横浜が福岡を破って初優勝
蒲谷がファイナル史上に残る大活躍!横浜が創設2年目で初制覇

文/鈴木栄一  写真/相沢清司

創設2年目で初優勝を遂げた横浜

2012-2013 bjリーグ プレイオフファイナルズ
蒲谷がファイナル史上に残る大活躍!
横浜がチーム創設2年目で初制覇

 
 

ジンクス崩壊、大本命がファイナルズ進出逃す

東カンファレンスファイナルで劇的なシュートを決めた横浜#2ドゥレイロン・バーンズ(写真はファイナルより)

 昨シーズンまでの7年間、bjリーグには一つのジンクスがあった。それはレギュラーシーズン最高勝率のチームが、トーナメント形式と一発勝負のファイナルズも勝ち上がり、リーグ王者に輝いていたことだ。しかし、今年、このジンクスが各カンファレンスの上位2チーム、計4チームが有明コロシアムに集うファイナルズを前にしてついに潰えた。

 今季、レギュラーシーズン最高勝率だったのは、昨季王者の琉球ゴールデンキングス。さらにリーグ史上最多勝利記録の42勝(10敗)と圧倒的な強さを見せており、優勝の絶対的な本命と見られていた。しかし、琉球は、カンファレンス・セミファイナルで京都ハンナリーズ相手にまさかの敗戦。この結果、今年のファイナルズは、東カンファレンスから新潟アルビレックス、横浜ビーコルセアーズ、西カンファレンスはライジング福岡、京都とどのチームが勝っても初優勝となる組み合わせとなった。

 そして迎えた東カンファレンスファイナルの新潟対横浜は、序盤から両チームともアウトサイドシュートが不調かつ、互いにインサイドで相手の厳しいディフェンスに苦しんでロースコアの展開となった。そして一進一退の攻防が続く中、横浜はドゥレイロン・バーンズが、「バスケットボールの神様が降りてきてくれた」と振り返ったように3人のマークを受けながらも試合終了と同時に決まるブザービーターを成功させ、54対52と劇的な勝利。昨年、敗れたカンファレンス決勝を突破した。

 西カンファレンスファイナルは、前半を37対37の同点で終えて迎えた第3Qに福岡が爆発。ターンオーバー奪取からの速攻などで得点を重ねていくと、一方の京都はシュートが全く入らず。この結果、このクォーターで福岡が25対1とまさかの大差をつけ、83対66と余裕の勝利だった。
 
 

35得点、蒲谷の大活躍で横浜が王者に

MVPに輝いた#3蒲谷正之。「リーグ最高のガードだと思っている」と横浜レジー・ゲーリーHC

 ともに勝てば初のチャンピオンとなる両チームの戦いとなったファイナルは、第1Qから互いにアウトサイドシュートがよく入り、ともに譲らない一進一退の好ゲームとなる。中でも際立った存在感を発揮したのが、横浜の蒲谷正之だ。

「ファイナルのような一発勝負では、出だしのファーストコンタクトが重要」と語るように、積極的にアウトサイドシュートを狙いに行くと、次々とリングに吸い込まれ第1Qだけでスリーポイント3本を含む16得点をマーク。そして「最初から気持ちよく打てたことで、自分でもゾーンに入っていることが分かりました。シュートを外す気がしませんでした」と完全に勢いに乗った蒲谷は、前半だけで23得点と、チームの前半の全得点(40)の半分以上を稼いだ。蒲谷の大暴れが目立った前半だが、しかし44対40とリードしたのは福岡。ジュリアス・アシュビー、レジー・ウォーレンのインサイド、さらにジョシュ・ペパーズのペネイトレイトに加え、竹野明倫も前半でスリーポイント3本成功とバランスの良い攻めを見せた。

 しかし、後半に入ると、「前半、蒲谷が歴史に残るプレーを見せてくれましたが、彼がシュートを打ち過ぎていたので、バランス良く攻めるように指示した」(横浜、レジー・ゲーリーHC)と、ボールシェアを意識した横浜が、得点を重ね、このクォーターで68対60と逆転に成功する。そして第4Qに入ると、横浜は前日のヒーローであり、エーススコアラーのバーンズが遂に本領発揮。アウトサイドシュートに加え、鋭いアタックでファウルを誘ってフリースローを正確に決めていく。一方の福岡は、竹野がスリーポイント5本を含む計19得点を奮闘するが、蒲谷、バーンズの2人を軸とした横浜のオフェンスを最後まで食い止められず。また、ゴール下で優位に立っていたが、「横浜のディフェンスが小さくなってインサイドを中心に守っていたとはいえ、それでもインサイドを突いてこじ開ける所までは行きませんでした」(福岡、金澤篤志HC)と、試合の主導権を握ることは出来ず。この結果、終盤のファウルゲームでも確実にフリースローを決めた横浜がチャンピオンとなった。

 そしてMVPは、35得点を挙げた蒲谷正之。ゲイリーHCが、「私たちは彼がリーグ最高のガードと思っている。彼は強い気持ちと闘争心を持っている素晴らしい選手であり、過小評価されていると感じていました。彼がオールスターに選ばれなかった時には失望しました。メディアの方々には、彼をもっと取り上げてもらいたいくらいです」と絶賛したように、今日の彼はファイナルという大舞台で、試合を完全に支配していた。
 
 

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