JXサンフラワーズが貫禄の4連覇
JXが見せた図抜けた集中力と気迫、勝負強さ

文/舟山 緑  写真/高野 洋、一柳英男

 オールジャパン女子決勝は、JXサンフラワーズとデンソーアイリスというフレッシュな対決となった。 
 デンソーは、準決勝でトヨタ自動車を見事に振り切っての初の大舞台。高さと選手層の厚さを誇るJXに、勢いに乗るデンソーがどう挑むのかが期待されたが、ファイナルを知り尽くしているJXが今季一番のバスケットを見せてデンソーを圧倒。危なげない勝ちっぷりで4年連続17回目の優勝を飾った。
 改めて4強の今大会を振り返ってみたい。

 

ファイナル──JXが、出だしから攻守でデンソーを圧倒、勝負を決める                 

勝負所を掌握していたJXのリーダー大神

 勝負の行方は、開始2分で決まったとも言えた。

 JXの司令塔#1大神雄子のミドルショットが3本連続で決まって6-0。鮮やかな先制攻撃だった。デンソーも攻撃の起点、#8髙田真希にボールを入れるが、JXは#15諏訪裕美、#12吉田亜沙美によるダブルチームでボールを奪う。諏訪のフックショットが決まって8-0。ワンサイドの展開で、女子ファイナルは幕を開けた。

 デンソーがたまらずタイムアウトで立て直しを図る。髙田がミドルショットで反撃するが、JXの勢いは止まらなかった。#2木林稚栄に代わってコートに入った#10渡嘉敷来夢がすぐにリバウンドショットをねじ込み、吉田との合わせからゴール下ショットを決め、さらに大神のスティールからの速攻、ミドルショットが決まって、完全にJXペースだった。

 デンソーも#10藤原有沙の3ポイントがようやくネットを揺らしたが、JXの厳しいディフェンスの前に、シュートを決めきれない。小嶋裕二三コーチは早くも2度目のタイムアウトで「カッティングとスクリーンでズレを作れ」と指示。#14大庭久美子の3ポイントでリズムをつかもうとするが、すかさずJX#8田中利佳が速攻に走ってバスケットカウントワンスロー。デンソーに流れを渡さなかった。さらにたたみかけるように大神のミドルが連続して炸裂して27-12。ファイナルを知り尽くしているJXが、見事なまでに試合の主導権をがっちりと握っていた。

 この第1Qだけで大神は14得点。キレのいいシュートタッチで攻め続け、7/9本という高確率を叩き出した。「出だしで大神がほとんどシュートで決めてくれたので、オフェンスが落ち着き、それがディフェンスにもつながった」と語る内海知秀ヘッドコーチ。その言葉通り、大神の気迫がそのまま若手メンバーにも伝わっていた。

 JXのスタートは#1大神、#12吉田、#15諏訪に加えて、#2木林、#11本田雅衣という布陣。木林と本田の2人はリーグ途中からスタートに抜擢され、いい働きを見せていたが、ファイナルでのスタートはこれが初めて。この大舞台でいまだ経験したことのない大きなプレッシャーと戦う若手を、司令塔・大神が持ち前のアグレッシブさでグイグイと引っ張っていた。
 

JXの高さ、スピード、選手層の前リズムをつかむことができず。初決勝進出の洗礼を浴びたデンソー

 キレのいい破壊力を見せたのはオフェンスだけではない。守りにおいてもJXは見事なディフェンスでデンソーを封じ込んでいた。デンソーのエース髙田は2Q2分過ぎにミドルショットを決めて小さなガッツポーズを見せたが、このあとほとんど得意のポストプレイをさせてもらえなかった。JXが髙田をうまく守ってパスを入れさせず、シュートタイミングをも狂わせていた。デンソーのシューター陣、#10藤原、#14大庭の3ポイントに対してもプレッシャーをかけ続ける。2Qが終わって44-22のダブルスコア。さらにワンサイドの展開となった。

 JXの気迫と集中力は、第3Qも緩むことがなかった。#10渡嘉敷をスタートに入れ、高さを生かして確実に加点。ベテラン#8田中の速攻、本田の3ポイントでデンソーを突き放していく。デンソー小嶋ヘッドコーチは何度となく「積極的に1対1を仕掛けろ」と指示したが、パスミスやトラベリングなどでリズムに乗りきれない。シュートチャンスは増えていたが、決めきれない場面が多く、第3Qは6得点とさらに失速してしまった。

 後半、デンソーは#5大沼美咲が果敢な攻めを見せたが、JXは#21間宮佑圭がゴール下や速攻で加点、デンソーを寄せつけなかった。最後はベンチメンバーをコートに送り出す余裕を見せて78-52で圧勝。JXが4年連続17回目の覇者となり「皇后杯」を手中にした。

 大神、田中というベテランが気迫の攻めできっちりと仕事をし、若手メンバーも浮き足立つことなく攻守で役割を果たした一戦だった。
 

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