2012 李相佰盃(日韓学生選抜) [大学]

キム・ミング慶煕大3年(韓国学生選抜/韓国代表候補)

突破力と支配力とセンスを兼ね備えたニュータイプガード

李相佰盃で存在感を見せつけたキム・ミング。得点力があり、PGからSFまでこなせるガードだ。オリンピック世界最終予選に挑む代表候補15名まで残った新鋭として、大きな期待を寄せられている。代表候補に選ばれた思いや、プロを目指す韓国大学生の事情を聞いた。

文・写真/小永吉陽子

キム・ミング

김민구 Kim Min-Goo

(189㎝/G/慶煕大<キョンヒ大>3年、韓国学生選抜#4)

インタビュー通訳/パク・カンジャ、チョン・ハンナ

オリンピック最終予選に挑む韓国代表候補
15名にエントリーされた韓国の次世代ガード

これまでの韓国では、あまり見たことのたないタイプのプレイヤーだ。

李相佰盃では2番ポジションのスタメンで登場し、突破力とステップを駆使したドライブインや3ポイントで得点を稼いだが、得点を取ることだけが彼の仕事ではない。空間支配能力といえばいいのだろうか。スペースを使う技術に長けているため、みずから空間に跳び込んでいっても、スペースにパスを入れるにしても、絶妙なタイミングで瞬時にプレイを選択するセンスの良さを持っている。パッシングからの合わせが売りの韓国において、コンビネーションプレイの軸となってチームを掌握できる人物といえるだろう。そのため、時には人をうまく使う1番にもなるし、みずから突破口を開いて得点を取る2番にもなる。

「プロに入ったら、キム・ジョンギュよりも先に通用する可能性を秘めている。それくらい適応力を持った選手。現在は1、2番兼任をしているが、卒業までにはポイントガードが完全にできるように育てたい」

キム・ミングについて大きな期待を寄せているのは、慶煕大監督のチェ・ブヨン氏。ここで名前があがったキム・ジョンギュとは、慶煕大の同級生で、すでに国家代表にも選ばれている大学界のエースセンターのこと。その彼よりも早く適応する可能性があるとは、将来性の高さがうかがえる。

チェ・ブヨン監督自身、大学界の指導のみならず、2007年のアジア選手権ではA代表を銅メダルに、2009年の東アジア競技大会では、大学生中心の布陣を金メダルに導いている名将だ。そんな手腕を誇る恩師からの高い評価は、今年度、初の韓国代表候補、しかも2次合宿の最終選考15名まで選ばれる快挙にも結びついた。

突破力と独特のステップを生かしたドライブが得意

現在の韓国は、2014年、地元仁川(インチョン)で開催されるアジア競技大会で金メダルを取ることを直近の目標に掲げているため、2年後に向けて世代交代中だ。

実はキム・ミングは今回、KBLで活躍中の並みいるシューターたちを差し置いて代表候補15名に選出された選手だった。実際に生でプレイを見るまでは、線の細いこの2番プレイヤーが、なぜKBLの選手を押しのけてでも選出されているのか疑問であった。だが、その疑問は李相佰盃の3戦が終わった頃には解けていた。大型化と若返りを目指す韓国にとって、189㎝のキム・ミングは、今後の韓国に必要とされるオールマイティーなガードプレイヤーなのだ。

このインタビューは李相佰盃初日の5月18日に行ったものだが、その後の5月29日、オリンピック最終予選に挑む12名の代表メンバーが発表された。残念ながら、そこには大学3年生のキム・ミングの名前はなかった。2年後の2014年秋、地元でアジア競技大会が開催される頃、キム・ミングはプロデビューを迎えていることだろう。その頃に再び、このニュータイプのガードプレイヤーの名前を聞くことはできるだろうか。今後、韓国を背負って立つ選手へと成長するのか、この顔をよく覚えておきたい。

【次ページはキム・ミング選手のインタビュー】

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