CBAファイナルMVPを獲得した台湾の司令塔 [海外]

リー・シュェリンチャイニーズ・タイペイ代表 #6

「台湾のレベルが低くないことをCBAで証明したい」

チャイニーズ・タイペイの司令塔であり、国内一番人気を誇るリー・シュェリン。昨季はCBA北京ダックスで初優勝に貢献し、ファイナルMVPを獲得する飛躍のシーズンだった。今夏のジョーンズカップとアジアカップにて、CBAでの経験、代表活動についてインタビューした。

インタビュー・文、写真/小永吉陽子

代表歴10年になる台湾を代表する司令塔。明るい性格で快活にインタビューに答えてくれた

CBA(中国プロリーグ)ファイナルでMVPを受賞した初の台湾人プレーヤー

「シェリー」の愛称で親しまれ、台湾で人気ナンバーワンを誇るポイントガードのリー・シュェリン(李學林)。176㎝の小柄な身体でスピードあるゲームメイクを展開し、リーダーシップを発揮する。昨シーズンは中国プロリーグCBAの北京ダックスでプレーし、初優勝に貢献した。レギュラージスーンMVPには北京のチームメイトであり、元NBAプレーヤーのステフォン・マーブリーが選ばれ、ファイナルMVPはリー・シュェリンが受賞。2人のガードがMVPを分け合った。

 今夏のジョーンズカップとアジアカップにて、CBAでの経験やチャイニーズ・タイペイ代表の今後について話を聞いた。インタビューの最後にはサプライズな話も飛び出しているので、注目してほしい。

●取材・翻訳協力/小川聖市、松崎英明、李佳紋

※インタビューでは「チャイニーズ・タイペイ」ではなく「台湾」という言葉を用いて取材しているため、文中では「台湾」と表記。
※ジョーンズカップ、アジアカップともにケガでプレータイムが少なかったため、2011年の東アジア選手権、アジア選手権の写真を使用。
 
 
「海外でプレーした選手の経験を融合させることが
これからの台湾を強くする」

CBAファイナル(対広東)では5試合戦って、平均11点、3.4アシスト、4.6リバウンド。接戦となった第5戦には16得点マークし、優勝を決定づけるラストシュートを決めた

――国家代表での自分の役割をどのようにとらえていますか。

チームの中で代表歴が長いので、コートの中でリーダーシップを発揮すること。ポイントガードのポジションとしてもゲームをコントロールする役割をしっかり果たすことです。

――今年度の台湾代表は今まで以上にスターが揃ったと思いますが、どのようなチーム状況なのでしょうか。

昨シーズンは、僕もそうだけど、何人かが中国(CBA)でプレーしたし、アメリカの大学でプレーした選手(#10ジャン・ゾンシィェン)もいる。彼らがいいものを吸収して帰ってきたので、それぞれレベルアップできていると思う。みんなが持ち帰ったものを出して、みんなの呼吸を合わせてチームを底上げするのが今年やるべきこと。アジアカップはそれを試すチャンスです。

――台湾がアジアで勝つためには何が必要だと思いますか。

チャンピオンになる道のりは長いけど、まずは8強、次に4強と、だんだんと階段を上がっていくことが必要。まだまだ成長の余地はあるから、まずは一歩一歩着実に進むことです。僕らの中国での経験もチームが成長するために必要なものになると思います。そういう経験を融合させて、団結することが大切。

――これは私個人の印象ですが、台湾代表は能力ある選手が多く、乗ったときの勢いは止められません。逆に乗らないときは安定した力が出せないように見えます。実際にプレーしている選手たちは自分たちの力をどのように感じていますか?

もともと台湾はそういう気質があって、お客さんが多ければ乗るし、僕たちも盛り上がるというのはありますね。感情の起伏で試合の出来が変わってしまうところがあって、それが台湾人の気質といったらそれまでですが……今後の課題ですね。

代表ではチェン・シンアン(右、196㎝、32歳)とともにリーダー的存在。台湾代表は30歳前後の選手が中心となって長い月日が流れた。このあとに続く選手を育成中

――今年から台湾代表のヘッドコーチ(シュ・ジンジェアHC、璞園建設)が新しく変わりましたが、あなたから見て、ヘッドコーチはどのような方ですか。また、どんな方針のもとにチーム作りをしているのでしょうか。

ヘッドコーチはいつでも僕たちのことを気遣って、絶えず励ましてくれるし、安心感を与えてくれる。僕はU18のときにも指導を受けているから、コーチの戦略はわかっているつもり。今の代表は僕たち(海外組)の持ち帰ったものを融合させることをやっています。新しいコーチのもとで一丸になることが、今の僕たちがやらなきゃいけないこと。そうすれば僕たちの持っている能力を自由に発揮できると思います。

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