4月17日から5戦3先勝方式
JX-ENEOS対デンソー。ファイナルの見どころとカギを探る

取材・文/舟山緑   取材・写真/小永吉陽子

ファイナルを前に抱負を語った両チーム。左からJX-ENEOS渡嘉敷、新原キャプテン、佐藤ヘッドコーチ。デンソー小嶋ヘッドコーチ、藤原キャプテン、髙田

女王JX-ENEOSに対するのは、初の大舞台に挑むデンソー、
ファイナルの見どころ、勝負のカギを探る

Wリーグのファイナルは、本日、4月17日、秋田での第1戦からスタートする。
この大舞台で戦うのは、JX-ENEOS対デンソーというフレッシュなカードとなった。
レギュラーシーズン首位のJX-ENEOSは順当といえるが、対するデンソーは
ファイナルの常連だったトヨタ自動車を2勝1敗で下して、初のファイナル進出だった。
デンソーにとっては創部52年目の快挙となった。
ここではファイナルの見どころ、カギとなるところを探ってみたい。
 
 
◆次ページには、「両エースが語る」と題して、JX-ENEOS・渡嘉敷来夢とデンソー・髙田真希の
「ファイナルに懸ける」ミニインタビューを紹介

 
 

■6連覇をねらうJX-ENEOS

渡嘉敷、間宮というインサイドの強みを生かして
リバウンドからの速い展開に持ち込めるか

皇后杯に続いて今季、2つのタイトル奪取をねらうJX-ENEOS。勝てばリーグ6連覇となる。#12渡嘉敷来夢(192㎝)、#21間宮佑圭(184㎝)のインサイドの強さは、リーグナンバーワン。この2人の高さと上手さは強力な武器になっている。間宮は、ローポストだけでなく、ミドルレンジからの得点力も高い。一方の渡嘉敷は、ローポスト、ミドルショット、ドライブと今季は多彩なプレーで得点力を増している。セミファイナル第2戦では、長身とスピードを生かして鮮やかにブレークを決めたシーンがあった。

インサイドを存分に生かすためにも外角に当たりがほしいJX-ENEOS(以下試合写真/一柳英男)

このインサイドの2人をどれだけ生かせるかが、JX-ENEOSのカギになる。対戦相手はガードやウイングにプレッシャーをかけてこの2人へのパスを苦しめてきた。当然、ディフェンスの堅いデンソーも、厳しいプレッシャーをかけてくるだろう。インサイドにどれだけいいパスを入れることができるかだ。

吉田亜沙美が左ヒザのケガで戦列を離れた現在、1番を担っているのがベテランの#9新原茜であり、シューターの#9岡本彩也花だ。ガード陣がプレッシャーに負けずにインサイドにパスを供給し、さらにリバウンドからの速い展開に持ち込めば、JXペースになるだろう。

インサイドを生かすためには、外角からの得点も増やしていきたいところだ。ウイングの#23大沼美琴、#11岡本らに当たりがほしい。またシーズン途中から3番に定着した#52宮澤夕貴の存在も侮れない。コツコツとミドルシュートを決め、リバウンドを拾う宮澤の存在は大きい。佐藤ヘッドコーチも「これまでインサイドに頼りすぎていた。アウトサイドの得点を増やしていきたい」と話す。さらに「今季はターンオーバーが多い。セミファイナルでも18本と多かった。そこも修正していきたい」と語った。

<新原茜キャプテン>

「40分間走り切って、自分たちのバスケットをしていきたい」

ゲームメイクのポイントを握るキャプテン新原

「オフェンス面では1番から5番まで走れる選手がそろっているので、40分を通して走り切り、自分たちのバスケットができれば、結果はおのずとついてくると思います。ディフェンス面では髙田(真希)選手や藤原(有沙)選手のところを警戒しています。また、ほかにもシューターがそろっているので、その外角をいかに守るかがポイントになってきます。

