予選ラウンドを1位で通過
「インサイドの頑張りが、チームの安定につながっている」

構成・文/舟山緑   取材・写真/小永吉陽子

韓国戦に続いて粘りのバスケットで中国戦も勝利した日本。圧倒的な高さを誇る中国を見事に封じ込んだ

内海知秀ヘッドコーチ・インタビュー
「インサイドの頑張りが、チームの安定につながっている」

予選ラウンドの最終戦で中国を62-55で撃破した日本。
開幕から5連勝で、予選ラウンドを1位で抜けた。
中国は、フォワードに190㎝、188㎝、182㎝の長身者が揃い、
センター陣もベテラン#15チェン・ナン(197㎝)を筆頭に、197㎝、196㎝と高さではグンを抜いている。
これだけの高さに加えて、当たりも強いのが中国というチームだ。
若いメンバー構成とはいえ、この中国を前半18得点、トータルでも55得点に抑えたディフェンスは見事だった。
アジア選手権の予選ラウンドで中国に勝利したのは、2007年大会以来、6年ぶりのこと。
韓国戦、中国戦と競り勝って、準決勝へと弾みをつけた女子代表チーム。
中国戦を制した内海知秀ヘッドコーチの手応えを、共同インタビューから紹介したい。

中国に62-55で勝利                       

相手のオフェンスリズムを狂わせて、先手を打てたことが勝因に。
中国の高さにドライブで得点できたのは、今までにない形。

――ズバリ勝因は?

中国からターンオーバー18本を奪った守り。インサイドではトラップで相手を苦しめた。このゾーンが大きな勝因となった。#10渡嘉敷(左)と#8宮元

前半のディフェンス(ゾーン)が効いて、中国がリズムに乗れなかったことだと思う。我々もあまりいいリズムではなかったが、よくディフェンスを頑張ってくれた。前半を25-18で乗り切ったことが1つの勝因だと思う。

――ゾーンは中国対策として用意したのですか。

中国戦だけではないが、ここで一回使ってみようと試してみた。相手のオフェンスリズムを狂わして、先手を打っていこうと思ってゾーンを敷いた。そういう意味でもよく決まったと思う。選手たちがよくやってくれた。

――前半は王選手のフックショットがよく決まりました。期待どおりでしたか。

あそこでよくワン(王朝新喜)がよくつないでくれた。前日から「今日(中国戦)は行くぞ」と話していたので、その準備はしていたと思う。ようやくワンらしいプレーが出たと思う。

――後半は一気に入れられたら入れ返すという展開ながら、リードをキープできました。

3ポイントはあまりなかったが、ペイント内のドライブによって点数をよく獲っていけた。向こうの高さに負けずに点が獲れたのは、今までにないいい形だったと思う。

――特に渡嘉敷(来夢)選手がドライブとリバウンドで大活躍。そこも大きかったですね。

渡嘉敷は、リバウンド、ドライブ、フリースローで点をよくつないでくれた。彼女は、アジアではナンバー1のセンター・フォワードだと思う。ワンドリブルでバスケットに向かっていったら(相手は)もう抑えることはできない。

――#8宮元(美智子)選手に代えて入った#7櫻木(千華)選手がディフェンスで頑張りました。櫻木選手の評価は?

あの身長(180㎝)でいいディフェンスをする選手なので、そこを期待して起用している。オフェンスはイマイチだったが、ディフェンスではよく頑張ってくれた。
 
 
開幕から負けなしの5連勝                      

インサイド陣が頑張っていることが、チームが崩れない大きな要因に。
連勝していることで、チームの結束が強くなっている。

――大会直前に出た東アジア競技大会よりも調子が上がっています。その要因は?

果敢にゴールにアタックしてチームを牽引する#12吉田。魂のこもったドライブインでバスカンを決め、勝利に大きく貢献した

選手たちの意識も「この大会に懸ける」というのが大きい。東アジアは「このアジア選手権のための大会」という位置づけで出場したので、そこの精神的な部分は全然違っている。

――チームがすごく粘れている要因は何ですか。

ディフェンスで頑張れているのが1つの勝因になっている。それと、インサイドで渡嘉敷、間宮(佑圭)、王の3人が頑張ってくれているし、大会に入って宮澤(夕貴)もいい働きをしてくれている。インサイドの選手がよく頑張っている点が、チームが大きく崩れない要因になっている。チームが安定しているのは、そこだと思う。

――中国にはリトアニア遠征でも競り勝ち、東アジアに続いて今日も勝ちました。メンバーは大会ごとに少し違っていますが、これで3連勝した形です。

そういう意味では、選手たちの中に、中国への苦手意識はなくなってきているのかなと思う。

――予選ラウンドはこれで5連勝。勝ち進んでいることでチームの雰囲気も違いますか。

試合に出ていない選手もチームが1つになっているのを強く感じる。チームが非常に結束していると思う。

――前半、オフェンスが伸びませんでした。準決勝へ向けての修正は?

落ち着いたプレーで15得点を挙げた#6間宮を、キャプテン#13大神がねぎらう。決勝ラウンドは大神の勝負強さを期待したい

前半、もう少しトランジションの展開が出せたらよかったと思う。ボールの回りと人の動きが少なかったので、得点が低くなってしまった。ドライブも前半は少なかった。その反省から、後半は、間宮や渡嘉敷がドライブにいけたのはよかった。これからの2試合は、こうしたプレーを40分間、続けていくことが大事になってくる。

――次はいよいよ準決勝。どう戦っていきますか。

気持ちを切り替えて、準決勝、決勝と戦っていきたい。どこが対戦相手でも、必ず当たらなくてはならない相手なので、しっかりと戦っていきたい。
 
 
◆中国戦に勝利:渡嘉敷、王朝新喜、櫻木千華のコメント
◆女子日本代表メンバー
◆大会公式サイト(FIBA ASIA)
◆大会特設サイト(日本バスケットボール協会)
◆フジテレビNEXT:放送スケジュール