アジア選手権アフターレポート
「試合の流れを読み、 自分の役割を明確にして臨めました」

インタビュー・文/舟山緑   写真/小永吉陽子

積極果敢なプレーが光った大庭。スピード、シュート、ディフェンスとキレのいいプレーを見せた

「試合の流れを読み、
自分の役割を明確にして臨めました」

大庭久美子
(Kumiko , OBA /169㎝/SG/25 歳/日本代表#4/デンソー#14)

長崎・大村でのアジア選手権で、大庭は相手選手との接触で
顔に打撲を負ってほほ骨を骨折。以来、試合ではゴーグル姿がトレードマークとなった。
あれから2年。大庭は持ち前のアグレッシブなプレーでチームに貢献した。
大庭がコートに出ることで、チームのリズムが変わり、機動力はさらにアップした。
短い時間の中でもきっちりと仕事を成し遂げた今大会。
2度目のアジア選手権で、どんなことを得たのか、今後の抱負とともに聞いた。
 
 

この2年間での経験の積み重ねと自分の出来

「ディフェンスでしっかり走って自分のリズムを作ること、
迷いのないシュートを打つことを心がけました」

――アジア優勝の喜びをまず聞かせてください。

本当にうれしかったです。一人ひとりの強い気持ちが力になり、優勝できたことがうれしかったですね。43年ぶりのアジアチャンピオンというすごい瞬間に、自分もチームの一員としてその場にいられたことは本当に幸せでした。

――韓国との決勝戦は、ベンチでどう準備していましたか。

いつでも出られる準備はしていました。決勝だからという気負いはなく、いつも通りに自分がつくマークマンがどんなプレーをしているのか、今、チームはどこが弱くてやられているのか、チーム・オフェンスはうまくいっているのか、とか考えながら観ていました。チーム・ディフェンスから得点につなげていく日本のスタイルができていましたね。ずっと日本がリードした展開の中で、韓国もこのまま終わらないだろうなという思いはありました。その相手の反撃が3クォーターで来たときに、チーム全員で我慢することができたと思います。だからこそ、突き放して勝てたと思います。

終始、落ち着いたプレーでチームに貢献した大庭。1番での役割も堂々とこなしていた

――大庭選手にとってアジア選手権は、2年前の長崎・大村大会に次いで2度目。経験を積んできたことで前回大会と違ってきたことはありましたか。

前回は代表に初めて選出されて臨んだ大会だったので、すべてに必死でした。でも今回は、この2年間で経験を積めたので全然違いました。去年のOQT(オリンピック最終予選)を含めて、今年も5月からアメリカ、ヨーロッパと遠征し、日本に戻って親善試合を戦ったりして、この2年間でずいぶんと海外チームと対戦する経験を積みました。

その経験から、どういう場面で強くプッシュし、どこをどう守ればいいのかが分かってきて今回のアジア選手権に臨めたので、その差は大きかったです。2年前と違って、試合の流れを読むことも、自分がどういう役割を果たしていくかも、より明確になって試合に入れるようになっていたと思います。

――予選ラウンドのインド戦は3ポイント2本を含む11得点。アグレッシブなプレーでチームに貢献しました。ディフェンスでプレッシャーをかけ、スピードを生かしたドライブで切っていくプレー、思い切りのいい3ポイントが印象的です。自分の手応えはどうでしたか。

ディフェンスではプレッシャーをかけるのがチームの約束事なので、そこは思い切りやれました。練習ではいつもシンさん(大神雄子)を守ることが多かったので、すごくプラスになりました。シンさんに簡単にボールをもたせない、簡単にシュートを打たせないことをいつも意識しながら練習をやっていました。シンさんにつくのはとても大変でしたが、それがすごく自分の練習になり、試合への準備にもなりました。コートに出たらディフェンスからしっかり走ろうと思っていたし、それは出来たと思います。

オフェンスでは、迷いがあるとシュートが入らないので、まずディフェンスから走ることで自分のリズムを作っていき、そこからいいリズムでシュートを打つことを意識しました。前が空いたら思い切り打つだけ。それを心がけました。

――デンソーではスタートとしてプレータイムも長いのでリズムを作っていきやすいと思いますが、代表チームでは短い時間で役割を果たしていかなくてはなりません。すごくレベルの高い仕事を要求されることになりますね。

そうですね。ワンプレー、ワンプレーがすごく大事になります。もちろんデンソーでもそのワンプレーの大切さは同じですが。代表チームでは、ベンチで試合の流れをよく観ながら、交代して入ったときにどんなプレーをするのかを明確にしてコートに入るようにしていました。

――2番で出る場面と、途中で1番を任される場面がありました。そこはどう切り替えたのですか。

そうですね。1番で出るときと2番で出るときの役割は、自分の中でも使い分けるようにしていました。1番としての練習はやっていませんでしたが、東アジア(競技大会:10月中旬)のときに途中で1番で出る場面があったので、このアジア選手権も気持ちの準備はしていました。特に1番で出るときは、自分が積極的にシュートにいくというよりも、ドライブで切っていってディフェンスを崩し、外にいるシューターにいいパスを出すことを心がけました。
 
 

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