シーズン途中で吉田(亜沙美)がケガをして不安がなかったかと言えばウソになりますが、今はいるメンバーで戦っていくという気持ちが強いです。私自身、『吉田がいなかったから勝てなかった』と言われたくないですし、『吉田がいなくても勝つ』という気持ちが強くなってきました。このファイナルは私自身にとっても自分との戦いになります。最後は笑って終わることができるように、出だしから強い気持ちでプレーしたいと思います」
 
 

■創部52年目の快挙。初優勝をめざすデンソー

失点の低さはリーグ一。厳しいディフェンスで勝負を挑む
髙田のポストプレーに3ポイントが当たるとデンソーのペースに

デンソーがセミファイナルでトヨタ自動車を撃破したのは、堅いディフェンスだった。第2戦では我慢のバスケットから競り勝った。第3戦はさらに厳しいプレッシャーをかけてトヨタに得意なシステムバスケットをさせなかった。失点の低さは、レギュラーシーズンでも1位。それがセミファイナルの勝利にも結びついた。JX-ENEOSとの3戦もロースコアの展開に持ち込み、12月の一戦は勝利している。得意とする厳しい守りで、いかにJXのリズムを狂わすことができるかだ。

自分たちのバスケットができるかどうか、ディフェンスが要となるデンソー

一方、オフェンスの強みは、絶対的なセンター#8髙田真希のポストプレーに、#14大庭久美子、#10藤原有紗らの3ポイントがからんでくるバスケットだ。さらにリーグ終盤からルーキーの#13伊集南がいい働きを見せている。これらシューターのアウトサイドが当たってくると、JX-ENEOSにとっても手強くなってくるはずだ。

ゴール下の守護神・髙田は今季、得点、リバウンド、野投成功率の3部門で首位という堂々の数字をマークした。渡嘉敷、間宮のツインタワー相手に1対1での勝負は厳しくなるが、そこをチームプレーからチャンスをつくっていかに得点につなげていくかにかかっている。

小嶋裕二三ヘッドコーチは「勝機を見いだすには、ロースコアの展開に持ち込むしかない。ディフェンスをがんばり、ディフェンス・リバウンドをきっちり獲ってオフェンスにつなげていくことを徹底したい」と語る。さらにオフェンス面では「セミファイナルを通して中堅の#41伊藤(恭子)、#9牛田(悠理)がだいぶ自信をつけたので、ファイナルの場でもいい働きをしてほしい」と期待を込める。

初めてファイナルの舞台に立つデンソーには、若いチームの勢いがある。セミファイナルを粘り強く戦って勝ちきったことで、チームは一皮むけた印象がある。その自信と勢いを、ぜひJX-ENEOSにぶつけてほしいところだ。

<藤原有紗キャプテン>

「カギはディフェンス・リバウンド。全員で戦うことを忘れずに挑みたい」

3ポイントが期待されるキャプテン藤原

「セミファイナルでは第1戦で準備してきたことが出し切れず悔しい思いをしました。ファイナルではそういうことがないようしっかり臨みたいと思います。オフェンス面は簡単にはインサイドでプレーをさせてもらえないと思いますが、それでもプレーすべきところはしなければなりません。アウトサイドとバランスよく攻撃していけたらと思います。ディフェンス面は、セカンドチャンスに決められるとダメージが大きいので、ディフェンス・リバウンドをいかに獲れるかが大事になります。

セミファイナルを通して全員で戦うこと、一人ひとりが自分の役割を全うできたので、そこは少し自信がつきましたし、整理ができたかと思います。個人的にはセミファイナルの反省をいかし、ファイナルでは3ポイントを決めるという自分の仕事を果たしていきたいと思います」

 
 
◆次ページには、「両エースが語る」と題して、桜花高校の先輩・後輩の間柄であり、ともにWリーグを代表するエースに成長したJX-ENEOS・渡嘉敷来夢と
デンソー・髙田真希の「ファイナルに懸ける」ミニインタビューを紹介

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