12名の代表選手インタビュー
日本学生選抜が李相佰盃で学んだこと

インタビュー・文・写真/細田季里、小永吉陽子

日本学生選抜選手12名と池内ヘッドコーチ以下、コーチングスタッフ

日本学生選抜が李相佰盃で学んだこと

トランジションゲームに持ち込んだが、3連敗に終わった今大会。
韓国は2メートル級の選手がどこからでも攻め込み、日本では経験できない試合ができた。
だが、ここで感じたことを日本に持ち帰らなければ意味がない。
日本学生選抜に、李相佰盃での手応えや学んだこと、韓国の印象、今後の目標を聞いた。

ページ【1】 安藤誓哉(Q&Aインタビュー)
ページ【2】 野本建吾(Q&Aインタビュー)
ページ【3】 藤永佳昭、晴山ケビン、中東泰斗
ページ【4】 坂東 拓、笹山貴哉、原 修太、ベンドラメ礼生
ページ【5】 橋本晃佑、鵤 誠司、赤石遼介
 
 

4 安藤誓哉  ANDO , Seiya(180㎝/G/明治大4年/明成高)

「東京オリンピックの予選では絶対に勝ってやると思いました
そのオリンピック予選までのことを考えたら、今回3試合出来てよかった」

インタビュー・文/細田季里   インタビュー・写真/小永吉陽子

李相佰盃ではPGではなく、SGのポジションで出場

――合宿中に「やっと(日本代表のユニフォームを)着られるんだな」と言ってましたが、安藤選手にとって日本代表という存在は?

日本代表として海外のチームとやるということに関しては、バスケットをやっている人から見たらすごく光栄なことだと思うし、どこかで応援してくれている人たちはいると思うので、そういう人たちの思いは背負ってやりたいと思っています。それはもうコートで見せるしかなくて、気持ちが燃えてくる部分があります。それに勝ちにもこだわりたいです。

――2戦目(105-116)に勝ちきれなかったことについては。

最後に韓国の強さの部分が出た、というか、韓国のほうが強かったという部分が。それはフィジカルだったりとか、最後高さを活かしてリング下で片づけられた、という印象です。ただプレスをずっとやってきたので練習してきたことを出せたのはよかったです。ただ、「勝ちきる」ということは大事なんで…。やっぱり勝たないと。

――韓国代表の印象は?

韓国チームの印象は「2メートル級の選手たちがバンバン動く」という印象で、ただパッシングバスケからインサイドバスケになったと思います。その違いに驚きはしなかったですが、インサイドには「あれ?」となりました。やっぱり、面の取り方とかはすごくうまい。センター陣は相当うまい。あんなにきれいなハイ&ローは見たことなかったです。

同じアジア人だし、やれないことはない。ただ、韓国の方が先に行っていると思います。世界に。それはベンチから見ていても思いました。

――韓国のどういうところが先に行ってると思うのでしょうか。

ゾーンの攻め方も、外から見ている人だとすごくきれいにパスが回っているように見えていると思うんですよ、ぽーん、ぽーんって。でも、中でやっている俺らはそんな風に感じないで、(韓国側は)しっかりぶつかるところはぶつかって。結果、外から見ている人たちは「あぁ、きれい」「スムーズ」とか思ってるはずです。

――大会後に「このまま日本でやっているだけでは韓国とは埋まらない差をハッキリ感じた」というコメントを残していますが、その差というのは?

韓国とは圧倒的にプロを目指している学生の人数が違うと思います。そこに意識の違いがあって、単純に同じ実力だったら、韓国の環境のほうがうまくなると思いました。

――「プロを目指している」というのは、韓国の選手に聞いたのですか?

高麗大の選手たちと食事する機会があって、ほぼ全員がプロを目指していると言ってました。

李相佰盃では日本のキャプテンを務めた安藤

――日本だとそうではないのですか?

はい。(プロを目指しているのは)1割いるか、いないかだと思います。

――また、「韓国は余裕を持ってやっている」という感想と、「2mの選手がアウトサイドに出てプレーするのは意志を持ってやっているように見える」と言っていましたが、具体的に聞かせてください。

楽しそうにやっていたなと思います。それは別にチャラチャラしているというわけではなくて。イキイキと。

(2mの選手たちについては)10番のイ・スンヒョン(高麗大4年)とかは外から徹底的にやっていましたが、ああいうのはU18の時に戦った時には見れなかったので。たぶん、自分で「こうなりたい」というのを明確に持っているんじゃないかなと思いました。日本のセンターにそういう意識があるのかなといえば、ないと思うので。

――日本の中では、そういう高い意識を持ちながらプレーすることが、あまりないということですか?

そういうのはあまり思ってプレーしてないように思います。(日本の)外に出てプレーしてみないと、そういうのはわからないと思います。どんなに周りから言われたとしても、日本の中だと明確なビジョンが沸かないと思うので。かといって、NBAを見たとしても「NBAはすごい!」ってなっちゃうし。やっぱり、隣の国で同じアジア人で、2メートルでもバンバンと外からシュートを打ってしまう選手がいるんだよ、ということに気づかないと。

――今回、トランジションバスケを挑戦した成果については?

よかったと思います。平面的にやるとなったら、あのバスケはいいと思います。ただ、あの戦い方を勘違いしちゃうと狂っちゃうこともあると思うので。

――勘違いとは?

平面的にやるのも必要だけど、それだけでもダメだと思います。まだ戦略的には自分では浅いので具体的なことは言えませんが、たとえば、アジア選手権で日本代表がやるなら、最後の勝負所で確実に点の取れるバスケットをしないといけないと思います。

――トランジションだけではなく、もっとバスケットを練らないといけないということですか。

今回みたいなトランジションの時間帯があってもいいと思うし、もっとそれぞれが技術を身に付ければ、あのバスケも生きるんじゃないかと思います。ただ、最後の勝負所でシュートを決めることはしっかりとした技術がないと。やっぱり、まやかしじゃダメだと思います。そういったことが韓国のほうが上でした。

今回はすごく勉強になりました。向こうのガードも知ることができたし、韓国の大学は黄金時代ですよね。試合をしてみてレベルがわかったというか、自分のレベルと韓国のレベルがわかりました。ただ、いずれ東京オリンピックの予選になったら「絶対に勝ってやる」と思いました。そのオリンピック予選までのことを考えたら、今回3試合出来てよかったです。

――そこまでに追いついていないといけないですね。

はい。その前にまず代表に入るために頑張らないといけない。一人で頑張っても試合では勝てないですが、まず、自分自身がやることをやれるように頑張りたいです。
 
 
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