新リーグ準備室・bjリーグによる会見
2013年開幕「新リーグ」の定義とは何か

文・写真/小永吉陽子  Text&Photo/Yoko Konagayoshi 

会見にあたった新リーグ準備室室長・丸尾充(左)、日本協会専務理事・樋口隆之(右)

2011年12月7日、日本協会理事会で承認された「新リーグ案」について、記者会見が開かれた。最初に新リーグ準備室から会見があり、続いて、記者のリクエストに応えて、阿部達也bjリーグ取締役による会見が行われ、両者の意見が公開されるものとなった。

 最大の焦点は、「新リーグはプロか否か」ということ。

 新リーグ準備室側が目指す新リーグとは、JBLとbjを主体に新たに公募をしてリーグを立ち上げるもの。企業とプロクラブチームの混在で、「プロリーグと謳わない」ことは、これまでのJBLが繰り返してきた歴史と変わらないものだった。

 ただ、そんな中でも『興行権を持った責任のある事業体が参戦するリーグ』であることを強く訴え、『サラリーキャップを設けて資金面で同等のチームを作ること』『地域に根差したチームを作ること』『2年かけて階層型のトップリーグを作ること』という運営形態の案は、プロリーグを前提とした中では進歩したものであり、きちんと目を向けて検討すべき内容であることに間違いない。新リーグ準備室の丸尾室長は「中身を充実させ、プロと呼べる時期が来たら呼べばいい」と発言している。

 しかし、この理事会承認案に対し、bjリーグは「プロリーグでない限り、公募に参加しない」と表明。bj側の意見としては新リーグの指針に曖昧さがあると指摘。「我々はブースターを第一に考えて案を出して、利益を出すプロリーグ。しかしJBLでは親会社のことも考えないといけない。そうなると、統一したルールが非常に決めにくい。あるときはプロ的な考え方、あるときは企業的な考え方ということで、ジャッジにブレが出てくる」(阿部取締役)

そんな中、いち早く新リーグの公募に名乗り出たのが、JBLのリンク栃木だ。12月10日、公式サイト上で新リーグへの参入を表明。その理由も明解で、新リーグが『トッププロリーグ』であるという考えだからだ。

リンク栃木ブレックス 8つの“FACT”

新リーグがプロか否かで争う前に、いちばん大切なことは「何のために新リーグを作るのか」──という理念を掲げることだ。リンク栃木は「今後のバスケ界の発展に必要なもの、そして選手が真に求めるものは『トッププロリーグ』。常に最もレベルの高いステージで戦うことが選手の成長につながる」と、トッププロリーグの必要性を語っているが、こうした新リーグの掲げる理念が日本協会側からうまく導かれていないことが、ここまで合致点が見つからない結果を招いている。

 日本バスケットボール界が掲げる新リーグとはどのような形が望ましいのか。論点を洗い出し、今後も議論を重ねるためにも、その内容を明らかにしておきたい。公開会見であることから、全文を掲載する。

◆2013-2015 新リーグ概要


日本協会 新リーグ準備室室長 兼 副会長 丸尾充による記者会見

「プロという呼称にこだわるより中身の充実が先」                   
(最初に、表紙を入れて全50ページからなる概要が配られる)資料が49ページということで、たくさんのページがあるので、ぜひお読みいただきたい。

ポイントとなる点を申し上げますと、2013年から新リーグを作りましょうと、2010年1月に日本協会の『トップリーグあり方検討委員会』で決めて理事会で承認されました。そのあと、2010年4月にJBA、JBL、bjの3者で調印が行われております。

中身としては、JBLもbjもまったく違うリーグの形態をとっていますので、2013年の新リーグでは、何とか世の中に一緒になったという形を見せたいと思っていて、(JBLもbjも)全チーム集まったところでひとつのリーグのスキームを考えましょうと、そういうリーグ構想を考えています。

そして2013年に新リーグが開幕して2シーズン過ごして、成績や各チームの経営状況を見ながら、最終的には2015年に階層型のリーグができる。つまり、1部、2部、3部みたいなもので、我々は「P」「A」「B」リーグと称していますが、いちばん上にトップがくる階層型のリーグを考えています。2013年、2014年というのは、その準備期間と位置付けています。このような新リーグの考え方を理解してもらい、今日の理事会にて承認してもらいました。

新リーグのポイントとなるところは、プロリーグかどうかでしょう。現在は「bjはプロでJBLは企業チーム」という位置づけになっていると思いますが、新リーグは「プロ」という名称にこだわることなく、新しい形を作らなければならないと思っています。と言いますのは、現実にJBLは地域名をつけずに企業名だけでやっていて、運営もどこか他に任せているが、そういう形態からできるだけ地域の皆さんと密着した関係を作って、ファンを増やすことがものすごく大事だと思っています。今進めているのは地域名を入れて、専門的にチームやリーグの運営をやれるような仕組みです。これについては、ほぼJBLは合意しています。そういう意味では、新リーグは我々が狙っている形に一歩一歩前進をしてきております。

先ほどから言っているように、新リーグは、プロという名称にこだわらずに、まずは立ち上げを進めるところから入っていきたい。とにかく「企業だけの応援ではあかんぜよ」ということを申し上げていて、露出度を高めていき、運営そのものを専門的な運営形態にしていき、地域に密着してファンを増やしていく。そういうものをやろうと目指しております。ですから、着実に中身のあることを見極めたうえで、次のステップに入っていきたいと思います。(資料の)49ページにも書いてあるように「ここが新リーグのゴールじゃなくて始まり」だということです。過去10年にわたって、「プロだ、プロじゃない」と挫折をしながらやってきているわけですから、この機会をなくしたら、新しい形はできないと思いますので、中身を大事にして、プロと呼べる時期が来たら呼べばいいんじゃないかと思っています。

またバスケットボールの露出という点では、メディアの方がここにおられますが、試合の点数が新聞の下に載るくらいで、なかなか露出されない。競技人口が多いスポーツなのに、なかなか取り上げてもらう形にならないというのは、協会の強化の仕組みをもうちょっと考えなきゃいけないという大きな課題があります。また、メディアの人が取り上げる気にならないとファンも増えないので、盛んにそういう仕掛けを考えています。このたび、NHKではオールジャパンを3回戦から生放送をしてくれるということで、今までにない画期的なことが始まります。それは2013年への期待が大きいからだと感じています。

新リーグそのものが日本協会の強化を含めた改革に結びつけなきゃいけないと、このように思っています。強化を前提に押し出しながらファンの方を増やしていく。世界と戦えなかったら、バスケットはマイナーと呼ばれてもしかたない。日本協会としては、世界で戦えるように、日本協会と各チームでの強化を努力していこうと、今までやれなかったことをやろうとの決意です。

この席にもbjリーグの阿部さん(阿部達也、bjリーグ取締役/JBA特任委員)がおられます。bjリーグ側は「新リーグはプロじゃなきゃいけない」と言っておられます。そう言っておられますけれど、私が思うに、すでにbjリーグというのは地域に密着し、大変力がついてきており、プロとして完全に地域から認められる存在になっています。そう思っているので、プロという呼称にこだわらなくても、この案を進めたうえで、その結果が「プロリーグ」になってくればいいと思っています。

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