みによってリタイアせざるを得なかった代表候補としての意欲も見えた。
今でもターンオーバーを減らすことは最重要課題ではあるが、それでも、
積極性を前面に出した伊集南のプレーには惹きつけられるものがある。
初の大会ベスト5を受賞し、成長の最中にいる伊集南を大会後に直撃した。
 
 

■マークが厳しくなった2年目

  
「ルーキーの時は勢いと思い切りでやれたけど、今年はそうはいかない。
自分が重要な場面、重要な時間帯でもっと踏ん張れていれば」

――オールジャパンの戦いを終えて、今の心境を聞かせてください。

筑波大からWリーグ入りして2年目。さらなる飛躍が期待される

負けてしまったことは悔しいです。昨シーズンはWリーグのファイナルで負けてしまったので、この大会は日本一を目指してきたし、皇后杯はトーナメントなので何が起きるかわからないし、ドラマが起きるかもしれない大会なので狙っていたんです。

やっぱり、トーナメントには勢いが必要ですし、弱気になったらそこで終わりなので、チームの勢いを出すなら自分のシュートで勢いづけたかったし、自分のプレーでみんなを鼓舞したいと思ってやってきました。間宮(佑圭)さんと渡嘉敷(来夢)さんのところのディフェンス対策でインサイドの選手は大変なので、ガードの自分がもう少し大事な場面、大事な時間帯で踏ん張れていれば結果は変わっていたかもしれないので、そこは悔しいです。

――それでも、要所の得点が光り、ルーキーだった昨年よりも落ち着いて、かつ積極的にプレーしていたと思います。自分自身の手応えはどうでしたか。

ずっと背中のケガをしていたので、シーズンに入ってもケガと向き合いながらプレーしていたのですが、皇后杯に入ってから背中の痛みも感じず、いい状態で大会を迎えることができました。コンディションが良かったので、シュートタッチが戻ってきました。

この大会は、とにかく積極的にやろうと思っていました。これまでの自分は1番も2番も両方やったのですが、今はチームにケガ人もいるので私が攻めなくてはならず、2番でやることが多かったので、1対1で破っていく判断とか、シュートにいくときの工夫やかわし方とか、シュートからのパスの機会など、場面場面によって、自分なりに課題を見つけながらやれた手応えはありました。でも、決勝ではもっとやれたなと思うプレーのほうが多かったですし、最終的には勝たないといけないのでまだまだです。この大会で良かったプレーをさらに修正して今後につなげたいです。

――「もっとやれた」と思うプレーとは?

スピードあるドライブインでゴールに切り込む#13伊集南。決勝ではチームハイの18得点をマーク

昨シーズンはルーキーというのもあって、勢いでやれたことが多かったんですね。他のチームからは、自分はアジャスト(対応)される対象に見られてなかったので思い切りやれた部分があったんですけど、やっぱり今年はマークが厳しくなった分、去年はできたことが止められてしまったり、自分のクセを見抜かれて守られることが多くなったと感じました。だから自分のプレーを貫くことだったり、スピードを出したまま切り込んでいくような、常に自分自身を出していく強さがもっと必要だと思いました。そういう面でもっとやれたと思うんです。やっぱり、大事なところでのテクニックや状況判断は経験値が必要だと思うので、そこは自分にはまだ足りないので、試合をやりながら身につけなくてはならないです。

――たとえば、決勝はJX-ENEOSの吉田亜沙美選手にマークされましたが、経験値の違いは感じましたか? 吉田選手は膝の前十字靭帯断裂からの復帰戦だったので、昨シーズンでのファイナルでは対戦しなかったですが、実際に対戦して何を感じましたか?

やっぱり、他の選手につかれているディフェンスとは違う感じがあって、自分のクセを読んできました。私がイヤだなと思うディフェンスをしてきたので、そこは見習わなくてはならないです。オフェンスの時は吉田さんのボールを持つときの勢いといいますか、ボールを持った時の雰囲気がすごかったです。ボールを持つだけで雰囲気が変わったと相手チームの私でも感じたので、そういう選手が本当の強い選手なんだと思いました。自分が同じような選手になることは難しいかもしれませんが、もっと自分らしく積極的に行くことができたら、吉田さんみたいに相手チームの選手からも怖がられると感じました。
 
 

◆次ページは、「ファイナルという舞台で得た経験値」について
 
 

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