2013年9月28日、開幕!
新規参入チームの現状と新リーグの見どころを探る

文/渡辺淳二  写真/小永吉陽子

12チームのヘッドコーチと選手が揃った開幕会見。初年度のNBLは12チーム中、10チームが外国人HCが指揮を執る

NBL開幕!
新規参入チームの現状と新リーグの見どころを探る

昨シーズンまでのJBLから装いを新たにしてスタートを切ったNBL。
8チームから12チームへとスケールアップし、6チームずつ東西二つのカンファレンスに分かれて行なわれる。
そしてルールも変更され、大きな変更点としては第1、第3ピリオドのみという条件付きながら、
外国人選手2人がコートに立てる「オン・ザ・コート2」が採用される。
全チームが自主興行となり、チーム名にホームタウンの名称を付け、地域密着を強調する新リーグの見どころを探った。
 
 

新規参入チームが初お披露目

「僕らのようにできたばかりのチームがチャンピオンと開幕戦で戦えるのは好都合。
その次の試合から相手に対して驚くこともない」(つくば・中川和之)

14年目の開幕を和歌山で迎える35歳の永山誠。「緊張しているが、気合いも入っている」とコメント

 2013年9月15日。ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン選手がプロ野球シーズン記録となる56号本塁打をかっとばしたその日、神宮球場からほど近いイベントホールでNBL開幕戦に向けての記者会見が開かれていた。全12チームのヘッドコーチとそれぞれ選手1名ずつが壇上に立ち、セレモニーが行なわれた後、開幕戦で対戦する2チームずつが次々と西カンファレンスから登壇する。

 まずは兵庫ストークス対三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋。経験豊富な選手数名(後述)を補強した名古屋に対し、JBL2の覇者として参入する兵庫はどう戦うのか。BTテーブス氏を引き継ぎ、ヘッドコーチ(以下HC)に就任したダニー・ヨシカワHCが意気込む。

「もっと強くならなければならない状況ですが、ディフェンスを主体にして、速さを武器に試合をしていきたい」

 リンク栃木ブレックスから移籍した梁川禎浩も同調する。

「チームとして大きくないし、若いということもあるので、オフェンスでもディフェンスでもアタックする気持ちを忘れずに戦いたいです」

 今年1月6日のオールジャパンで両者が対戦した時、兵庫は松崎賢人を中心に、まさに速さを武器としたプレーで三菱電機名古屋を苦しめる時間帯を作った。好采配を見せた当時のHCであるBTテーブス氏は、NBLに向けて日本人のビッグマンの補強を最重要ポイントとして挙げていたのだが、今なおインサイドの選手層の薄さは気になる。ヨシカワHCが「長い道のり」と表現するように、結果が付いて来るまでには時間がかかるかもしれない。高さの面で不安視される兵庫が、どう列強に食らいついていくか、ハラハラしながら見ていくことになりそうだ。

NBLではゲームの質を高めるために審判向上に力を注ぐ。試合担当レフェリーは事前に発表される

 次に登壇したのが、熊本ヴォルターズと和歌山トライアンズ。新リーグの目玉チームとして注目を集める和歌山については後述するとして、その和歌山と開幕戦で対戦する熊本のノーマン・デ・シルバHCが兵庫と同じニュアンスのコメントを残した。

「とても小さいし、若いチームで経験も少ない。だが(アウトサイドの)シュートがよく入る選手が多いのが強みです」

 その代表格がシューターとして東芝神奈川で活躍した経験がある小野元だ。

「平均身長が低いチームですが、全員が役割を行ってチームを機能させながら、機動力で勝負したい」

 サイズがあってうまさも兼ね備えた大宮宏正(元アイシン三河)や、パワフルな栗野譲(元北海道)の存在は頼もしい限り。だが、チームとして試合経験が乏しいだけに、こちらもやはり時間がかかりそうな気配ではある。

 西カンファレンスの最後に登壇したのは、昨シーズンJBLの覇者・アイシンシーホース三河と、つくばロボッツ(※JBL2のデイトリックつくばから改名)。

「正しいプレーをしっかりと行い、テンポが速いバスケットを展開したい」と語るのは、つくばのダンテ・ヒルHCだ。昨年度のオールジャパンの試合後、NBL参戦に向けてビッグマンの補強を公約していた通り、210㎝のルビシャ・ヴァーセルが加入。さらに中村友也(元千葉ジェッツ)、竹田智史(元大阪エヴェッサ)、そしてbjリーグのダンクコンテストで優勝した橘佳宏(元大阪エヴェッサ)のように「ダンカー」のイメージが強いフォワード陣をそろえた。bjリーグから移籍して来た面々を経験豊富な中川和之(元三菱電機名古屋)がどうコントロールするかは非常に興味深い。その司令塔がアイシン三河との開幕戦を見据えて言う。

「僕らのようにできたばかりのチームが昨年のチャンピオンチームと開幕戦で戦えるのは好都合だと思う。その次の試合から相手に対して驚くこともないと思いますから。物おじせずハードワークして頑張るだけです」

 JBLに所属していた三菱電機名古屋やアイシン三河に対して、新規参入の4チームがどのような戦い方をするかが、新リーグの成否を左右する大きなポイントの一つだ。いくら選手が頑張っていても、大差で勝負が決する試合が続けばリーグとしての存在価値が問われかねない。その試合内容が観客動員数に跳ね返って来ることは必至だ。
 
 

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