11月8日(金)開幕
12チームのヘッドコーチが今季のチーム力を語る!

構成・文・写真/一柳英男

アジア女子選手権を終えて、いよいよWリーグの戦いが始まる(前列左よりシャンソン・木村HC、トヨタ・後藤HC、JX・佐藤HC、富士通・藪内HC、三菱・山下HC。後列左より山梨・林HC、日立・高木HC、アイシン・山田HC、新潟・衛藤HC、デンソー・小嶋HC、トヨタ紡織・中川HC、羽田・星澤HC)

大神が抜けるもJX優位は揺るがず! 4強争いが白熱の予感

11月8日に開幕する「第15回Wリーグ」。これに先だって11月1日、Wリーグ12チームの全ヘッドコーチが
代々木第2体育館に一堂に会して記者会見を行った。
開幕直前のチームの仕上がりはどうなのか、各ヘッドコーチの抱負を紹介したい。

今シーズンのWリーグは、直前にFIBAアジア女子選手権(タイ・バンコク)が行われたことから開幕が11月8日と例年より遅く、レギュラーシーズンが3月下旬まで続く点が例年と異なる。昨年実施されたプレーオフのファーストラウンドはなくなり、3回戦総当たりのレギュラーシーズンを経て上位4チームによるセミファイナル、さらにファイナルが4月に開催される。

昨シーズンのベスト5。左から間宮佑圭、渡嘉敷来夢(JX)、出岐奏(新潟)、川原麻耶(トヨタ)、吉田亜沙美(JX) (写真:小永吉陽子)

開幕が11月に延びたために、各チームともにチーム作りが例年より難しかったようだ。また、今季より指揮を取るヘッドコーチも4人と、新たな顔ぶれとなった。新潟・衛藤晃平ヘッドコーチ、日立・高木良多加ヘッドコーチ、羽田・星澤純一ヘッドコーチ、山梨・林永甫ヘッドコーチだ。

昨シーズンの覇者JX-ENEOSは、長年チームを支えてきた大神雄子が中国リーグ(WCBA)に移籍するために日本を離れる。それでもFIBAアジア選手権で優勝を飾り、ベスト5にも選ばれた3人、吉田亜沙美、間宮佑圭、渡嘉敷来夢に宮澤夕貴が加わって4人のメンバーが在籍するだけに、今季も強力だ。優勝候補の筆頭であるのは間違いないだろう。

このJXを脅かすチームはどこになるのか。トヨタ自動車、富士通、シャンソン化粧品がさらにチーム力を上げ、今季は日本代表に宮元美智子、櫻木千華、王新朝喜の3人を送り込んだ三菱電機もますます侮れない存在となっている。JXを含めてこれら5チームによる4強争いが過熱しそうな予感だ。また、ダークホースの台頭にも大いに期待したい。

■12チームのヘッドコーチが今季のチーム力を語る!
 
 
JX-ENEOSサンフラワーズ(昨季優勝) 佐藤清美ヘッドコーチ

今季は吉田がプレー面でも精神面でもチームの柱に

佐藤ヘッドコーチ

全チームの中でおそらく一番チーム状態が悪いのがうちだと思います。現在、アジア選主権で代表選手はがんばってくれていますが、残っているメンバーが非常に少なく、ケガ人も多いです。2対2や3対3など、個人のスキルアップぐらいの練習しかできないのが現状です。

ようやく代表メンバーが帰ってきますから、ゲームを重ねながらチーム作りをしていきます。今まで精神的中心だった大神(雄子)が中国リーグに挑戦するということで、その穴を埋める意味でも、吉田(亜沙美)にプレー面でも精神面でもがんばってほしいと思います。

大神のポジションは、昨シーズン経験を積んだ高橋(礼華)、大沼(美琴)らでカバーしていきたいです。
 
 
トヨタ自動車 アンテロープス(昨季2位) 後藤敏博ヘッドコーチ

新しいバスケットに挑戦。去年とは違うトヨタを見せたい

後藤ヘッドコーチ

今シーズンは本当にケガ人が多く、当初計画していたバスケットボールを変更せざるを得なくなりました。ただその変更したバスケットがチームにうまくフィットすれば、去年とは違うトヨタ自動車がお見せできるのではないかと思います。やってみなければわかりませんが、精一杯がんばります。

キャプテンは久手堅(笑美)ですが、代表活動のためにチーム練習には参加できていません。その中で副キャプテンの鈴木(一実)がチームを引っ張ってくれたので、鈴木に期待しています。

