Wリーグファイナル [WJBL]

三谷 藍富士通レッドウェーブ

「もう一度ファイナルで、思い切り戦いたかった!」

若手の成長が著しい富士通の中で三谷藍のキャリアあふれるプレーは存在感を放っている。7年前のWリーグ優勝を知る36歳のベテランは「ファイナルの経験を伝えることが自分の責任」だという。リーグ最年長となった今、現役にこだわるモチベーションと、7年ぶりのファイナルに臨む意気込みを聞いた。

インタビュー・文/小永吉陽子  写真/一柳英男

デンソーに2連勝して7年ぶりのファイナルへ。成長著しい後輩たちと歓喜の輪を作る

「 もう一度ファイナルで、
     思い切り戦いたかった!」

三谷 藍
(MITANI,Ai/富士通レッドウェーブ♯1/181㎝/CF/36歳)

若く成長著しい富士通の中で三谷藍のキャリアあふれるプレーは存在感を放っている。
BTテーブス・ヘッドコーチが「三谷は大事なところで決めてくれる」と信頼を寄せているように、
セミファイナル第1戦では勝利を決定づける3ポイントを放ち、
レギュラーシーズンJX-ENEOSとの3戦目には、延長に持ち込む値千金の3ポイントを決めている。
7年前の優勝を知る36歳のベテランは「ファイナルの経験を伝えることが自分の責任」だという。
リーグ最年長の今、現役にこだわるモチベーション、そして7年ぶりのファイナルに臨む意気込みを聞いた。
 
 

成長中の若いチームとベテランである自分の役割

「若い選手たちが試合経験を積んで、
勝ちに対して貪欲になってきた」

――デンソーとのセミファイナルは2連勝でしたが、勝利のポイントとなったところは?

粘り勝ちです。2戦目は劣勢だった時間帯もあったんですけど、ディフェンスで我慢して、我慢して、つないでいけました。離されてもよく立て直したと思います。リーグ戦でも土日の2戦目に崩れたことが多かったので、一時はどうなるかなあと思ったんですけど、みんなの「ファイナルに行きたい!」という気持ちがまさったと思います。

3ポイント成功率43.18%(全体3位)の勝負強さでチームを支える

――2戦目の苦しい時間帯で町田(瑠唯)、長岡(萌映子)選手が得点を決め、山本(千夏)選手が試合を通して3ポイントを決め続けました。若手の成長をどう感じていますか。

今、うちのチームは誰でも得点が取れる選手層になっています。試合に出て疲れちゃう選手が出てきても、次に出てきた人が攻めるという強みが出てきているので、そういう面ですごく成長したと思います。

――BTヘッドコーチが三谷選手のことをチームのキーマンにあげ、「36歳でも体力が落ちない。流れを見て大事な時間帯で決めてくれる。たとえ1本でもそれは大きい」と言っていました。セミファイナル1戦目、終盤に決めた3ポイントがまさにその1本だったわけですが、控えとして出ていく時、どんなことを心がけて試合に出ているのですか。

あの3ポイントは入ってよかったぁという感じでした(笑)。それまで打てていなかったのですが、スクリーンをかけてもらってノーマークになったので、絶対に決めなきゃと思って打ちました。交代した時は、ディフェンスでプレッシャーをかけることと、やっぱり流れの中で3ポイントを決めることを心がけています。

――レギュラーシーズンはJX-ENEOSに勝ち越しました(2勝1敗、3戦目は延長戦で敗れる)。今シーズン、JX-ENEOSに対してはどのような手応えを感じているのでしょうか。

手応えはありますね。若い選手たちが試合経験を積んで成長してきたので、勝ちに対して貪欲になったことがいちばん違うと思います。今までは勝ちに対する思いの部分で負けてしまっていたのですが、JX-ENEOS戦でも「勝ちたい!」という気持ちが現れてきて、ディフェンスで崩れなくなってきたのでいい勝負ができています。それに、試合に出ていない選手たちも練習で頑張っているので、チームの中で切磋琢磨できているのがプラスになっていると思います。

――ヘッドコーチがBTテーブス氏になった今シーズンは、チームのルールが徹底され、選手たちの共通理解力が深まった印象を受けています。今までと何が変わったのでしょうか?

BT(ヘッドコーチ、愛称のため略称)の指導はわかりやすい。それこそ、白黒ハッキリしています。これはいい、これはダメというのがハッキリしているし、できなくても何回も何回も教えてくれます。今までは選択肢で曖昧な部分もあって、ダメでも選手の中で流してしまい、結局どっちなんだろうと迷うこともあったんですけど、今はそういう迷いがないです。

いちばん変わったのはディフェンスです。プレッシャーディフェンスで相手のミスを誘って、リバウンドやルーズボールから速攻を出すことを持ち味にしているので、その部分に関しては徹底的にやりました。ハーフコートでは足を止めないで、体もボールも動かすことを春先からやってきました。それができない時は苦しい試合になりましたが、手応えがある試合のほうが多かったです。

それに、BTは優勝経験があるのでモチベーションの上げ方や、メンタル面で助けてくれますね。BTのルールから外れた時には怒るし、いいときは褒めてくれるし、それが誰に対しても同じなので、わかりやすいのだと思います。

――迷いがなくなってきたぶん、若手選手に自信がついてきたのでしょうか。

そうだと思います。BTが特にそうなんですけど、スタッフたちがすごく前向き。ネガティブな人がいないんですよ。BTが常に選手の気持ちを持ち上げてくれるから、みんなの中で自信が出てきた。私も最年長として、誰かが落ち込んでいたら話しかけることを心がけています。今シーズンはチームワークもいいですけど、みんなが一生懸命に取り組む姿勢がいいと思います。若くて素直なのでそれが裏目に出ることもたまにあるんですけど、今シーズンは助け合いができていて、チームのムードがいいのが勝てている要因でもあると思いますね。

――BTヘッドコーチのもと若手が成長してきた中で、自分の役割をどう捉えていますか。

シーズンの最初のほうはあまりプレータイムもなくて、どうやっていけばいいかな、と思ったんですが、徐々にプレータイムも増えてきました。BTコーチには3ポイントを期待されているので、コートに入ったからには決めることを目標にしていますが、とにかく思い切って打とうと思っています。それかいちばんの自分の仕事ですね。
 
 
 

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