早稲田大・萩原美樹子ヘッドコーチ 大阪人間科学大・長渡俊一監督
早稲田大 vs 大阪人間科学大 監督&選手のコメント

文・写真/一柳英男  Text & Photo/Hidao Ichiyanagi

 大会結果・ホックススコア・個人成績・メンバー表(全日本大学バスケットボール連盟)

日本バスケットボール協会 インカレ公式サイト
 

■早稲田大・萩原美樹子ヘッドコーチ
「大学でバスケをする意味」を考えさせ、少しずつ変われた1年間                        

早稲田大・萩原美樹子ヘッドコーチ

「優勝の感想は…安心したというか、喜びとかうれしさは、あとかわジワジワくるのかなと思います。決勝を振り返ってみると、かなり(ゲーム内容が)重たかったというか、うちも重たかったけど、人科さん(大阪人間科学大)も重たかったというか、うちのオフェンスはあまり良くなかったんですけれど、そこそこついていけていたので、後半ちゃんとオフェンスでリズムが作れれば、なんとかなるかなあと。あとは選手たちが緊張していたので、吹っ切れてくれるのを待つというか。吹っ切れてくれればいい結果になるだろうと、ダメだったらその時はその時かなあと思っていました。

 人科さんはいろんなゾーンをもっていらっしゃるチームなので、昨日の筑波戦では1-1-3だと思うのですがやっていたので、1-1-3のオフェンスについて、試合前にミーティングで確認しました。関東では拓大が1-3-1か1-1-3のような形のディフェンスをするので、それに対してのゾーンアタックは練習していたので、それを確認するのを試合前にやりました。細かくいうとパスで振るという感じです。どっちかというと人が動いてコーナーを突くというよりも、1-1-3のゾーンが弱いのは、ウイングの部分とゴール下だと思ったので、ウイングかららコーナーにしっかり落として、もしそれで攻められなかったら丹羽がシールをして起点を作りなさいと。あとは空いたら思い切りシュートを打てという指示で、光山が思い切り打ってくれたのが良かったです。

 選手起用については、本当はあまりメンバーを変えずに、5人なら5人で40分戦ってほしい思いもあるのですが、あまり潤沢に練習しているわけではないので、どこかで変えざるを得ない。となると、多少、はじめにゲームが安定しなくても1Q、2Qのあたりで控えのメンバーをゲームに慣らしていく必要があると思っています。それで選手を変えながら使っています。ベンチメンバーにも経験ある選手は多いですし、そういった意味では前半はチームが安定しないこともあるけれど、前半は選手を多く使って乗り切ってきました。

4年生が主体となって勝ち上がった大会だった。中央で声をかけるのはキャプテンの渡辺

 今年の2月から就任してやってきたことは、『大学でバスケをする意味を考えさせたこと』です。就任する前から早稲田の選手というのは、力がとてもあって経験も豊かな選手たちだということは知っていましたので、要は『大学でバスケットをやる意味』、何をしに大学に来たのかを1年かけて、選手とよくしゃべりながらチーム作りをしてきました。

 うちは毎日3時間くらいしか練習できないのですが、わざわざ体育館に来て、準備をする時間を含めれば、時間が取られるわけですよね。それを、わざわざするメリット、デメリットを考えたことあるのかとか。あるいは、大学に来てバスケットと勉学をやるわけですけど、今の大学生は楽しいことたくさんありますから、どっちもやるのはいいけれど、バスケットで大学に入っておいて、バスケットに対して全力でする価値というのは、あなたの中でどれだけ大切なものかということは、一人一人とすごく話をしてきたつもりです。

 1年で変われるとは思いませんでしたし、本当に徐々にでしたが、そこから選手が勉強もして、大学生活もちゃんと過ごして、そのうえでバスケットをする大事さだとか、人と接していくことだとか、そういうのをちゃんと考えてやっていくチームの雰囲気にしたかったんです。そこができれば、あとはいいかなくらいに考えていました。それを言い続けて1年で少しずつ変わっていってくれたと思います」

 

司令塔としてゲームをコントロールした藤生。シャンソン化粧品でプレイした経験を生かし、チームを支える

藤生喜代美(2年)
「優勝は本当に目標にはしてきたんですけれども、本当に実現できたことにみんなの力のすごさと、もうただただ、うれしいです。去年からの悔しさも私はすごくあったので、去年の4年生の分も含めて、勝てて本当にうれしいです」

