桜井良太キャプテン インタビュー
「個人の打開力もチーム力ももっと身につけなくてはならない」

取材・文/舟山緑  取材・写真/小永吉陽子、三上太

フィリピンやタイペイのガード陣は身長が170台と小柄ながら、強い1対1の能力でドライブを仕掛け、シュートやパスで日本のディフェンスを翻弄した。日本はそのスピードとパワーにあふれたプレーに対抗できなかった

桜井良太キャプテン 大会総括インタビュー

「日本はまだまだやるべきことがたくさんあると痛感。
特に“個人で打開できる力”を、
全員が身につけていかなくてはいけない」

9位に終わったFIBAア男子アジア選手権。
世代交代の渦中にいる中国は、5月に就任したばかりのヤナキス・ヘッドコーチのもとで
チーム作りが間に合わず、チャイニーズ・タイペイに足元をすくわれ、5位に甘んじた。
対する韓国は、5人の大学生を擁して、ベテランと若手メンバーが見事に融合し、
満を持して臨んだ初戦の中国戦を制し、順当に勝ち上がって「スペイン行き」の切符を手中にした。
同じように若手メンバーに切り替わって臨んだ日本代表だったが、
自分たちが目指すバスケットがなかなか出来ず、立て直しがきかないまま8強入りを逃してしまった。
日本も世代交代の過渡期にいるとはいえ、ベテランも若手もどこか萎縮したまま戦ってしまい、
チーム一丸となって自らがもつポテンシャルをコートで出すことが出来なかった。
昨年からキャプテンとしてチームを牽引してきた桜井良太に、最終戦の直後、
日本チームは何が及ばなかったのか、自身の出来はどうだったのか、率直な質問をぶつけた。
 
 

アジアの舞台で痛感したこと

「ドライブもジャンプショットも打て、ディフェンスでは全員が脚をよく動かすこと。
日本がやるべきことはたくさんあると痛感した」

――9位に終わった今大会を振り返ると?

他の国を見て、今の日本のいる位置というのは9位か8位、そんなに高くないと思いました。ベスト4入りしたチャイニーズ・タイペイと比較して、もちろん勝負が出来ない訳ではないですが、勢いが明らかに違っていました。ヘッドコーチがいつも言っていることですが、全員がオフェンスもディフェンスもしっかり出来て、チーム力も個人としての能力ももっともっと上げていかなくてはならないと痛感しました。個人で打開できる場面が、日本はあまりにも少なかったと思います。そこは他の国との差を大きく感じました。

――桜井選手は過去にもアジアの舞台で戦ってきました。この大会に入る前に予想していたよりも、ライバル国とまだまだ差があると?

正直、そう感じました。特に今回、勢いのあるタイペイは、どのポジションからも得点が取れて、帰化選手が入ったことでインサイドが非常に安定し、すごくいいチームになっていました。ああいうバスケットを見ると、日本も、さほど身長が高くなくても、ドライブとジャンプショットの両方が出来る選手を大勢擁して、ディフェンスでは全員の脚がよく動くような戦い方をしないと、このアジアでは戦っていけないと痛感しました。

桜井が速くボールを運ぶことでテンポがよくなったシーンもあるが、全体的に速い攻めができなかったという反省が大きく残った

――改めてアジアの現在の状況をどう見ましたか。

各国ともに、自分たちに足りないところに帰化選手を入れることで強化しています。今後、中国なども帰化選手を入れてくることだってあるかもしれないです。日本は、最終戦のホンコン・チャイナ戦でさえ、リバウンド数は相手のほうが上でした。日本もさらにいい選手を入れて強化をしていかなくてはならないと感じました。

あとは、個人としてもチームとしても、アーリー・オフェンスがほとんどなかったので、もうちょっと練習でアーリー・オフェンスを増やす必要を感じました。しっかりポジション取りしてリバウンドを獲ってスムーズに速攻につなげることが出来たら、もっと得点が伸びたかなという反省はあります。今後、日本がやるべきことは本当にたくさんあるなと感じました。

――ディフェンス面では?

最後の2戦でやったスリークォーターからのディフェンスを、当たり前のように出来るようにならないとダメですね。相手に前から強いプレッシャーをかけていかないと、ハーフコートではパワーで押し込まれてしまうので、戦えないと思います。インド戦の後半とホンコン戦は、そのディフェンスをやって成功したと思います。スリークォーターから当たるディフェンスを毎回、全部のゲームでやれるようにならないと。それが最後にプラス材料として見えてきたところです。そして、上位チームに対してもそのディフェンスがどれだけ出来るかが、今後の課題になると思います。

――1番としての自身の今大会の出来は?

去年と比べると、攻め気が少なかったというか、シュートで慎重になりすぎたところがありました。もっと勢いよく、思い切りシュートを打てていれば、もう少し入ったかなと思います。もっと自信をもってシュートを打ち、ドライブを切っていくためにも、当たり前のことですが、練習での打ち込みがもっともっと必要だと感じました。

あとは去年、ウエイトトレーニングの成果で身体が細いなりにもボール運びでプレッシャーを感じることなく出来たので、そういう部分をもう一回やり直していきたいです。これからリーグのシーズンに入るので難しいところもありますが、代表チームのトレーナーさんにいろいろ指導を受けながら、うまく身体づくりを重ねていきたいと考えています。

――途中、鼻骨を骨折したと聞きましたが、痛みは?

骨折はしているのですが、幸いなことに痛みも出血もないので、プレーには支障がありませんでした。日本に戻ったら治療をします。

――最終のホンコン戦は、最年少の渡邊(雄太)選手がスタートに抜擢され、いい働きを見せました。大きな刺激をチームに与えたのでは?

スタートを固定することも大事だと思いますが、ああいう勢いのある選手を積極的に起用していくことも大事だと思います。どんどんと競争させていかないとダメですよね。調子が悪い選手がいたら控えに回り、コンディションがいい選手をどんどん出すようにしたら、今日のナベ(渡邊)のように勢いのあるプレーが出てくると思うので、そうした選手起用も本当に大事だと思います。
 
 

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