開幕は久手堅をPGで使い、それ以降はルーキーの鬼頭真由美(大阪人間科学大卒)を使っていこうと考えています。将来は鬼頭がスタメンのPG、久手堅がバックアップになるのが理想です。
 
 
富士通レッドウェーブ(昨季3位) 藪内夏美ヘッドコーチ

課題は得点力のアップ。ケガから復帰の篠原は様子をみながらの戦いに

藪内ヘッドコーチ

とにかく得点力が不足しているので、今シーズンは得点することを第一条件に、オフェンス回数やファウルをもらう回数も増やそうと指導してきました。また、たとえ点数が取れなくても、相手にも取らせない固いディフェンスも課題にしています。

篠原(恵)はまだ100%のコンディションではないので、今シーズンもどれだけゲームに出られるかわかりません。その分、長岡(萌映子)を始め、ベテランの石川(麻衣)、鈴木(あゆみ)の両センターが一生懸命がんばっているところです。

全チームの中で、うちの町田(瑠唯)はPGで一番若いです。経験不足や気持ちの優しさはありますが、強い気持ちを持ってやってくれたら良いなと思っています。
 
 
シャンソン化粧品シャンソンVマジック(昨季4位) 木村功ヘッドコーチ

大型新人2名を補強。球際の強さ、勝負強さをつけていきたい

木村ヘッドコーチ

今まで強力なインサイドが不在でした。昨年、新人の近平もルーキーですから、インサイドでそんなに力を発揮するまでには至りませんでした。センターだけではなく、3番、4番、5番がどうしてもひ弱です。球際の弱さ、勝負の競り合いの弱さがこのチームの大きな課題ですので、今シーズンはそこの攻撃力・守備力アップに努めてきました。

さらに、今年は大型新人を2名、杉山美由希(196㎝:中国からの帰化)と河村美幸(184㎝:桜花学園高卒)が補強できました。

新人は入ってきたこと自体が成果です。まだ10代の選手が多いので、これからどんな経験を積んでくれるのか、心配もありますが、未知数の部分を期待しています。杉山は身体はまだ全然できていませんし、課題だらけですが、手足が長いですし、リングも軽く触ります。将来必ず良い選手に育ってくれると思います。
 
 
三菱電機コアラーズ(昨季5位) 山下雄樹ヘッドコーチ

4強をめざして「折れない心」で挑戦。主力が留守の間にシックスメンを育成

山下ヘッドコーチ

昨シーズンは一昨年と同じ5位と、ベスト4の壁がとても大きかったと痛感しています。一番反省しなければならないのは、勝負所での強さ、球際の強さです。ですから今シーズンは「折れない心」をテーマに、各選手が大きく成長してほしいと思っています。

現在3名の主力選手(宮元美智子/櫻木千華/王新朝喜)が代表チームへ参加し、なかなかコンビネーションなど思い通りの練習ができていません。ですが、これを好期ととらえ、課題であったシックスマンの育成に力を注いでいます。佐藤(梓)、渡邉(亜弥)、池谷(悠希)ら3名が今、大きく成長してくれています。日替わりランチではないですが、相手チームと自分たちのコンディションに合わせて使っていきたいです。
 
 
新潟アルビレックスBBラビッツ(昨季6位) 衛藤晃平ヘッドコーチ

自主性が出てきた今季。出岐、岩村を軸に全員の個人技アップに取り組む

衛藤ヘッドコーチ

前ヘッドコーチ(荒順一氏)に比べれば、私はキャリアも知識もありません。ですから私が選手を導いていくスタイルというより、私が気づいたことを選手に提供し、選手がコート上で気づいたことを私が受け止めて、1つのものを形作っていくスタイルで今シーズンはいこうと思っています。その成果か、プレシーズンマッチでも、選手から「こういうふうにしたらどうか」という意見が自主的に出てきています。少しずつ自主性がチームに還元されつつあるのかなと感じています。

主力選手が1人、今季絶望的になりましたが、昨年度のスタメンの星(希望)と井上(愛)が2~3週間前からようやくプレーできるようになり、改めて再スタートを切った状態です。昨シーズンは出岐(奏)、岩村(裕美)にマークが集中しました。ですから、それ以外のメンバーの個人技の向上に取り組んできました。

私たちが勝つにはこの出岐、岩村の活躍が必須ですので、この2人に期待しています。
 
 
 

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