2011-12シーズン総括インタビュー [WJBL]

荒 順一HC 主力4選手新潟アルビレックスBBラビッツ

「周りに支えられ、支援してくれる方の身近さを感じた1年」

たった8人でWリーグに新加入した新潟アルビレックスBBラビッツ。結果は4勝24敗。だが、誰一人として下を向く者はいなかった。今シーズンはBBラビッツにとって、どんなシーズンだったのか。荒ヘッドコーチと主力選手4人にインタビューをした。

初期値

正直、5対5ができないのはきつかった。でも皆さんが我々を8人を支えてくれた

荒順一ヘッドコーチ インタビュー

――今シーズン8人で戦われましたが、いろいろ苦労があったと思います。その中でつらかったこと、うれしかったことを教えてください。

つらいということはそんなに感じたことはないですよ。ただやっぱり最低10人は欲しいかなと思いました。リーグに入り、練習相手の高校生も大学生もいなくなったり。試合の一週間前になると、対相手の動きをやってもらわなきゃなりません。通常のチームはディフェンスもオフェンスも(試合前の)一週間で作ると思うんですが、なかなか高校生、大学生にその動きをお願いするということも難しい。5対5ができないのはきついです。ただ周りの皆さんの協力でなんとか(5対5が)できました。オールジャパンのときは相手がいなくて、オールコートの練習ができなかったというのはありましたけど。

うれしかったことといえば、ブースターの方たちの熱気が計算外だったことです。この熱気は凄い。それだけに、選手もうれしいと思いますね。私もうれしいです。この応援は独特で、私も長くバスケットやってますけど、こういう経験は初めてでした。

あとは4勝できたのはうれしいというところですかね。まあ成績は皆さんには申し訳なく4勝しかできなかったし。それもブースターの方たちに勝たせてもらったような試合ばかりで。アウェイでは1勝もできなかった。(新潟アルビレックスBBラビッツ発足)当初、日本のバスケット全体のレベルを考えた時、たった8人しかいないし、この(短い)練習時間で、このメンバーで(本当に勝てるのか)。Wリーグはそんなに甘いものじゃないだろうと思っていました。4勝ですから偉そうには言えないですけど、1つ勝ったときのうれしさは……。本当に。0勝じゃなかったという(安堵感)。しかも序盤で3勝できた。私たちはうれしいです。でもバスケット全体で考えたら、(4勝は)どうなのかなとは思いますが。来年はアウェイでも勝てるようにしたいです。

――8人で乗り切った今シーズン、想像よりも出来た部分と出来なかった部分は。

正直言って、8人というのはきつくないと言ったら嘘になりますよね。やっぱりお互いディフェンスオフェンスが自分のチームでできて、その中で高いレベルで訓練していく。ディフェンスが人一倍頑張れば、オフェンスは強くなるし。ディフェンスをさぼれば、自分たちのチームは弱くなる。相手をしてくれる人たちの頑張りがチームを成長させるんです。その中でお互い競争が出たりとか、「お前それだけディフェンスができるなら正メンバーでやってみろ」とか、そういう感情が出てきて、切磋琢磨できるんですよね。だから最低10人いないとなかなか難しいと思います。

8人の良さってないと思いますけど、8人だとゲームに出ないメンバーはいないと考えていいんですよね。そういう意味では、選手個人個人は「試合に出れるんだ」という意識は強かったと思います。だからチームに15人ぐらいメンバーがいると「私はベンチ組だから」というような気が抜けたメンバーもいるかもしれませんが、今シーズンのうちはそれがなかった。メンバーが増えても、チーム内での切磋琢磨は求めていきたいです。

――得点が獲れない。シュート確率が悪い。ディフェンスで当られると、選手の判断能力がない。オールジャパンのとき、このような課題を挙げられていました。来シーズン、改善すべきポイントを教えてください。

やっぱりそこはどうしても克服しなければいけません。自分たちのチームの弱みが見えてしまった時に、それをどう修正するか。(ディフェンスに)当たられても、1対1というプレイの中でオフェンスでもディフェンスでもしっかりとやらなければなりません。

オフェンスであれば、ディフェンスに負けない。ディフェンスであれば、オフェンスにプレッシャーがかけられる。「簡単に抜かれない」とか「プレッシャーをかけられる」とか。そういう1対1の技術を磨く必要があります。あと、シュートというのは私たち(コーチ陣)はある程度の形は教えますけど、あとは個人がどれくらい努力してシュートを決めるかです。シュートは精神的な要素が大きいので、精神面の強化。やっぱり自信だと思うんですよね。「これだけ練習したよ」とか「これだけ自分が頑張った」とか「こういうシュートをマスターしたよ」とか。そういう自信が選手たちには芽生えてくれば良いのかなと。その動機付けをやっていかないといけない。

――新人3人(川上聖子、菅野恭子、近藤紗奈)の成長をどう感じていますか。

JALから来た5人が主力になり、センターは1人足りないから近藤か菅野どちらかがスタメンに入り、外回りはやっぱりJALから来たメンバーなのかなと思っていました。そういう面では今年デビューした新人3人のうち2人(川上と近藤)がスタートで頑張った。これは想像していなかった部分です。試合をやるにつれ、川上の良いところが出てきたり。裏を返せば、(JALから来た)玉井や君山がもっとプライドを持たないとダメですね。今私がやっているバスケットはパスのタイミング、スクリーンの角度、走り方とか非常に難しくて、訓練しないとできません。そういう意味で新人3人はよくこなしてくれたと思います。

――荒ヘッドコーチが新潟に来て、生活環境も変わりましたか。

生活自体は楽しかったです。ものすごい寒い新潟かと思って来ましたが、こんなに雪が降ってもマイナス10度にはならないんですね。

バスケットの中では何度も言いますけど、周りの人たちが我々8人を支えてくれて。高校生も大学生も県協会の人たちも含めて、ブースターさんももちろんですが、今まで感じたことのない身近さを感じるというか。「おー、頑張らなきゃね」というような気持ちにさせられます。

◆次ページでは、出岐 奏、高橋礼華選手のインタビューを掲載

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