国際親善試合2013
「インサイドを起点に、バランスのとれた攻守を磨きたい」

インタビュー・文/舟山 緑  写真/小永吉陽子

国際親善試合に出場する12名と日本女子代表コーチングスタッフ

「渡嘉敷と王の加入でインサイドが大型化。
バランスの取れた攻守を磨いていきたい」

5月1日から強化活動をスタートさせた女子日本代表チーム。
第1次強化合宿に参加した17名から12名を選抜して、5月13日から1カ月間の海外遠征を行った。
前半はアメリカへと渡り、フェニックス・マーキュリーとプレシーズンマッチで対戦。
その後はいったん日本へと戻り、すぐにヨーロッパへと旅立った。
スロバキアではスロバキア代表と4試合を戦い、その後はリトアニアへと移動。
国際トーナメントでスウェーデン、中国、リトアニア代表と対戦して3戦全勝の成績を収めてきた。
チームは6月13日に帰国していったん解散し、6月19日から再び強化合宿に入った。
6月28日~30日には、国際親善試合でモザンビーク代表と3連戦を戦う。
10月、タイ・バンコで開催されるアジア選手権大会へ向けて、どんなチームで戦おうとしているのか。
内海知秀ヘッドコーチに、選手選考のこと、チームが目指しているバスケットスタイル、
アメリカ・ヨーロッパ遠征での収穫や課題点などを聞いてみた。
 
 

選手選考理由とブラウン・コーチの招聘

大型化をめざし、かつ身体の強い選手を選考。
NBAや大学での指導歴を持つブラウン・コーチに期待

今年度の女子代表候補として24名が選出されたが、5月の第1次合宿は7名がケガのために欠席した。髙田真希(デンソー)と篠原恵(富士通)は故障の足を手術して現在、リハビリ中。長岡萌映子(富士通)も痛めていた手首を手術した。さらに間宮佑圭、木林稚栄(ともにJX-ENEOS)、藤吉佐緒里(シャンソン化粧品)、川原麻耶(トヨタ自動車)らもケガの治療のために合宿は不参加となった。こうした事情もあって1次合宿は17名でのスタートとなり、ここから12名が選抜されて5月13日からのアメリカ・ヨーロッパ遠征で実戦経験を積んできた。

昨年のオリンピック最終予選に引き続き、指揮を執る内海ヘッドコーチ

――昨年は、オリンピック世界最終予選(OQT:6月)まで2カ月ほどしかない短い強化期間で、内海ヘッドコーチの下、丁海鎰(チョンヘイル)コーチ(トヨタ)、小嶋裕二三コーチ(デンソー)の体制で臨みましたが、残念ながらロンドンへは届きませんでした。今年は次のリオデジャネイロ・オリンピック(2016年)へ向けてのスタートの年です。改めて、代表監督を再び引き受けられた思いを聞かせてください。

昨年のOQTは、最終戦でカナダに8点差の惜敗。あの悔しさは非常に忘れられません。今回、代表で指揮をとるチャンスを再びもらえましたので、「今度こそ」という思いがあります。幸い代表活動に専念できる体制ですので、もう一度懸けてみたいと思いました。

――今年度の代表候補の選考の基準は?

1つは今までよりも少しでも大型化を図りたいというのがあり、2つ目は身体の強い選手であること。3つ目はリオデジャネイロ・オリンピック(2016年)もそうですが、さらに次の日本代表をも担っていけるように若くて有望な選手も選びました。

――2013年の目標は?

10月にタイ・バンコクで開催されるアジア選手権での優勝です。アジアではこの数年、ファイナルに進んでおらず、優勝からも長い間遠ざかっています。リオに向かってステップアップするためにも、アジア選手権でしっかり戦えるチームを作っていきたいと思います。

――昨年のオリンピック世界最終予選(OQT)ではインサイドで髙田選手と間宮選手が踏ん張りを見せました。その一方で、外角が当たらないと苦しいという課題が依然残りました。今後のチーム作りの方向性は、それを引き継いだものになりますか。

OQTである程度、日本が目指す姿が見えてきました。身長差はあっても、インサイドで戦えるという手応えです。きれいなバスケットをして3ポイントだけを狙うのではなく、当たりが強い中でも日本は戦っていくんだということです。だからこそ、外角のシューターを育てていきたいと考えています。OQTで戦ったレベルを土台にして、そこからさらにレベルアップしていかなくてはなりません。

内海ヘッドコーチを支えるのは、豊富な経験を持つハーブ・ブラウン コーチ

――今回、指導歴50年を超えるハーブ・ブラウン氏をアドバイザー・コーチに迎えました。ブラウン氏を招聘した経緯を教えてください。

次のオリンピックを目指すために、経験豊かなコーチを探していました。ブラウン氏を推薦してくれたのは、現在、ポートランドで大学のコーチをしている知人です。ブラウン・コーチはNBAやCBA、大学でのコーチ歴があり、アメリカ以外での実績もあります。非常に引き出しの多い指導者で、バスケの深い知識とともに、選手への求心力もあります。戦術面も含めて、女子代表に新たなものを取り入れていくことができると期待し、招聘しました。

――特に要請していることはどんなことですか。

オフェンス、ディフェンス、全てにおいて「気づいたことを指摘してほしい」とお願いしています。私や梅嵜コーチが見ていても目が行き届かないところが出てきます。実際に合宿初日から細かな点を注意してもらっており、そこは「流石だな」と感じています。特にディフェンスは、非常にしつこくやってくれます。スタッフ・ミーティングでも毎日、様々助言をもらっています。そこからいろんなアイディアを少しずつ取り入れさせてもらっています。
 

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