アジア選手権アフターレポート
「今は、プレーするのが面白くてしかたがありません」

インタビュー・文/舟山 緑  写真/小永吉陽子

一戦一戦、伸びていった日本代表。王新朝喜の加入も大きなパワーとなった

「今は、プレーするのが面白くて
しかたがありません」

王 新朝喜
(Asako , O /189㎝/C/26歳/日本代表#15/三菱電機#24)

三菱でも着実な足どりを見せてきたパワーセンター王新朝喜は、
日本代表に選出されたことで、さらに大きな成長を見せた。
ディフェンスの当たりが強かったりすると慌ててしまうクセも、代表活動の中で
落ち着いてプレーするコツを会得したのか、ぐっと安定感が増した。
高さで勝る中国相手に、シュートもリバウンドも通用した自信は
王にとっても大きな糧となったはずだ。
改めてアジア選手権を振り返って得たもの、今後への課題と抱負を聞いた。

※9月に中国籍の「王 岑静(ワン・ツェンジン)」から日本国籍の「王 新朝喜(おうあさこ)」となる

女子アジア選手権での収穫

「代表に入ることで、絶対に成長できると思っていました。
中国相手に自分のプレーが出来たのは大きな自信になりました」

中国戦で攻守にわたって力を発揮。渡嘉敷と王の高さは新しい武器になった

――アジア選手権での優勝の喜びを聞かせてください。

初めての大きな国際大会で優勝できたなんて、「本当にうれしい」のひと言です。決勝戦の韓国戦は、できれば自分もコートに出てチームに貢献したかったですが、チームが勝てたのですから、やはり喜びでいっぱいでした。

――大会を通じて自分の出来はどうでしたか。

自分のプレーが出せた部分は自分でも評価したいですが、逆に全然通用しなかった部分もあったので、いい勉強をさせてもらいました。出来た部分は、得意のフックシュートと当たり負けしなかったところで、そこは自信になりました。特に予選ラウンドの中国戦は大きくて幅のある相手に対して、ディフェンスでもオフェンスでもあれだけ通用したところはすごく自信になりました。

――では、足りなかったところとは?

予選ラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦でシュートを決め切れなかったところです。入るシュートなのにポロリと落としてしまって……。後から振り返ると、慌てていたのかもしれません。そうしたプレーを今後は繰り返さないようにしないといけないですね。

――王選手は三菱の中でもシーズンを経るごとに成長を見せ、Wリーグで連続5位の原動力になってきました。ゴール下プレーやリバウンドでの活躍が光っていますが、一方で少し攻め急いでしまいチャンスを自らつぶしてしまうシーンもありました。それが、5月に日本代表に選ばれてから、随分とコートで落ち着いてプレーするようになった印象です。自分ではどうですか。

そうですね。自分でもそこは随分と成長できたと感じています。特にフックシュートに関しては、すごく丁寧に教えてもらいました。自分としてはジャンプシュートが基本だと思っていたのですが、内海さん(内海知秀ヘッドコーチ)からもブラウンさん(ハーブ・ブラウン・コーチ)からも「フックシュートが持ち味だからそこを強化しよう」と言われました。具体的には、パスを受けたらボールを下げないようにすることを注意し、確率を上げる練習を徹底してやりました。内海さんが私のフックシュートをすごく買ってくれたので、「これを絶対にモノにしたい」と言う気持ちが強くなっていきました。

代表でのスクリメージでは、私がBチームのセンターの時は、Aチームには渡嘉敷(来夢)さんと間宮(佑圭)さんが入ります。2人とも大きいし、5対5をやるとなかなかいいポジションをとらせてもらえず、いいシュートも打たせてもらえません。でも、Bチームのガードの久手堅(笑美)さんがいつもいいパスを入れてくれました。そうした練習の中で「ボールをもらったら、絶対にシュートまで行くんだ」という強い気持ちを持ち続けました。その成果がアジア選手権で出せたと思います。

――予選ラウンドの韓国戦は出番がなく、悔しがっていましたね。「いつでも出るつもりで準備をしていたのに……」と。翌日の中国戦では活躍しました。内海ヘッドコーチは、韓国戦で起用しなかった理由を「韓国は動き回るチームなので起用しなかった。逆に中国のようなチームには向いているので期待していた」と言っていました。

そうですか。三菱にも韓国チームがよく来日して練習ゲームをします。韓国チームの特徴はよく走って3ポイントを決めること。そういうタイプのチームには、渡嘉敷さんのように動ける選手でないと対応ができないので、内海さんがおっしゃっていることは納得です。私はまだそこまでは動けるようにはなっていませんから。でも、今後はそういうタイプのチームと対戦しても、自分も渡嘉敷さんと一緒にコートに出て、「ワンはリバウンドが強い」と言われるようになりたいですね。そうなれるように、プレーを磨いていきたいです。
 
 

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