東アジア競技大会&FIBAアジア女子選手権に挑む [女子代表]

王 新朝喜(女子日本代表/三菱電機)

「日本代表になれたことを誇りに感じています」

今季、初めて日本代表に選ばれた王 新朝喜(おうあさこ)。フィジカルの強さを生かしたゴール下プレーは、代表チームにとっては大きな武器になっている。8月には日本への帰化が認められた。この秋、アジアの舞台に挑む王に「代表」への思い、抱負を聞いた。

取材・文/舟山緑  取材・写真/小永吉陽子

192㎝の渡嘉敷(左)と189㎝の王(真ん中)のツインタワーは、これまでの女子代表にはなかった高さだ。184㎝の間宮(右)も9月の合宿から復帰してきて、充実のインサイド陣になった

■FIBA アジア女子選手権

「中国や韓国のセンターは得点応力が高く、リバウンドも強いですが、
自分は、得意なフックショットで勝負をします」

――5月にはアメリカ遠征、6月にはヨーロッパ遠征、さらに国内ではモザンビークとの親善試合(6月末)があり、国際試合で経験を積んできました。そこで感じたこととは?

遠征ではアメリカ、ヨーロッパのチーム、そして中国と対戦し、親善試合ではアフリカのモザンビークと戦いました。これで4大陸のチームと対戦したことになり、それぞれ強さが違っていました。モザンビークは身体能力が高く、ポジションの当たりも全然違いました。国内では対戦できない相手とゲームが出来たことは、すごくいい経験になったと思います。

「ワンは、とにかく真面目。ひたむきに取り組んでいる」と語るのは、アドバイザーのハーブ・ブラウン・コーチ。この数か月でシュートの精度が増してきた

――三菱では1センターですが、代表チームでは渡嘉敷(来夢)選手とのツインタワーになります。彼女とのコンビネーションはどうですか。

渡嘉敷さんがいることで、すごくやりやすいです。彼女のプレーは、練習でも止められないぐらいに上手いですから。ハイ・ローの合わせでは、絶対にボールがほしいタイミングでちゃんと見てくれて、ハイポストからでもローポストからでもパスを出してくれます。

代表チームがスタートしたばかりの頃はなかなかプレーが合わなかったのですが、「ここにパスがほしい」と言い合うことですごくやりやすくなってきました。それに、自分がシュートを打てば、渡嘉敷さんがリバウンドに入ってくれるので、すごく安心感があります。センターが自分だけだと、ツーメンプレーではローポストだけになりますが、渡嘉敷さんがいることで自分もハイポストエリアで合わせることができ、プレーの幅が広がりました。

――7月、8月は母体チームである三菱に戻りました。そこで意識して練習してきたことは?

海外遠征を通してどの国のセンターも大きいためにリバウンドを簡単に獲らせてもらえなかったので、チームに戻ってからは身体作りも含めて、1本1本のリバウンド、1本1本のシュートなど、ワンプレー、ワンプレーに集中して練習してきました。特に、リバウンドのポジションの取り方とかボールを持った後のプレーですね。国内では通用するプレーも、国際大会では簡単にさせてもらえません。だから、常に大きい相手をイメージしながら練習をしてきました。

ポストプレーだけでなく、王が速攻に走れるのも大きい。ファウル・トラブルにならないことが課題になってくる

――代表チームには、高校の1年先輩でもある宮元(美智子)選手もいます。やはり心強いですか。

はい。高校2年間、一緒に練習しましたから。私が大学へ進んでからの4年間は別々になりましたが、三菱でまたチームメイトになることができて、しかもお互いにスタートでやっています。なので、シンさん(宮元)とは呼吸があって、やりやすいです。

――この10月は東アジア競技大会、そして女子アジア選手権と続きます。特にアジア選手権は、来年、トルコで開催される女子世界選手権への「切符」がかかっています。どんなプレーでチームに貢献していきたいですか。

他のメンバーに比べるとまだまだ経験がないのですが、ゴール下のシュート、特にフックシュートが得意なので、大きな相手でもそのシュートが決められるようにしたいです。ライバル国のセンターは、特に中国や韓国のセンターは得点能力が高く、リバウンドも強いので、そこはしっかり止められるようにしたいと思っています。

先輩たちの話を聞くと、アジア選手権はこのところ3位が続いているようです。でも、6月のリトアニアの国際招待試合では中国に勝って、優勝も遂げています。それはすごく自信になりました。

10月27日から始まるアジア女子選手権では、中国も韓国も気合いを入れてくると思います。そのライバルに対して自分たちも持ち味であるスピードと外角シュートでいい流れを作り、勝ちにつなげたいと思っています。

*  *  *

 目下、天津で開催されている東アジア競技大会。女子代表は、10月27日に開幕する「FIBA アジア女子選手権」にピタリ照準を合わせながら、この東アジア競技大会を戦っている。王にとっては、初めてのアジアでの戦いだ。
 この大会で何をつかんで、本番のアジア選手権へと臨むかだ。経験がまだ浅い王のプレーがどれだけ通用するか、またチームとして一戦一戦、どれだけ進化を遂げていけるのかがカギになる。
 
 

王 新朝喜 O, Asako
1987年12 月16日、中国、天津市生まれ/25歳/189㎝/C/中国・天津市第八十九中→岐阜女子高→白鷗大→2010年、三菱電機に入団。中学時代、中国を訪れた岐阜女子高校の安江満夫監督から声をかけられて日本への留学を決意。2007年の唐津インターハイで3位。白鴎大学ではインカレでベスト8の成績。三菱に入団した2010-11シーズンにチームはWⅠリーグを制して入替戦でWリーグへと昇格。王のインサイドを生かしたチーム強化で、三菱は2011-12シーズン、2012-13シーズンと連続5位に。王も昨シーズンは平均得点16.9で得点ランキング3位に入っている。愛称は「ワン」。
 
 

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