大神雄子が参戦
今、世界中から注目を集める中国リーグを探る

文・写真/小永吉陽子

チームメイトと喜びをわかちあう大神。そのうしろでは、マヤ・ムーア(アメリカ代表)とエリザベス・キャンベージ(オーストラリア代表)がハイタッチをする。写真からもわかる通り、大神は大型選手に囲まれてプレーしている

中国WCBA事情

大神雄子が参戦!
今、世界から注目を集めている中国リーグを探る

中国女子プロリーグ(WCBA)大神雄子が所属する山西フレームは2年連続のファイナルに進出した。
いまやWCBAは世界各国からスタープレーヤーが集まるリーグとなり
その舞台でスタメン司令塔を務める大神は、異文化の中でやりがいのある毎日を過ごしている。
なぜ、中国にスターが集まるのか。なぜ中国市場が拡大したのか。大神が適用されたアジア枠とは。
隣国で奮闘する大神の姿と、知られざる中国リーグを探った。

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アジアにいながらにして
世界中のバスケットボールが体験できる中国

レギュラーシーズンのアベレージは33分出場、8.2得点、3.5リバウンド、4.4アシスト

中国女子プロバスケットボール「WCBA」が2月25日からファイナルを迎えている。大神雄子が所属する山西はレギュラーシーズンを19勝3敗の1位で終え、セミファイナルではリーグ4位の浙江と大激戦にもつれた末、2勝1敗で下してファイナルに進出した。いま、この4ヵ月間を“濃密”に駆け抜けていく中国リーグが海外から注目を集めている。大神が中国進出に踏み切ったのも「中国にいながら、世界中のバスケを経験できる」という理由があったからだ。

大神が中国WCBAに参戦する2年前、日本代表選手である石川幸子(元シャンソン化粧品)がWCBAに2シーズン在籍していた。石川も大神も「アジア人枠」を適用されての参戦。この頃から、中国リーグは多国籍リーグとなり、注目されつつあった。

2012年、石川がWCBAに在籍2年目のこと。WCBAはピーク(PEAK=中国でトップシェアを争うスポーツブランド)がメインスポンサーになった。「チームウエアもユニフォームもピークに統一され、去年よりも支援されるようになりました」と、石川はわずか1年前よりも、物資において待遇が良くなったことを実感していた。当時もWNBA選手は数名在籍していたが、石川が引退した翌年、つまり昨シーズンからWCBAはスポンサーの力を借りて勢力を拡大してきた。現在は男女リーグともに、これまた中国トップブランドのアンタ(ANTA)がメインスポンサーとなってリーグを全面支援をし、テレビ放映や宣伝も増え、各チームに大物選手がズラリと揃った。

ダイアナ・タラシの次はマヤ・ムーアの時代。次期アメリカ代表のエースと期待されるマヤ・ムーア

大神の所属する山西では、WNBAのミネソタ・リンクスでMVPを受賞し、アメリカ代表でもあるマヤ・ムーア(183㎝、24歳)が所属。オーストラリアからは強力なインサイドのエリザベス・キャンベージ(203㎝、22歳、北京)とローレン・ジャクソン(196㎝、32歳、黒竜江)が参戦。WNBAで活躍するブリトニー・グライナー(203㎝、23歳、上海)、アメリカ代表のシルビア・フォーラス(198㎝、28歳、浙江)らをはじめ、各チームに外国人選手が加勢。

また、山西のヘッドコーチはスペイン女子代表をヨーロッパチャンピオンに導いたルーカス・モンデロ。そのほか、各チームの技術顧問やストレングスコーチ、トレーナーには海外から招聘したスタッフが多く就任している。

「試合ではパワーが必要とされるので、ウォーミングアップでスキルチェックやコンタクトプレーの相手をしてくれる男性のストレングスコーチがいることは、すごく助かっています」と大神が言うように、試合直前に強度を上げるトレーニングは日本にはないもので、接触プレーの多い海外に来てその必要性を実感しているという。
 
 

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