NBLクライマックス [NBL]

桜井良太 レバンガ北海道#11

「思うに、自分は今も難しい挑戦を続けているわけです」

イースタン・カンファレンスでプレーオフ進出への残り「1枠」を争っているレバンガ北海道。今季、上昇気流に乗ったレバンガの中で、チームの要である桜井良太はどんな思いでチームを牽引してきたのか。北海道への思い、日本代表での反省なども踏まえて、今の心境をじっくり聞いた。

取材・文/松原貴実   写真/小永吉陽子、一柳英男

レギュラーシーズンも大詰め。プレーオフへの射程圏内を戦ってきたレバンガにとっても正念場を迎えている

NBLプレーヤー ロングインタビュー

桜井良太
(SAKURAI, Ryota/194㎝/G・F/31歳/レバンガ北海道#11)

「思うに、自分は今も難しい挑戦を続けているわけです」
 

昨年9月28日にスタートしたNBLはいよいよレギュラーシーズン残り2週を残すのみとなった。
プレーオフ進出を決めたのはアイシンシーホース三河、和歌山トライアンズ、
三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋(ともにウエスタンカンファレンス)、
東芝ブレイブサンダース神奈川、トヨタ自動車アルバルク東京(ともにイースタンカンファレンス)の5チーム。
イースタン残り1つの椅子を賭けてリンク栃木ブレックスとレバンガ北海道が争うことになる。

レバンガ北海道のキャプテン桜井良太は昨年日本代表チームのキャプテンも務めたが、
JBL(6勝36敗最下位)、アジア選手権(9位)と、ともに屈辱のシーズンを味わった。
しかし、「自分の挑戦はまだ続いている」と桜井は言う。
どん底からまた顔を上げて走り出した桜井に、これまでの北海道での生活、代表活動、
そして今シーズンのレバンガについてたくさんの思いを語ってもらった。

 
 

■ウルタド・ヘッドコーチを迎えて躍進の今季

「今季は、去年とは全然違う環境の中でバスケットができているという感覚はあります」

――レギュラーシーズンも大詰めを迎えたところで手痛い連敗(3月末からトヨタ、千葉、東芝に6連敗)が続きましたが、今のチーム状態はいかがでしょうか。

初のプレーオフ進出に向けて静かに闘志を燃やす桜井良太

うーん、そうですね。正直、そんなに良くはないです。その要因の一番はやはり疲れでしょうか。これまで50試合以上のシーズンを経験したことがないですし、まぁ13人メンバーがいるんですけど、試合に出るのは8、9人ぐらいで、やはり疲れが出てきてしまっている。頑張る姿勢はずっとシーズン通して変わっていないと思いますが、反応がちょっと悪くなっているというか、一つひとつの動きが遅れてしまっているなと感じます。それによってみんな少しイライラして、練習の空気もちょっとピリピリしていますね。ここ2週間、3週間ぐらいはそんな雰囲気です。

――チーム力がやや下降線気味であると?

それは否定できません。ただ、チームとしては今季は、去年とは全然違う状況の中でバスケットができているという感覚はあります。

――全然違う環境というのは?

練習中の姿勢だったり、(ファン・マヌエル・ウルタド・ペレス)ヘッドコーチの言うことに対しての取り組み方だったり、チーム全員の考え方がかなり変わってきたなと感じることですね。

――それは昨シーズンとの大きな違いですか?

そうですね。昨シーズン、うちは6勝しかできなかったんですが、そのとき思ったのは、チームの成績が良くないときというのは、練習中でも選手の愚痴が多いということ。試合中も審判に対する文句が多い。

――チームの雰囲気がネガティブになっていくということですね。

今季、白星をグンと伸ばしてきたチームの中で、桜井もアグレッシブなプレーを見せてきた

はい。それで今シーズンは新しいヘッドコーチを迎えて、新しいことを始めることになったのですが、全てが最初からうまくいくわけはない。それはあたりまえです。でも、うまくいかないといろいろ言う人が出てくるんですね。必ず出てくる。だけど、スタートしたばかりのチームなのに最初からそんなことを言ってたら絶対うまくいかないと思うんです。だから、今年はそういうことはやめようと話し合って、みんなでそう決めて練習に取り組みました。そうしたらパフォーマンスがすごく良くなってきたんです。

――ウルタド・へッドコーチのバスケットスタイルが浸透してきたという手ごたえもあったわけですね。

ありました。ヨーロッパのバスケットというか、力のあるチームに対してどう戦うか、たとえばスペインがアメリカに対してどう戦うか、みたいな。コーチがやりたいバスケットは、まずチームディフェンスを徹底して、オフェンスではドリブルを少なくしてボールをスィングし、オープンになったところから打つというシンプルなスタイルだと思います。それが徐々にチームに浸透していっていい試合もできるようになった。また、元気な移籍選手が入ってきたのもプラスになったと感じています。

――たとえば?

ガードのタジ(多嶋朝飛)なんかは、前の栃木(リンク栃木ブレックス)ではあまり出番がなかったですが、シュート力もあるしゲームをコントロールする力もある。もっと積極的にやってほしいとか、まだ足りない部分もありますが、ディフェンスも頑張るし、気持ちも強い選手です。片岡(大晴)も同じようにハートが強い選手で、バスケ界の中でも1番ポジティブじゃないかと思うほど。彼らが持ってきてくれたもののおかげで今年のチームの雰囲気も変わってきました。

――そんな中で桜井さん自身の調子はいかがでしょうか?

身体が動いていたのは、やっぱりシーズン始めの方です。(日本)代表活動もやってきて走り込みとかもなかなかできなかったせいもあり、シーズン途中からはあまりコンディションがいいとは言えませんでした。ただ、コーチの言うバスケットがしっかり理解できるようになったのは中盤ぐらいからだったので、そういう意味でチームに対していいパフォーマンスができるようになったのは後半に入ってからかもしれません。

――先ほどのお話のように今はかなり疲れも溜まってきている?

溜まってますねぇ(笑)。リーグ半分を過ぎたあたりから明らかに今まで感じなかった疲れを感じるようになって、年齢的な衰えも感じます。でも、まぁ年齢的には衰えたことばかりじゃなく、上達しているなと思える部分もあるので…。
 
 
 
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