渡嘉敷来夢/髙田真希/栗原三佳
女子世界選手権に挑む3人のキーマンの「決意」

取材・文/舟山緑  写真/日本バスケットボール協会、一柳英男

FIBA女子世界選手権<2>「世界に挑む決意」 

いよいよ開幕する女子世界選手権。初めて「世界」に挑む渡嘉敷来夢。3番にコンバートされて意欲的なプレーを見せる髙田真希。また必殺の3ポイントに期待がかかる栗原三佳。女子代表のキーマン3人に、大会直前にインタビュー。「世界に挑む決意」を聞いた。
 
 
■日本代表#10 渡嘉敷来夢(JX-ENEOS#10/192㎝/PF)         

「攻めて、攻めて、攻めて行きたい。
自分が思いきりやることで、チームを勝利に導きたい!」

2012年のオリンピック世界最終予選(トルコ)のときは、手術した右足の回復が間に合わず、代表から外れた。渡嘉敷にとっては初の「世界大会」だ。昨年のアジア選手権では高い集中力を見せてチームを優勝に導き、MVPを獲得した。ケガから完全復帰して思い切りプレーができた2012-13シーズンが「第1章」だとすれば、アジア選手権で見せた「攻める姿勢」をステップに、今季はさらに「チームを引っ張っていこう」と自覚した渡嘉敷がそこにいる。この世界選手権が大きな意味で「第2章」となるのかどうか。初めて挑む世界選手権から目が離せない。

――ヨーロッパ遠征での手応えはどうでしたか。

最初は相手の高さや上手い選手に戸惑いましたが、後半は慣れてきて思い切りやれました。ただ途中、すごくヘコんだことがあり、自分のプレーでは全然ダメかなと思ったんですが、逆に次のゲームでは「何も失うものはない。思い切りやればいいんだ」と思えて吹っ切れました。そこはこの遠征で成長できた点かなと思います。

――ヘコんだのはどの試合で、どんなこと?

ミドルレンジのショット、ドライブがどれだけ通用するか、大きな注目だ(JBA)

トルコとの第1戦目で、トラベリングをすごく吹かれてしまったんです。それでドライブに行けなくなり、消極的になってしまいました。スペイン戦は、ドライブに行ってもなかなかファウルにならず。最後のシュートのところで相手のチェックを気にして少しリングから逃げていたからかもしれません。それで自信がなくなってしまったんです。でも、遠征の最後、フランスでの試合はジャンプシュートが当たりました。後半はそこを止められてしまったので、ジャンプシュートとドライブの使い分けをどう判断するかを学びました。

――国によってトラベリングのジャッジが違ったのですか。

ヨーロッパで長身でスピードあるドライブをする選手が少ないからトラベリングを取られたのかもしれないです。オープンスタンスだと吹かれやすいので、クロスオーバーに切り替えたんですが、それでも吹かれてしまって。その試合は、あんまりトラベリングになるので、何だかハマってしまっていたかも。でも、その後の試合ではほとんど吹かれませんでした。世界選手権の本番ではそこを注意していくしかないですね。

――世界大会は初めですね。自分がどれだけ通用するか、その期待感は大きいのでは?

はい。今回のヨーロッパ遠征では驚くことばかりだったので、世界選手権のいいウォーミングアップになったと思います。だから本番ではあまり緊張しないかなと……(笑)。予選リーグで対戦するスペインも見たし、チェコとは今季もう4戦もやっているし、フランスも対戦したので「うわぁーー」と引くことはないと思います。

――本番にどう臨みますか。

自分が思い切って点を取っていけば、自然と流れはよくなっていくと思うし、いいゲームができるのではと思っています。ヨーロッパ遠征では本当に貴重な試合経験をさせもらったので、本番では悔いのないよう、攻めて、攻めて、攻めていきたいです。そうやって攻めていったときにファウルがもらえないなら、じゃあ次はどうすればいいという経験を積んできたので、それを本番で生かしたいです。

――この代表チームを自分が引っ張って行くという気持が強くなりましたか。

周りの方がそういうので、そうかなと(笑)。「チームの勝利に貢献したいです」と言っていると、マネージャーのダンさん(日本代表の山﨑舞子マネ/JX-ENEOS)から「自分が勝利に導きます」と言いなさいと言われます。なので、「このチームを自分が勝利に導いていきたいと思います!」(笑)。

「世界」がどんなところなのか、まずは味わってきます!!!!

渡嘉敷来夢 TOKASHIKI, Ramu

JX-ENEOS#10/192㎝/PF/23歳/埼玉県出身/桜花学園高/2010年、JX-ENEOSに入団/史上初、16歳で日本代表候補入り。2011年、アジア選手権に初出場(3位)。翌年、痛めていた右足の手術に踏み切ったためにオリンピック世界最終予選(OQT)には不出場。2012年シーズンに完全復活を遂げた。2013年アジア選手権(タイ・バンコク)では43年ぶりのアジアチャンピオンとなり、MVPに輝く。スピードあるドライブインが武器で、最近はミドルレンジのシシュート確率も高い。今季は国際試合をこなすごとに、プレーの幅を広げ、日本のエースとして精神的にもたくましさを増している。愛称は「タク」。
 
 

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