中国・武漢で7月11日~19日まで開催
アジアカップ開幕!アジアのライバルたちの傾向と大会展望

文・写真/小永吉陽子

ワールドカップを目指すチームから若手育成まで
今年初、アジアの戦いの火蓋が切って落とされる!

文/小永吉陽子

7月11日、中国・武漢にて第5回アジアカップが開幕する。

【アジアカップ】とはどんな位置づけの大会だろうか。覚えているファンも多いだろう。2年前に東京の大田区で開催し、日本が準優勝を収めた大会だ。

この大会は男子限定の大会で、オリンピックやワールドカップに続く一歩目の大会となる。2年に一度、アジアの王者を決める【アジア選手権】が開催されるが、そのアジア選手権に出場する枠を追加する大会なのである。大会の優勝国にはアジア選手権の出場枠が与えられ、優勝国を除く上位4チームが属するサブゾーンには出場枠が追加される。日本は東アジアサブゾーンに所属。簡単にいえば、上位5位に東アジアの国が入れば、元々、東アジアが持っているアジア選手権の出場2枠に加え、5位に入った分だけ枠が増えるということだ。

東アジアは中国、韓国、チャイニーズ・タイペイと日本の4ヶ国が争うために、少なくとも4枠は欲しいところ。となると、今大会で2枠増やすには、東アジアの国が5位までに2チーム入らなければならない。もちろん、優勝してストレートにアジア選手権の出場権を獲得するのがいちばん望ましい。

今大会で獲得したサブゾーン枠は、来年の【東アジア選手権】でアジア選手権の出場権を争うことになる。昨年は香港にまで競った日本。確実にアジア選手権に出るためには東アジア枠は5枠欲しいところで、日本がこの大会にA代表を派遣して力を入れる理由はこんなところにある。

日本はアジア選手権に直結するこの大会を重要視しているが、各国、参加方針はまちまちだ。

イランとフィリピンはヘッドコーチもA代表の指揮官が務め、9月のワールドカップの調整を兼ねたメンバーと若手強化が目的。中国は毎年B代表といえる若手が出場しているが、今大会は世代交代時期に差し掛かったため、今までよりもさらに若い選手をぶつけてきた。ヨルダンは以前にイランを優勝させ、フィリピンを2011年にベスト4まで引き上げて現在のフィリピンの土台を作ったライコ・トローマンが今年度よりヘッドコーチを務めている。まだ戦力は整っていないが、アジアではお馴染みの帰化選手、ラシーム・ライトを復活させて来年を狙っている。チャイニーズ・タイペイは昨年帰化したクインシー・デイビスをキャプテンにして、今後を担う若手が多く出場している。これはA代表の世代交代が迫ってきているためだ。

そして独自の強化を貫き、アジアカップを重要視していない韓国は、ワールドカップに向けた遠征のために7月13日~20日の日程でニュージーランド遠征に出向く。韓国は「東アジア選手権で出場権を獲得すればいい」という協会関係者の声も聞こえてくる。その背景には、代表ヘッドコーチが専任ではないことも一因と言われているが、今年はワールドカップと自国開催のアジア競技大会に力を注いでいるため、主力を3つの国際大会に送り出すのは体力的に厳しく、もしくはアジアカップのためにもう一つ出場チームを結成するのは専任コーチがいない以上、難しいという判断もあるようだ。

このように参加する意義は各国のお国事情によって違うが、当然、出場枠をかけて試合はヒートアップする。強化、育成、経験――今や、激戦化を迎えているアジアでは様々な目的の中でライバルに揉まれながら実戦でチーム作りしようとする指揮官が増えている。またイランやヨルダンのヘッドコーチは東欧出身であり、いつでもアジアを研究している熱心さもある。
 
 

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