韓国の未来――注目の6選手を紹介
黄金期を迎えた韓国大学界のライバルたち

文・写真/小永吉陽子、細田季里

“黄金期”を迎えた韓国大学界のライバルたち

ここ数年、韓国大学界は“黄金期”を迎えている。
これ以前に黄金世代と呼ばれたのが、昨年の2013年KBLドラフト組(現在22~23歳)と)
2007~2008年KBLドラフト組(1984~85年生まれ、現在30~28歳)。
ここ数年の傾向としては大型選手が増加している。
今年の李相佰盃で出場した中から、今後の活躍が期待される注目の6選手を紹介。
日本の前に立ちはだかるであろう覚えておきたい選手ばかりだ。
 
 

国家代表入り目前!? 大学界の王者・高麗大を率いる大黒柱!

文・写真/細田季里  通訳・翻訳/笹本明子、北内大威斗
 
 
イ・スンヒョン LEE , Seoung Hyun
(197㎝/PF/高麗大4年)

誠実さとパワフルさが売り。今年のKBLドラフトの目玉!

高麗大の柱。今年度の大学リーグ戦では全勝優勝を遂げてMVPを受賞

今シーズンの韓国大学バスケにおいて圧倒的な力を誇る高麗大。そのキャプテンを務めるのがイ・スンヒョンだ。彼の身長は”197cm”。長身選手が増えつつある韓国大学生の中でそう大きくはない身長である。だが、リーグ戦リバウンド王を2度獲得(大学1年と3年)するなどの結果を残し、それ以外にもサウスポーで広いシュートレンジ、そしてその正確性を武器に持つ選手だ。

横幅のある体型を生かしたポストプレーだけでなく、器用にそして正確にミドルシュートを決めていく姿に「韓国のバスケ文化が変わってきました。前までは、インサイドはゴール下でプレーしていればよかった。けれど、今はパワーフォワードもセンターもミドルシュートが入らなければ活躍できない。それは自分にとって当たり前のことだと思っていて、いい選手になるために必要なことだと思っている」

“当たり前のこと”と口にしたが、それもすべてはプロ選手となり、その先での活躍を見据えているからだ。それは今に始まったことではない。

「自分は身長があまり高くないのでプロのバスケットボール選手として将来活躍していくためにはシュート力が必要だ、という教えがありました。そこで高校生の時、毎日500本入るまでシュート練習をしていました」

高校生の時からプロでの活躍を意識した練習に取り組んでいたのだ。この積み重ねが実を結び、イ・スンヒョンは今年10月に行われるKBL新人ドラフトでは1位指名の最有力候補と言われている。

そんな彼も韓国代表への道は遠く、大学3年時にワールドカップにつながるアジア選手権の候補16名に残るも、最終の12名には残れず。国家代表のユ・ジェハク監督から与えられた宿題、「アウトサイドシュート」をこの1年間取り組み、今回の李相伯盃の2戦目には3Pを6本中4本沈めている。

その結果、イ・スンヒョンは今、ワールドカップとアジア競技大会に参加する代表候補24名入りを果たし、そこから15名に絞られたメンバーの一人として5月19日、そう「李相佰盃」が行われた次の日から鎮川選手村(韓国のナショナルトレーニングセンター)への入村を果たした。

だが、まだ最終メンバーに残ったわけではない。イ・スンヒョンにとって国家代表とは? という質問に「まだ越えられない壁だと思うので、それを超えるために頑張りたい」と答えた。努力をし続けたイ・ンスンヒョンが今回その壁を越えられるのか。この挑戦し続ける大学生が将来の日本にとって大きな壁になるのは間違いないだろう。
 
 
 
ムン・ソンゴン MOON , Seong Gon
(195㎝/SF/高麗大3年)

次世代の韓国を担う195㎝のシューター

高麗大のシューター。大学リーグ戦ではスティール王を受賞

「国家代表とは?」という問いに「自負心(プライド)です」と即答したのがムン・ソンゴンだ。

「それ以外の何者でもないと思います。太極マーク(韓国旗)が付いているものは、とにかく、全部自負心です。(代表ユニフォームの国旗を指して)このマークがついているユニフォームを着てる時は、冗談を言ったりふざけたり出来ないんです」とすごく真剣な表情で答えた学生に日本ではあまり感じられない強い気持ちを感じた。

ムン・ソンゴンは195cmという身長ながら、ディフェンスに定評があり、今シーズンは大学界のスティール賞を受賞。アウトサイドシュート、ドライブ、速攻と多彩な攻撃を持ち合わせる選手。李相佰盃でも日本が追い上げムードの中、ノーマークの3ポイントを確実に決め、その流れを簡単に切る場面が何度も見られた。

日本の印象については「日本は、最初に代表に入ったU-18の時からやってますが、ダーティーなバスケじゃなくて、きれいにまとまったバスケがうまくて、大変です。やはり僕達韓国チームは泥臭いバスケをやってるので。日本の選手は、きれいにまとめてくるし、個人技量のレベルが高くて、スピードがありますね。そういうところはやりにくい」と語った。

だが、それでも韓国が上回ったことについては「韓国のほうがフィジカルが上。背が高いこともあるし。そして、僕達のほうが日本より少し正確なバスケをしていると思います。(正確なバスケをするために練習で気を付けることは)何か特別に違うことをするのではなくて、パスひとつ、ドリブルひとつ、シュートひとつ。ひとつひとつを正確に決めるようにすることです。それが集中力だし、実力です」と言い切り、バスケに求める精度、その意識の違いを感じさせる。

昨年は大型化を図るチーム構想に基づいて、アジア選手権直前に急遽、代表に招集されて選出。アジア選手権では出番はあまりなかったが、ワールドカップの切符をつかむ貴重な経験を積んだ。今年度も代表候補24名入りを果たしたが、15名に絞られたメンバー名簿にその名はなかった。

だが、諦めてはいない。

「去年、代表入りしたけれども活躍できなかったので、今年はもっとやりたいっていう欲もあった。去年も1次招集に入ったあと2次招集で落ち、最終的にまた呼んでもらえたので、今回も期待している部分と無心でいる部分が半々ですね」という言葉の裏に虎視眈々とワールドカップなどの国際大会への出場をつかもうとする気持ちを感じる。

若手世代の韓国にはこういった選手がまだまだ控えていることを、ぜひ覚えておいてほしい。
 
 

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