永山誠からのラストメッセージ
「パナソニックからの継承」を胸に臨んだ和歌山での1年間

インタビュー・文・写真/小永吉陽子  写真/一柳英男

永山 誠  現役引退に寄せてインタビュー
(NAGAYAMA, Makoto/184㎝/SG/36歳/和歌山トライアンズ#6)

「和歌山での1年間は、パナソニックの成績を
引き継いでいかなければ、という思いだった」

ファイナル第3戦、残り3.8秒、思いを込めて放ったラストシュートはネットを揺らした

 今シーズン限りでの現役引退を表明していた永山誠。美しいフォームから放たれるアウトサイドシュートを武器に、洛南高、日本大と学生時代から名を馳せ、松下電器時代を含むパナソニックで13年、和歌山で1年、計14年間にわたってJBL時代から活躍してきた。

 選手生活の終盤は前十字と半月板を痛めた左膝のケガと向き合う日々だった。2012年のオフには左膝の手術に踏み切り、残りの選手生命にかけてきた。レギュラーシーズン最終節の4月26日、アイシンに連勝すればウエスタン・カンファレンス優勝となる大事な連戦の初戦では、勝負を決定づける値千金の3ポイントを決めて勝利に貢献している。

 自身初となったリーグのファイナルは東芝の前に3連敗という結果に終わり、「何も貢献できなくて申し訳ない」と何度も口にしたが、14年間の現役生活については「やりきった」と語る。現役生活のラストを飾ったのは「マコさんがこだわっていた形で締めくくらせてあげたかった」という川村卓也からパスを受けての3ポイントシュート。永山誠のラストショットでファイナルは終演を迎えた。

 36歳。企業チームもプロチームも休部もケガの試練も経験した寡黙な“ミスター・トライアンズ”は、ファイナルの舞台となった代々木第二体育館を去る前に、後輩たちにラストメッセージを残した。
 
 

和歌山で迎えた現役14年目のラストシーズン

「みんなが勝ちたいという目標に向かっていたので、
キャプテンとして僕がやることが何もなかったくらい、いいチームになった」

――ファイナル3試合を戦った感想を聞かせてください。

この結果は悔しいです。マイケル(・パーカー)のケガから始まって、リック(・リカート)のケガが続いて不運な部分もあったんですけれど…。ただ、ウエスタン・カンファレンスでアイシンを下して優勝できたのはすごく誇れるものだと思っています。今日(ファイナル3戦目)は点数的に最初から開いてしまったけれど、最後まであきらめず和歌山らしく全力で取り組めたので、僕自身は満足して引退させてもらいます。

キャプテンとして、チームメイトからの信頼も厚い

――最後の3ポイントは川村選手からのパスでしたが、どんな気持ちでシュートを打ったんですか?

最後のシュートだと思って、気持ちを込めて打ちました。引退を発表してからというものチームのみんなが「マコさんのために」と言ってくれ、このファイナルでも木下や川村が「マコさんにパスをしたい」とうれしいことを言ってくれました。本当は若手にこのファイナルを経験させてあげられればよかったんですけど、最後に僕をあのような形で起用してくれたジェリコ(ヘッドコーチ)に御礼が言いたいです。

――ラストシーズンとなった今季のパフォーマンスは満足できるものでしたか?

シーズン前は膝の調子が悪かったので、プレーができるかわからない状態でした。和歌山に入ってからトレーニングを変えたりして膝の状態がよくなって練習ができるようになり、最後は痛みがなくなってプレーできるようになったので楽しかったですね。でも、もっとチームに貢献したかったという思いはありました。そこは申し訳なかったです。

――これで現役生活を終えたわけですが、率直な今の気持ちを聞かせてください。

やりきりました。ただ、チームには貢献できなかったです。そこはみんなには悪かったけど、和歌山はいいチームになったと思います。

――キャプテンから見て、どういうところがいいチームになったと思いますか?

このチームはみんなが同じ方向を向いていて、道から外れる選手がいなかったんです。キャプテンはそういう選手がいたら戻すのが役割だけど、そういうことが本当になかったんですよ。これまで学生時代から何度かキャプテンをやらせてもらいましたが、このチームは木下も青野も川村も引っ張ってくれたし、ジェリコ(ヘッドコーチ)もコミュニケーションを取ってくれました。僕は何もすることがなかったくらい、みんなが勝ちたいという目標に向かってまとまっていたので、ここまで来れました。
 
 
 

1 / 212