NBLの日本人全選手が加入
「日本バスケットボール選手会」が誕生

構成・文/舟山 緑  写真/小永吉陽子

2013年9月4日に「一般社団法人日本バスケットボール選手会」が発足

【日本バスケットボール選手会】設立会見 全レポート

「リーグ、そしてチーム、ファンと協力をして、
日本のバスケットボールを盛り上げていきたいという思いで
この選手会を立ち上げた」

「日本バスケットボール選手会」の設立記者会見が9月16日、東京・代々木第2体育館にて
NBLのプレシーズンゲームが終了した後に行われた。
登壇したのは岡田優介(トヨタ自動車)、朝山正悟(三菱電機)、竹内譲次(日立)、竹田謙(リンク栃木)の4選手。
会見では第1部で「日本バスケットボール選手会」とは何か、選手会会長である岡田選手から
詳細な説明がなされ、第2部では質疑応答が行われた。
質疑応答では1時間にわたり、さまざまな質問が投げかけられ、4名の選手たちは一つひとつに真摯に答えていた。
ここでは設立会見の模様を、3ページにわたり、あますところなくお伝えしたい。

【ページ1】 岡田優介会長による「選手会」の組織概要、設立の経緯、目的、活動内容の報告
【ページ2・3】 質疑応答

◆一般社団法人 日本バスケットボール選手会 公式サイト
 
 

岡田優介会長による組織概要の説明

NBLに所属する日本人の全選手が賛同して誕生した
「日本バスケットボール選手会」

NBLは2013年9月28日に開幕を迎える

 本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。「一般社団法人日本バスケットボール選手会」の設立の記者会見を始めます。私は選手会の会長を務めさせていただきます岡田です。どうぞよろしくお願いします。選手会の組織概要、組織構成、発足の経緯、そして選手会の目的を話していきます。その前に、本日の記者会見で特に強調しておきたいことがあります。
 
 「選手会」という言葉を聞くと、一般的には野球のように、チームやリーグに対しての労使交渉やストライキを行うなどのイメージがあるかと思いますが、われわれの選手会は、そういった労働組合的な活動をする組織ではないということを、まずはご理解いただきたいと思います。つまり、リーグやチームと対抗する組織ではなく、リーグやチーム、そしてファンの皆さまと一緒に協力をして日本のバスケットボールをよくしていきたいという前提のもとに、この組織を立ち上げました。
 
 
1.組織概要について

非営利型の一般社団法人として設立

 この選手会は、一般社団法人という形をとっています。社団法人には一般と公益がありますが、一般社団法人として設立しました。社団法人の中には非営利型とそうでないものがありますが、非営利型の一般社団法人という形です。一定の要件を満たし、営利性がないと認められた一般社団法人のことです。要件に関しては、選手から集めた会費を選手に対して分配しないとか、家族経営ではないということを満たしているので「非営利型」ということになります。
 
 
2 .組織構成について

入会は任意ながら、NBL全12チームの全日本人選手が入会意思表示

 どういった選手がこの選手会に入っているかをお話しします。原則として、NBL全12チームの日本人の全選手が入会の意思表示をしてくれています。「原則として」と言ったのは、この会は強制的な会ではなく、任意だからです。日本人選手に対して「選手会の活動や目的といった情報を共有し、出来ればきれいな形で全選手によってスタートさせたい」と提案したところ、それがうまく皆さんに伝わり、ほぼ全ての選手が参加してくれています。詳細は後日、サイトに情報をアップしていきます。

 各チームには理事として代表者2名がいて、12チームですので24名が理事になります。この24名による理事会で物事を決めていきます。加入選手は「正会員」となり、年会費を1万円支払うことになります。若い選手、25歳以下の選手に関しては、3年間のみ、年会費を5,000円にするということで、全体的なコンセンサスをとっています。

 24名の理事による理事会では、会長1名、副会長6名以内を選出しました。私(岡田優介/トヨタ自動車アルバルク東京)が会長となり、6名の副会長は、朝山正悟選手(三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)、柏木真介選手(アイシンシーホース三河)、木下博之選手(和歌山トライアンズ)、桜井良太選手(レバンガ北海道)、竹内譲次選手(日立サンロッカーズ東京)、竹田謙選手(リンク栃木ブレックス)が務めます。

 さらに全体のチェックをする機関として監事を設け、弁護士の長島憲一さんと公認会計士の國井隆さんに入っていただいています。また現在、OB選手にも声をかけているところです。また、現役選手の中から1~2名の監事を選出することも考えています。これはサッカーを参考にしました。サッカーでは、選手が理事と監事のどちらの役職にも就いているので、それにならってみようと検討しているところです。
 
 
3.選手会の発足の経緯について

これからは選手自身が自発的に物事を考え、もっと勉強し
バスケット界をよいものに変えていく強い意識が必要

右から竹内譲次(日立)、岡田優介(トヨタ)、朝山正悟(三菱)、竹田謙(栃木)

 少し長くなりますが、大事なことなのでご了承ください。この選手会が、どのようにして発足に至ったのか、その経緯をお話しします。

 先シーズンの終盤、3月頃、私がSNS(ツイッター)とかブログ等で、新リーグに関する内容を投稿したことをご存じの方もいるかと思います。それは、「リーグが選手に対して特に説明もなく、ルールとか試合数とかサラリーキャップとかが定まったということで、このまま選手に何も説明がなく、配慮せずに進んでいいものか」と、単純に思ったことを書きました。その後、選手に対して説明会が開かれましたが、それぞれの根拠を質問しても「リーグがチームと合意した事項です」という説明だけで、その場は終わってしまいました。

