青山学院大・長谷川健志監督 東海大・陸川章監督
青山学院大 vs 東海大 監督&選手のコメント

文・写真/一柳英男  Text & Photo/Hidao Ichiyanagi

大会結果・ホックススコア・個人成績・メンバー表(全日本大学バスケットボール連盟)

日本バスケットボール協会 インカレ公式サイト
 

■青山学院大・長谷川健志 監督 
決勝はレベルの高いナイスゲーム。選手は判断力がつき、結果はプロセスから生まれていた

青山学院大・長谷川健志監督

「今日、大学でミーティングした時に4年生だけ集めて、『お前たちが1人1人の仕事をちゃんとしてほしい。それを信じるから、おまえらが主役だ』と言いました。ここにいる比江島とか、永吉とか、(張本)天傑とか、(畠山)俊樹もいますけど、試合に出る出ないに関係なく、今日は4年生が主役だよと。その主役が頑張らないと、脇役も生きないということを言いました。それで、4年生がコートでもベンチでも主役のようにやってくれましたし、相手に対して我慢することもしっかりできていました。

 こういう大事なゲームは、やっぱり強い気持ちがないとだめです。今日はプレッシャーもあったけど、やるだけのことをやってきてたのだから、今まででの中でいちばん元気に楽しくやろうと。どんな時でも積極的にやろうと。あとは、基本的にバスケットはボールを持ったら1対1をする競技。自分のマークマンに対する責任もある。そういう1対1の対処の関係をないがしろにしちゃうと、弱さが出てきちゃうので、そこは強く、オフェンスもディフェンスも1対1をやろうと言いました。

 彼らは試合を勝つことで、ゲームの勝負所をだんだん、だんだん覚えてきたと思います。今日なんかも、どこでどう攻めれば相手が嫌だっていうのをわかっていました。こっちが言う前に自分たちで少しわかってきているし、こっちが言ったらすぐ反応するようになってきている。ミーティングで確認したことと、相手が違うことをやっていてもゲームの中でアジャストできていた。ゲームは生き物で流れているので、その中でどういうことをしなきゃいけないかを、選手たちは判断できていた。選手が成長するには、いい判断ができて成功したということが自信にもなる。そういうことができるようになったというのは、僕にとってすごくうれしかったですね。

 だからこそ、ただ耐えたんじゃなく、ちゃんと耐える方法も知ってたし、耐えたら次に何があるかわかっていた。こういうことが起きたから、こういうことをしましたという、ちゃんとしたプロセスがあったんじゃないかなと思います。やっぱり結果はプロセスから生まれてくるものだと、今日つくづく思いました。

 もう一つ言うと、ちょっと運があったのかなと。正直、東海がノーマークのシュートになった時もありました。あれがポロポロッっと落ちたりしたのは、こっちにちょっと運があったんだなと。神様が少しだけ味方してくれた部分があったのかな。まあ、優勝するにはそういう部分もないと、優勝できないのかなとも思っています。

 とにかく、対戦相手が東海さんということもあって、こう長年インカレを見てきて、本当にナイスゲームだと思いました。スタッツを見るとそんな素晴らしくいいわけではないんですが、でもやっぱりボールに対する執着心とか、闘争心もあったし、レベルの高い内容だったと感じています」
 

勝負所で決めるたびに全員で盛り上がった。ベンチからも絶えず声が出ていた

畠山俊樹(2年)
「優勝できて本当にうれしいという気持ちしかないです。シーズン途中からスタートに選んでもらって、やっぱり僕はディフェンスでハッスルしてルーズボールとか、そういうスタッツに残らない部分を一生懸命やるプレイヤーなので、そこはこの決勝でもやろうと思ってました。そういう気持ちがあったから、チームのディフェンスも引き締まったと思うし、やっぱり東海のやりたいバスケットをやらせなかったのが良かったんじゃないかと思いました」

張本天傑(2年)
「優勝できてうれしいです。リーグ戦で東海と2試合やって、個人的には2戦とも自分がやりたいことができなくて、本当に悔いが残ってしまったんです。インカレの決勝で東海とやることができて、個人的にはリーグ戦の悔しさを晴らして、いい感じで終われることができたので、個人的には気持ちが良かったです。あとは、試合中も危ないところは何回もあったんですけど、そこはみんなで死ぬ気で練習したことを思い出して、最後は気持ちでやっていたような感じでした。4年生のためにも頑張ろうって気持ちがあったので、優勝できて良かったです」

永吉佑也(2年)
「素直に本当にうれしいです。やっぱり、リーグ戦で唯一泥をつけられた東海が相手だったので相当気合が入っていました。リーグ戦は1勝1敗で、むしろ今日が本当の戦いだと思って、決着をつける時だと思ってました。絶対に勝たないと、今年1年やってきたことがすべてが無になってしまうような気がしてたので、それだけ今日は勝ちにこだわって、頑張りました。個人的には相手もインサイドが相当強いので、リバウンドが自分の一番の仕事で、リバウンドを意識してやろうと思ってました」

 

見応え十分だったエース対決。青学・比江島vs東海・田中

比江島慎(3年)
「出だし相手のペースで行かれてたらまずかったんですけど、出足は自分たちのペースで試合を運んでいけたので、良かったと思います。2Q目はあっちのペースというか。まあそれは想定内というか、そこはそうなると思ってたので、あんまり慌てることなく対処できました。やっぱり前もそうだったんですけど、僕たちのほうが勝ちたいという気持ちが上回ったので、その結果がいい方向にいったと思います。(リーグ戦では)1勝1敗で、トーナメントでは満原さんがいなかったので、今日の勝負が大一番だったので、勝てて良かったです」

