活躍が期待される若手
「アジア大会」展望と2人のキーマン-本川&馬瓜

取材・文/舟山緑 写真提供/日本バスケットボール協会

3戦という短期決戦を戦う女子日本代表(アジア組)(国際親善試合から:写真提供/日本バスケットボール協会:JBA)

第17回アジア競技大会に挑む 

アジア競技大会は9月19日に開幕。女子バスケットボールは9月23日~10月4日の会期で競技が開催される。参加は14カ国になるが、前回大会上位6チームをのぞく、参加5チームによる1回戦総当たりの予選ラウンドののち、決勝トーナメントが行われる。女子代表の初戦は、9月28日の準々決勝のインド戦から。ここを勝てば次は準決勝となり、予想では地元・韓国との対戦となる。大会前に、一色建志ヘッドコーチとともに、活躍が期待される本川紗奈生(さなえ)、馬瓜(まうり)エブリンの2人に、このアジア競技大会に懸ける意気込みを聞いた。

女子代表は3試合で決着。準決勝は韓国との大一番に

トルコで「FIBA女子世界選手権」が開催されているこの時期、韓国・仁川では「アジア競技大会」が熱戦を繰り広げている。こちらに出場する女子代表の「アジア組」のヘッドコーチは一色建志コーチ。メンバーは、諏訪裕美(アイシンAW)、川原麻耶(トヨタ自動車)らのベテランに、初めて代表となる若いメンバーが9名も入った。セレクションとなった7月の国際親善試合では、世界選手権チーム(世界選手権組)に立ち上がりからアグレッシブな戦いを見せ、会場を大いに沸かせた。そこから12名に絞られたメンバーが、韓国・仁川での本大会に挑む。

一色ヘッドコーチは現在、アンダーカテゴリの専任コーチを務めている。今回の代表メンバーには2016年のリオデジャネイロ・オリンピック、2020年の東京オリンピック出場をにらんで、若手を多く抜擢している。一色コーチは、「今大会の優勝をめざす中で、若手がアジアの舞台でチャレンジし、経験を積む場にしたい」と語る。残念なのが、女子の場合は試合数が3試合と少ないことだ。日本は準々決勝のインド戦が初戦となり、次は準決勝になる。おそらく準決勝の相手は、韓国になるだろう。もう一方の準決勝のカードは、中国-チャイニーズ・タイペイになる可能性が高い。アジアの4強による戦いが今大会も濃厚だ。

「若い世代は、アンダーカテゴリで中国や韓国に勝っているだけに、苦手意識がないのが強み」と一色ヘッドコーチ。チームの核となるのは、「ベテランの川原、諏訪あたりになるが、そこを押しのけるぐらい活躍する若手が本番で出てきてほしい」と話す。

「センター陣では馬瓜エブリン(アイシンAW)や唯一の高校生の赤穂さくら(昭和学院高3年)、ガード陣では本川紗奈生、三好南穂(ともにシャンソン化粧品)など、諏訪や川原に負けないぐらい成長してほしいのが本音。チームづくりではあまりメンバーを固定せずに、いろいろなメンバー構成で競い合わせてきた」と語る。

高さを誇る中国、地元開催で優勝を目論む韓国相手に、女子代表がどれだけ戦えるか、注目である。

■一色建志ヘッドコーチ

優勝をめざしながら、若手が多くの経験を積む場にしたい

6月からセレクション合宿、国際親善試合を経てメンバーを選抜。スピードを生かしてラリーができるチームをめざしたいと考えている。ベテランの諏訪選手や川原選手が若いメンバーをうまくまとめ、リードしてくれている。どの選手もアンダーカテゴリなどでアジアの舞台、世界の舞台を経験しているが、フル代表として戦うのは初めてのメンバーが多い。その若さゆえに「乗ったら強い」が、一方でミスが多いのも事実。シュートミスは仕方がないが、パスミスやキャッチミス、トラベリングなどを減らせるようにして臨みたい。

「世界選手権組」と共通してこの「アジア組」もまた「世界」に通用する強みとして持っているのは、ドライブだと思う。高さのある相手に、スピードあるドライブで切っていった場合、相手は守りづらいはずだ。その強みを、今大会はいい形で出していきたい。また、鍵を握るのは、やはりリバウンド。中国、韓国の高さをどう守るかだが、そこはチーム・リバウンドで守りたい。吉田亜沙美選手(JX-ENEOS、今季はケガで日本代表から外れている)が世界の舞台でリバウンドで活躍したように、外周りの選手がリバウンドにからんでいくことが大事になってくる。それができれば十分に戦えると思う。

キャリアを積んだ諏訪選手や川原選手、また森ムチャ選手が若いメンバーをよく束ねてくれているが、ベテランの3選手を脅かして活躍する若手選手が出てきてほしいと期待している。試合は総力戦で戦うことになると思うので、チャンスはどの選手にも出てくるはず。各自が、自分のプレーを思い切り「アジアの舞台」にぶつけ、飛躍の舞台にしてほしい。

今大会は3試合と短期決戦になるので、本当に一戦一戦が大事になってくる。チームがスタートしたときからテーマに掲げてきたのは「チャレンジと経験を積むこと」。優勝をめざす中で、各選手が自分自身に挑戦してほしいし、1つでも多くの収穫を得てほしいと思う。
 
 
◆次ページは、本川紗奈生選手(シャンソン化粧品)、馬瓜エブリン選手(アイシンAW)の抱負を紹介
 
 

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