 実は、シーズン途中のあのタイミングであのような発言をしたのには、明確な意図がありました。わざとセンセーショナルな印象を与えるように、あえて多くの人にこの情報が広がるようにと、若干、刺激的な書き方をしたのです。当時の反応は、「サラリーキャプが下がるのが嫌なのだろう」とか、「そもそもバスケットボール選手にそんな価値はない」とか、「何も行動しないのに、偉そうなことを言うな」とか、一部、批判的な意見もいただきました。

 私があのときに考えていたのは、そういった次元の話がしたかったのではないんですね。実は、私はあの発言を、誰よりも(NBLの)選手たちに対するメッセージとして書きました。多くの選手がSNSを利用していますし、利用していない場合もチーム内ではそうした情報はすぐに伝わります。なので、まずは選手の意志を統一する必要があると考えました。これからは選手自身が自発的に物事を考えて、バスケットボール界をよいものに変えていくんだという強い意識をもっていかなくてはならないと思ったからです。選手自身も自分たちの権利を主張するだけではなく、自分たちも勉強をして考え方を変えていかなくてはならないと思ったからでした。そういったメッセージを、選手に向けて発信したのです。

 私の発言を見て、シーズン中にここにいる朝山さんや柏木さんが声をかけてくれ、「シーズンが終わったら、一度、選手たちで話し合う機会を設けよう」という賛同の声をいただきました。他のチームの選手からも、同じように賛同の声をいただきました。また同じタイミングで、昔から付き合いのあった、本日司会を務めてくれている青島侑也さんからもメールをもらいました。「選手会を作ってみてはいかがでしょうか。何かあればご協力をいたします」という言葉に、すぐに「ぜひ、ご協力をお願いします」と返答をしました。

 シーズン終了後の6月初旬に、私は個人的に付き合いのある選手を中心に、全チームに電話をして「選手会を作りませんか」と伝えました。まずは「全チームの全選手にこの情報を流そう」と考えたのです。自分が勝手に進めてしまい、勝手に作ってしまっては意味がない、まずは意見を聞こうと思いました。「選手全体のコンセンサスが取れる選手会とは何か」を、いったんゼロベースで話し合おうと思ったのです。

 皆さんにはチーム活動の合間を縫って都内に集まってもらいました。全12チームの代表選手が1回では集まることは出来なかったので、7月28日に第1回目の会議を、その後は8月25日に2回目を、翌26日に3回目の会議を行いました。この3回のうち最低1回は12チームの代表選手が集まることで、全チームの意見を吸い上げることを行っていき、それが成功しました。

 その結果、「選手会は、野球のような世間一般のイメージにある労使交渉やストライキをするものではなく、全員が協力してバスケットボールを盛り上げていく組織を前提に作ろう」ということで、選手全員が合意をしました。

 選手会設立の経緯は、先ほども申し上げたように、選手に対する説明が足りていないという新リーグへ対する一種のもどかしさから端を発していますが、実際に選手が集まって「どういった選手会を立ち上げるべきなのか」をゼロから考えた結果、「われわれが目指す選手会は、労働組合のようなものではなく、すべての人と協力をしてバスケットボール界を発展させていく」ということで合意に至ったのです。
 
 
4.選手会の目的について

バスケットボールをもっとメジャーにすることが目的

 最後に、選手会が何をしたいのかをお話しします。お手元の資料をご覧ください。次の5つの柱が、選手会の目的になります。

1)日本バスケットボール界の普及・発展
2)ファンコミュニケーションの拡充
3)バスケットボール選手を取り巻く環境の改善
4)スポーツを通じた次世代の育成
5)社会貢献活動の推進

 「この5つの柱を達成するためにはどんな具体的な活動があるか、選手自身がアイディアを出していこう」ということになりました。最終的に「選手会の目標は何ですか」と言われたときに、1番目にある「日本バスケットボール界の普及・発展」が一番重要であると考えています。下の4つの目的をすべて包括するものになります。つまり、4つの目的達成のために活動することによって、結果的に1番目にある「日本バスケットボール界の普及・発展」につながると考えています。

 また端的に選手会の目標を表すならば、「バスケットボールをもっとメジャーにしたい」ということに尽きます。これは、NBLがビジョンとして掲げていること――バスケットボールが日本において、野球、サッカーと肩を並べて第3のメジャースポーツになることを目指す――ということと同じであります。選手会の目標は、リーグの目標と同じであるということが言えます。

 われわれはこの目的を達成するために活動し、バスケットボールに関わる全ての皆さんに支持される団体を目指します。具体的な活動についてはこれから選手自身が考えて、皆さんに支持されるような団体を目指していきたいと思っています。

 さらに、賛助会員を募集します。われわれの選手会の活動に賛同していただける方は、個人でも法人でもどなたでも会員になれます。まだ何も活動をしていない団体にお金を支払うことは難しいかもしれませんが、これから活動をしていきますので、それを確認してからでも結構です。「選手会の活動がバスケットボール界にとって素晴らしいことだ」と思えたら、ぜひ応募をしていただけたらと思います。賛助会員に対する特典などについては、順次、サイトにアップしていきます。

 以上が、選手会の概要になります。
 
 
◆次から2ページにわたり、質疑応答

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