Cager File #3  NEW! [WJBL]

荒 順一HC・出岐 奏新潟アルビレックスBBラビッツ

可能性を感じた開幕戦。8人でコンビネーションバスケを目指す

新たな船出をした新潟アルビレックスBBラビッツ。メンバーはたった8人。しかし、JALラビッツ時代から受け継がれるバスケットスタイルは不変だ。開幕2試合を終えて、荒ヘッドコーチと出岐キャプテンを直撃。

文・写真/一柳英男  Text ・ Photo/Hideo Ichiyanagi

新たなの船出を迎えた新潟アルビレックスBBラビッツの開幕戦

 日本航空JALラビッツから新たに生まれ変わった新潟アルビレックスBBラビッツ。昨年の主力だった岩村裕美、矢代直美が抜け、チームはゼロからのスタートだ。20代前半の若手選手で構成され、選手はたった8人しかいない。全員が仕事との掛け持ちで練習時間も限られた中でシーズンを戦う。この環境の中で強豪揃いのWリーグをどう戦うのか、その船出が注目された。富士通との開幕戦では50-68、2戦目63-71と2連敗はしたものの、2試合目は出岐や高橋が活躍し、ディレードオフェンスとゾーンディフェンスが機能した。開幕2ゲームを終え、チームがつかんだ手応えとは。

荒 順一ヘッドコーチ
相手を崩し、いいシュートチャンスを作る
コンビネーションバスケを目指す

JAL時代のバスケを土台とする荒順一ヘッドコーチ

――昨年のチームから岩村、矢代という主力選手が抜けましたが、新潟アルビレックスBBラビッツはどんなバスケットボールを目指していますか?

 チームのイメージはJAL時代とあまり変わっていません。ただ個人技だけでプレイをするんじゃなく、多少能力がなくても身長が低くても、しっかりと相手を崩していける。その中からいいシュートチャンスをもぎとる、コンビネーションあるバスケットをやっていきたいです。見ている方がおもしろいなと思ってくれるようなバスケを展開したい。

――後半、川上選手の攻撃的なドライブなど、ベンチメンバーが活躍しましたね。今シーズン、今後活躍してくれそうな選手はいますか?

 川上と君山はもう少しプレイタイムを多くしたり、対戦相手によっては先発で使うこともできるなと感じました。高橋、出岐以外の選手がどれだけ仕事できるか。それが勝敗のポイントだと思っています。

――開幕戦では富士通に2連敗でしたが、そこから感じた手応えはありましたか?

 昨日(10/1、1戦目)は18点差で負けましたが、ゲームプランとしては選手がこなしてくれていました。今日はもっと得点を取る必要があったので。相手が当たってきているなら、そこでチャンスを作るようなプレイを入れてみました。3つぐらいのオフェンスを朝、練習したのがうまくいきましたね。選手たちには試合を積み重ねるごとに成長できるんじゃないかという可能性を感じさせてくれました。

 たとえば、星です。昨日はガードの得点がなかったのですが、今日は星(14得点)がよく攻めてくれたと思います。勝てなかったんですが、考えていたプラン通りにゲームを運べたと思います。守る力、攻める力を工夫していけば、相手が富士通でもトヨタでもデンソーでも戦えると感じました。あと3ポイントのチャンスを作れないことはまだ課題ですね。打てば入る選手はいるので、それをどう作っていくか。

 負けたのであまり言うことはありませんが、去年、岩村や矢代がいても、富士通に20~30点負けることも多かったですから、そういう意味では(この若いチームで)良くやったんじゃないですか。

若いチームのエースを担う高橋礼華

――高橋選手、出岐選手は2試合ともほぼ40分出ずっぱりでしたが、2人の評価をお願いします。

 高橋は昨日のプレイは良かったですが、今日はもうひとつでした。菅野がもう少しプレイできれば、高橋を休ませる時間もできると思います。出岐(チームトップの25得点/フリースロー9/12本)は、まあ、あんなものです。気持ちがすごく強い子なので、ドライブもうまくいきました。

――荒ヘッドコーチが日本代表の強化部長としてチームを離れる期間が多かったと思いますが、不安は感じましたか。

 練習ドリルは渡していましたし、JALの前ヘッドコーチも来てくれているので、私がいないときは手伝っていただきました。ですから選手たちだけで練習をしていたわけではなく、しっかり練習できていたと思います。

――新潟アルビレックスのユニフォームを着て、試合ができることはどう感じていますか。

 うれしいです。開幕戦はアウェイですから、新潟のファンは誰もいないだろうと思っていました。でも早くからアルビのTシャツを着たファンがたくさん集まってくれていて、驚きました。ゲーム中も、励ましの言葉をコートサイドからかけてくれるので、それが選手たちにも刺激になっています。ファンの人たちの力は本当に大きいです。たくさん応援に来てください。本当に……一生懸命やりますから。
 

出岐 奏 キャプテン
8人でも問題なし。どれだけやるべきことを徹底できるか 

強気なプレイで引っ張るキャプテン

 昨日は緊張していて、思うように自分のプレイができませんでした。でも、その中でもディフェンスを頑張って70点未満に抑えることができました。今日はそれにプラスして一人一人の攻め気があったので、良かったと思います。課題としてはきつくなってきたときのシュート決定率と簡単なミスですね。自分としても4Q終盤の大事な場面でミスをしてしまった。自分としては当たられても確実にシュートを決められるようにしたい。やることが明確になった分、開幕戦より今日は良かったと思います。

――たった8人で戦うことについてはどうですか。

 問題ありません。それだけの練習をずっとしてきたので。

――荒ヘッドコーチが(女子代表強化部長として)アジア選手権のためにチームを離れる期間が多かったと思いますが、選手たちで練習にどう取り組みましたか?

 チームでやることは決まっていて、特に荒さんがいないからやらないということはありませんでした。大事なのは、荒さんがいなくてもやるべきことをどれだけ徹底できるかだと思います。

――昨年まで岩村、矢代という大黒柱がチームを支えていました。今は若いチームになりましたが、ミスがあったときはどのように言い合っているのですか。

 ダメなものはダメだし、怒るところは怒る。良いことはほめる。それを徹底しています。