10月27日、タイ・バンコクで開幕
ディフェンスからの速い展開をいかにできるか

文/舟山緑  写真/小永吉陽子

これまでになくインサイドの高さがあり、シューターも揃った女子代表。「インサイドとアウトサイドのバランスのいい攻めを展開したい」というのが内海ヘッドコーチがめざすバスケットだ

ディフェンスからの速い展開をいかにできるか

アジアの女子ナンバー1を決める「FIBAアジア女子選手権大会」が
10月27日、タイ、バンコクで開幕した。
2016年のリオデジャネイロ・オリンピック出場をめざす新生・女子代表にとっては、
今年一番の目標としている大会だ。現在のチームの仕上がりはどうなのか。
チームがめざす「アジア優勝」を手にするためには、どんなことがカギになるのか。
出発前のインタビューを踏まえて、探ってみたい。
 
 

FIBAアジア女子選手権に挑む12名

9月の強化合宿からセンターの間宮が復帰。
「3番としての長岡」は、次回に期待

 5月に強化活動を始動した女子日本代表。5、6月は12名のメンバーに絞ってアメリカとヨーロッパへと遠征。帰国後は6月末に国内でモザンビークを招待して国際親善試合を戦った。春の遠征の目的は、「海外チームの高さと当たりの強さに慣れること」(内海知秀ヘッドコーチ)だった。

 9月に再招集されたメンバーには間宮佑圭(JX-ENEOS)が入り、森ムチャ(トヨタ自動車)が抜けた。間宮は、今年1月に痛めたヒザのリハビリのために、5月の合宿には不参加だった。内海ヘッドコーチは、「センターの間宮はもともと入らなくてはならない選手。7月のサマーキャンプを見て大丈夫だと確信したので入れた」と選考理由を明かした。

 一方、手首の手術のために間宮同様に5月の合宿を欠席した長岡萌映子(富士通)は、8月に富士通として参加したジョーンズカップ(台湾)では果敢なプレーで“復活”を十分にアピールしていた。しかし、内海ヘッドコーチは、この長岡を9月に召集しなかった。「ジョーンズカップを見て、調子を戻しているのは十分にわかったが、4番、5番のインサイドのプレーが中心だった。代表では3番として起用したいので、9月からでは間に合わないと判断した。今回は見送ったが、長岡は代表に入らなくてはいけない選手。今後に期待している」と、外した理由を明かした。
 
 
東アジア競技大会から見えてきたこと

中国には競り勝ったが、チャイニーズ・タイペイには完敗。
ターンオーバーの多さ、得点力不足という課題が明確に

「試合の入り方にも課題が残った。バンコクではそこをしっかり入り、自分たちのペースにしたい」と語る司令塔の吉田

 アジア選手権を直前に控えて女子代表は、10月9日から14日にかけて開催された東アジア競技大会に出場した。本番まで2週間もない中で、あえて参加を決めた理由は「実戦経験を積んでゲーム勘を取り戻すため」(内海ヘッドコーチ)だった。5月、6月は海外遠征や国内での親善試合などで試合を重ねたが、7-8月は選手が所属チームへと戻った。9月から再開した代表合宿ではスクリメージが中心になり、対外試合を組むことができない。その対策として出場を決めたのだ。

 結果は、3勝1敗の2位。若手メンバー中心の中国には65-64で競り勝ったが、最終戦のチャイニーズ・タイペイ(以下、タイペイ)戦では終始、相手に主導権を握られて61-67で完敗だった。内海ヘッドコーチは「間宮が合流して初めての大会で、全員でゲームを共有できたのはよかった」と語り、中国戦では高さを体験でき、競ったゲームを勝ちきった点は評価しながらも、「中国戦もタイペイ戦もターンオーバーが多く、得点が伸びなかった」と、反省点を挙げた。

 この2試合のターンオーバーは中国戦が22本、タイペイ戦が18本。内海ヘッドコーチは「決めるべきシュートを決めきれなかった」のと、「パッサーとレシーバーとのタイミングが合っていなかった」と原因を挙げ、「ここは十分に修正していけるし、大会を通しても修正していきたい」と語った。

 日本は「オフェンスは2パターンぐらい、ディフェンスはマンツーマンで通す」(内海ヘッドコーチ)という作戦で臨んだため、手のうちをすべて出さずに戦った。その影響も多分に大きかったが、司令塔の吉田亜沙美(JX-ENEOS)は、「中国に競り勝って、どこか気の緩みもあった」と、精神面の甘さを口にした。

 

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