辻 直人(4年)
「やっぱり去年と違って、今年は大変でした。去年はイケイケどんどんみたいな感じで、気持ち的にも4年生のためという感じでやれて、すごいやりやすかったんですけど。やっぱり今年は自分がラストってことで、試合中もすごい不安になったのが正直なところなんです。それでチームに波があったりとかしたんですけど、下級生のみんなが自分の役割というか、自分の持てる力をすべて出してくれたのがプレイに出ていたと思います。それが一つ一つの場面で出ていたと思うし。そういう面では、すごい下級生に助けられました。チームのみんなもそうなんですけど、ベンチのみんなもすごい一体感となってできていたと思うので、今日の勝ちは自分の今までの人生の中でもすごいデカかかったと思います」

伊藤 駿(4年)
「今の率直な感想を言うと、すごくうれしいです。自分のバスケ人生の中で、こんなにうれしい試合は初めてだと思います。今いる仲間たちのすごく感謝したいです。今日の試合では我慢するところは我慢できました。相手のペースになりかけましたけど、そこはやっぱりみんなも理解していたと思うし、きつい練習をしている中でそういう我慢することを身につけていったので、今日の試合でもここは我慢をするところだというゲームの流れをみんなが理解してやっていて、それが今日のゲームの勝因だと思います。出ているメンバー以外でも、ベンチメンバーもみんなが一つになって試合に臨めたのが、自分としてもすごくうれしいです」
 

■東海大・陸川章 監督
タフなゲームは予想通り。泥臭く戦えたが、ファウルトラブルが少し誤算         

東海大・陸川章監督

 出だしで坂本がファウルトラブルになってしまって乗り切れなかったと思います。1年生のザックは頑張ってくれたと思いますが、プレイタイムがもう少しあったら、彼もいいプレイができたのかと思います。青学は張本選手も永吉選手もファウルがかさんでチャンスはチャンスだったんですけど、非常に残念でした。

 3Qでうちがリードできた時に、比江島君が1対1やポストアップをした時に田中がファウルトラブルでマッチアップできなくなったところを突かれたわけですけど、そこをチームとしてどう守るかなんですけど、キャプテンの三浦が途中からアジャストしてよく堪えてくれましたが、追い上げ時の比江島君をどう止めるかがキーだったと思います。

 お互いによく知り尽くしているし、こういうタフなゲームにはなるだろうと思っていました。キーとしては、どちらかがリードしてこういうゲームになるのはわかっていたんですけど、5点の攻防でタイムアウトを取って流れを切ったり、落ち着けばこういうゲームになると思って入りました。だから点差が開くことはないなと。うちはファウルトラブルが少し誤算なところはありましたが、ゲームプランとしては予想のもとになったと思います。

 ディフェンスでは辻選手にフェイスガードで狩野がマッチアップしました。比江島選手に対してはヘルプに早く行こうということでやっていました。あとは青学はリバウンドに跳びこんでくるので、当たり前のことですが、青学のインサイドにリバウンドを取らせないかを起点にしました。ゾーンプレスからマンツーマンを仕掛けようと一回やったんですけど、相手はそれを使ってトランジションで来るわけではないので、しっかり守って、タフシュートを打たせることでリバウンドを取ろうとしました。

 リードをされてもチーム一丸、仲間を信じて粘って食らいつく。その泥臭さがうちの良さだから、前半はリードをされても自分たちを信じて粘りなさいと言って追い上げて。逆にリードをしたばかりに、泥臭さが抜けてしまったかもしれません。けれど、うちは派手にやるわけではなく、昨日(拓殖大戦)、おととい(日大戦)はたまたま(大量得点)なんですけど、ディフェンスチームなので。そこが、まあもう少しでしたね。でも、応援席にいたBチームも含め一緒に勝利を目指してくれたことに感謝しています。

4年生を中心に、最後まで一丸となって戦った東海大

三浦洋平(4年)
「今は何の実感もなく、言葉がでないですね……。(試合前のミーティングでは)この日のためにやってきたのだから、みんなが持っているものを全部出して、悔いが残らないようにという話をしました」

森田洋介(4年)
「青学はリーグ戦の時に比べて、攻め方が変わっていて、つきづらかった。辻だったりとか、みんなよく動いていたと思います。リーグ戦の時はヘルプとか行けたんですけど、今回はそういうのもあんまりできなかった。3Qに一気に逆転された時に、もうちょっと自分たちが我慢してついていけたら、もうちょっと点差は縮まったかなと思います」

坂本 健(4年)
「悔しいです。ファウルについてはもう少し我慢しなきゃいけないと思いました。ベンチに戻っても気持ちだけは切らさないようにしていました」

田中大貴(2年)
「絶対に優勝をするつもりでいたので、今は悔しいとしか言えないです。自分のファウルが混んでしまって、自分でも疑問に思う笛もあったんですけど、吹かれたものは吹かれたものなので……。ベンチに帰っても気持ちを切らさないようにしていました」

満原優樹(4年)
「絶対、優勝するつもりで試合に臨んだので、悔しい……しか言いようがないです。
この4年間は、けっこうケガとかしましたし、ユニバーシアードとか、日本代表とかでチームを離れることでチームに迷惑をかけてまで、自分を成長させてくれたというのは、すごく感謝しています。やっぱり4年間の間に自分の中でも優勝しなきゃというのは感じていたし、周りからも言われていたのがありました。自分がいない時では(インカレ優勝は)難しいと思っていたので、絶対に優勝したいという気持ちは強かったんですけど。目標が達成できなかったのは悔しいです」