アジア選手権初出場の比江島慎、辻直人、金丸晃輔、田中大貴に聞く
若手4選手が痛感した「悔しさと危機感」

取材/舟山 緑・小永吉陽子・朴 康子・細田季里

FIBAアジア選手権 大会総括 選手インタビュー<2>
若手4選手が痛感した「悔しさと危機感」


 
ワールドカップの出場権をかけたアジア選手権で、日本は決勝トーナメントに進出できずに終わった。
東アジアのライバルである中国や韓国が世代交代を進めている今、
日本が今後のアジアを勝ち抜くには
若いメンバーを確実に「国際舞台で戦えるプレーヤー」に育てていく必要がある。
惨敗した9位の中で、初出場組の若手選手は何を感じ、何を得たのか。
比江島慎、辻直人、金丸晃輔、田中大貴の4選手に、戦いを終えての率直な思いを聞いた。
 
 
FIBAアジア選手権 大会総括 若手選手インタビュー【1】

PG #6比江島 慎 (アイシン三河/190㎝/22歳)

「今まで全力でやっているつもりだったけど、
やっていなかった。もっとやらなきゃいけなかった。

力が足りないことを思い知らされ、
このままでは本当にヤバイと危機感を持った」

はじめてのアジア選手権は「思い知らされた」の言葉とともに9位で終わった。
ジョーンズカップを通して成長していることを実感していたが
アジアの本気が集まる大会では
個人としても、チームとしても、苦境を打開するプレーができなかった。
惨敗の中で得たものがあったとすれば
「今まではで全力でやっているつもりだったけど、もっとやらなくてはならない」という現状を知ったこと。
この欠けていた“全力感”こそが、これまでの日本代表に不足していたプレーの“強度”だ。
ポイントガード2年目の比江島慎が心底感じた、アジア選手権での現実とこれから。

インタビュー・文・写真/小永吉陽子

1対1を仕掛けたり、絶妙なパスを出すなど成長を見せているが、ハーフコートまでもっと速くボールを運ぶことを身につけたい

――大会が終わり、今感じていることを聞かせてください。

(しばらく考え込んでから)日本のレベルが落ちているのもあると思うし、他の国のレベルが上がっているのかもしれないですけど、力が発揮できなかったです。東アジアでは台湾もベスト4に入ったし、韓国も若手(大学生5人)がいてもあれだけできているし、ホンコンも弱くはないと思うし、中国はこの大会は落ちたけど、メンバーはいるからこれから上がってくると思うし……。これからはもう、本当にもっと普段から必死にやらないと、このままでは本当にヤバイというか、そういう危機感を持ちました。

――それは実際に対戦してみてわかったことですか。

そうですね…。このガチの本気の大会をやってみてそう感じました。

――やる前は通用する部分がもっとあると思っていましたか。

はい。……というか、今までは全力でやっているつもりだったんですけど、やっていなかった。今以上にもっとやれると思うので、もっと上を目指して取り組まなきゃいけないと思いました。

――この経験を踏まえて、これからどんなプレーをしなきゃいけないと感じましたか。

個人の1対1の力はもちろんそうですけど、ジャンプシュートをきっちり決めていきたいし、チームとしては合わせのプレーで動きがなかったし、ハーフコートだとまったく攻められない状態だったので……もう全部ですね。一人で崩せたらいいけれど、そこまではできなかった。崩せなかったのはガードとして課題です。

――順位決定戦のインド戦の後半からようやくトランジションの形が出るようになったけど、今まで走れなかった原因は?

リバウンドが取れてなかったからです。リバウンドを取ってもいいリバウンドが取れてなかったのが原因だと思います。順位決定戦でようやく走れました。

――ハーフコートだと攻められないと言いましたが、比江島選手のスタイルはスピードで運ぶというよりは、ハーフコートに入ってから1対1を狙っていくスタイル。ガードとして、どのようにゲームを作っていきたいと思っているのですか。

本当は速い展開に持っていって、1対1に持ち込んで点を取っていきたいというのがありますけれど、デカイ選手もいるし、なかなか自分の持ち味が発揮できないというのがありました。スペースを空けてくれれば1対1はやりやすいですけれど、みんなの位置が固定されているというか……。スペースを空くような動きを作れるといいのですが、そういう動きも作れなかった。

――辻選手と一緒に出ることが結構ありましたが、その時は辻選手がPG、比江島選手がSG起用。ガードとしてキャリアの浅い2人が出るときは、どのようなことを心掛けてやってましたか。

辻さんと入ったときは、どっちがポイントガードをやってもいい形でした。臨機応変にやっていました。

――今後もポイントガードをやっていくことになりますか? ポイントガードをやるならば、どのようなスタイルを目指しますか。

やっていきたいですが、今後はどうなるかはわからないです。けど……ガードといっても、スタイルとしては、韓国のガードみたいな感じでやってもいいと思っています。キム・ミング(#4、189㎝、慶熙大4年)とか、キム・ソニョン(#5、187㎝、ソウルSK)みたいな。ときどき1番やったり、2番やったり。2人とも走るし、ドライブするし、シュート決めるし。あんな感じでもいいのかなと、見ていて参考になりました。もっと自分のガードの形を作らなくてはならないです。

――この大会で学べたことがあったとすれば何ですか。

この大会を経験できたことです。この大会を経験できたのは本当に大きいです。思い知らされました。全然、力が足りないというか…。

――具体的にいうと、どの部分で力が足りなかったですか。

やっぱり一番はチームとして戦う激しさが足りないと思います。球際の強さだったり、ルーズボールを絶対に取るという気持ちがあれば少しは変わると思うんですけど。もちろん、練習量も韓国とかに比べたらまったく足りないと思うんですけど……。

――危機感を感じたのなら、これから死にもの狂いで練習をしてでも、この舞台に戻ってきたいと思いますか。

それはもちろんです。またこの大会に出て活躍したいし、日本もしっかり戦えるというのを見せたい。他の国からは「日本には勝てるだろう」と思われているかもしれないけど、そう思われたくないし、なめられたくないので。さっきも言いましたけど、日本はもっとやれるのに、やっていないところがあるので、この大会をしっかり反省して、もう一度、出直してきたいと思います。
 
 
※2ページ目には辻直人、3ページ目には金丸晃輔、4ページ目には田中大貴のインタビューを掲載
 
 

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