光山慈能(4年)
「とにかく本当にうれしいです。なんか、うれしすぎて……。試合に出てない人たちや影で支えてくれているスタッフの方たちの分まで、結果として残せたことを本当にすごくうれしく思います」

渡辺寛子(4年) 
「私が入学した時は、インカレで優勝とかは目標にはしていたものの、ぜんぜん遠いという感じだったんですけど。だんだんチームのレベルも上がってきて、オーさん(萩原ヘッドコーチ)に見ていただけて、本当にみんなが勝つことにこだわってチームが一つになって、優勝という結果になったと思います。本当にうれしいです。

(大学でバスケをやる意味について)オーさんが「大学生は4年生のチーム」ということを最初に言ってくれました。大学ではその4年生がどういうふうにチームを作りたいか、どうなりたいかというのを重視してくれて、自分たちも最初のほうはすごく怒られたことも多かったんですけど、それに後輩がついてきてくれて、良いチームに変わっていけたと思います」

丹羽裕美(3年)
「とてもうれしいです。高校の時は出ているメンバーでつかんだ優勝という感じだったんですけど、大学ではスタッフさんとかも含め、みんなで………(涙ぐむ姿に先輩たちが「成長したなあ、と一言」)出てない選手とかも影で支えてくれたりとか、スタートの選手に対して、相手のアジャストを積極的にやってくれて…。それでつかんだ優勝だと思うので、本当にうれしいです。
 

■大阪人間科学大・長渡俊一監督
うちのディフェンスが相当悪かった。バスケットの原点のプレイにやられてしまった      

大阪人間科学大・長渡俊一監督

「今日のゲームでいちばんに注意していたことがリバウンドボール。それをオフェンス・リバウンド、ディフェンス・リバウンドともに、ほとんど獲られてしまって体勢が決してしまったかなという感じです。

 ゲーム大会を通してみると、栗原が最低状態で大会を通してしまったということと、それをPGの田中がよくカバーしていたんですけども、とうとう最後で切れてしまったかなという状態です。

 プレイ内容としては、私は高校(大阪薫英女学院)も見ているんですけど、大学生の決勝戦としてはレベルが低いプレイをしてしまったと思います。単なるボールを持ってからの1対1や、中学生でもやるようなハイロープレイにひっかかってしまいました。ハイポストのスペースに飛び込んできて、タップでローポストへ落とす。あれは中学生、高校生がやる基本プレイですから。あれに引っかかっているということは、うちのディフェンスが相当悪いように感じました。ポジション争いにしても、前を取られた時には片手感覚を上げて、ターンしてくるところへボディーチェックしろというのが基本なんですけど、そういった初歩の初歩の段階が大事なところでできていない。

 それと負けているんだから、もっとアーリー的に速攻めしなきゃいけないのが、ゆっくり1本なんて感じでやっているもんですから、タイムも早めに取っていかなきゃいけなかったです。私は日頃、タイムアウトを取るのは遅いほうなんですけど、これは早めにやっていかないと間に合わないと思いましたので、最後のタイムを早めに取ったら、そこはちょっと効いたんですけど、その次に対応された時に、もうタイムがなくて指示ができなかったということです。結局、うちのほうのゲームの入り方が悪くて、勝手に自滅してるかなという感じです。それに尽きると思います。そういうことを予測していなかったベンチの責任。基本プレイでやられてるということは、指導者の責任だと痛感しています。
  

敢闘賞、リバウンド&アシスト王に輝いた田中。チームの中心選手として牽引した

 相手は特別ものすごく難しいプレイをやっているように思わないんですよ。早稲田は層が厚いですから、出てくる選手、出てくる選手、それぞれ特長を持っていて力があるから、つきづらいという感じがしました。難しいフォーメーションやパターンでくるチームは止められるのですが、早稲田はフリーで攻めてくるじゃないですか。どうもうちは、ああいうタイプに弱いんですよね。ノビノビ自由にやるチームに弱い。逆にうちは1対1の能力の高い選手が少ないですから、どうしてもパターンフォーメーションになってしまって。バスケットの原点みたいなところでやられちゃったみたいな感じがします。

 ただうちが、イージーシュートをポロポロしていたのをちゃんと決められていたら、もうちょっとゲームになって追いついて、ひっくり返すことができたのではないかと思います。

 また、体調を崩した選手がいてベストメンバーで戦えないところもあって、控え選手を使わざるを得なくなっていたし、その選手たちが通用したりしたので、果たして、この大会のレベル的にはどうだったのかと。だから、うちのレギュラー陣が情けなかったです」