札幌山の手・上島正光コーチ、長岡萌映子/山形商・高橋仁コーチ
札幌山の手 vs 山形商 コーチ&選手のコメント

レポー/舟山 緑  写真/一柳英男

 優勝・札幌山の手/長岡と3ポイントの得点力で勝利。あきらめない気持ちは昨年の財産

札幌山の手・上島正光コーチ

上島正光コーチ

 ここ(決勝)まで来ることは考えていなかったし、“まさか”というのが人生の中であるんだなと実感しました。今年はガードがいなくて、ボール運びもやっとというチーム。当然、初戦から決勝までガードは日替わりの状態で、全部の試合で競ってきました。ただ得点だけは、長岡のポストプレイに、佐藤と新堀の3ポイントがあるので、ある程度は取れます。昨日のミーティングでは、ミスを出さないで内容をしっかりやろうと言いました。私自身は勝ち負けよりも、自分たちの持ち味を出してくれたらということだけ考えていました。

 準決勝まではディフェンスが大きな課題でしたが、決勝は(山形商)#4大沼選手をうちの佐藤がある程度は守ってくれたかなと思います。前半、一時10点以上離された中で、本来ならば「ああ、これでお仕舞いかな」というところを何度も持ちこたえて、それを挽回したのが非常に大きかったです。試合前からリバウンドが大きなキーになると言っていて、ハーフタイムでもリバウンドの指示を出しました。また長岡はサイズがあるので今日は外に出ないでローポストでボールをもらい、ハイ・ロープレイを作れと指示していたのですが、それが後半最初にできたので、だいぶ流れがよくなりました。選手も意外と早く追いつけたので「よし!」という気持ちになれたんだと思います。これも昨年、先輩方が残してくれた優勝があったので、悪い流れを断ち切ることができたんだろうと考えています。

 どのチームも素晴らしいバランスの取れたチームでした。うちは長岡が日本代表で経験させてもらったのが非常に大きく、それがチームにも大きく影響しているのは間違いないと思います。でも、まだまだチームとして出来ていない部分があるのが正直なところなので、なぜ優勝できたのかはまったくわかりません。

キャプテン:長岡萌映子

札幌山の手のエース・長岡萌映子

 試合は入り方がうまくいかず、相手にリードされる展開になったんですが、最後までみんなあきらめずに、仲間を信じてやった結果が優勝なのだと思います。(リードされて)みんなも私も焦っていましたが、3ポイントが入り出してからは「行けるな」と思い始めました。ここでみんながあきらめなかったことが(逆転の)要因だと思うし、我慢して(ついていき)3ポイントが当たったことが一番大きかったと思います。

 この1年は日本代表との掛け持ちで忙しい1年でした。インターハイの時はチームにいなくて合わせの練習もできず、その合わせが失敗して残念な結果になりましたが、後半はチームに入ることができ、(今大会も)自分のプレイが出せたので、本当に勉強になった1年でした。去年、優勝したこともうれしかったですが、自分たちの代で優勝できたことが本当にうれしいです。
 

準優勝・山形商/23年かかった決勝への道のり。のびのび戦うもファウルトラブルが痛かった

山形商・高橋仁コーチ

 
高橋 仁 コーチ

 今日のゲームのポイントは仲野のファウル。前半リードしている場面で、(2Q半ばでの)仲野の3つ目のファウルが痛く、そこから貯金がだんだん減っていってしまいました。流れが変わるのはしかたないですが、控えの選手も厳しいポジションなので、何とかコートに残っていてほしかったのです。そこ(5ファウル退場)が大きなポイントだったと思います。仲野がいないローテーションの練習もしていなく、仲野と心中する部分もあったので、長岡への守りがうまく機能しませんでした。

 出だしのゾーンは、山の手にリズムをつかませないため。長岡に連続でやられるとリズムが出てくるので、そこをどうやってしのぐのかがカギでした。やられた部分もありますが、(ゾーンで)相手の流れを止めることができたと思います。また、仲野がファウルで出た以外は、オフェンスは山商らしい攻撃がまずまずできたと思っています。

 決勝は初めてなので、優勝はあまり意識しないでベストゲームをやろうと指示しました。メインコートでしかも決勝を戦えるのはこれから先あるかどうか……。最初で最後かもしれないし、これがラストゲームなので思いっ切りやりなさいと言いました。(選手は)結構、伸び伸びプレイしていたと思います。

 メインコートでの戦いは4回目ですが、そんなに緊張感はなかったです。振り返ると、決勝まで来るのに23年かかりました。ベスト8まで7年、ベスト4に入るのに19年、本当に時間がかかりましたが、本当に選手に恵まれたと思います。今日のスタート5人は地元の選手で、そういう選手が近くにいたというのは、指導者として非常に恵まれています。負けはしましたが、決勝まで進めたことは今後の大きな財産になると思います。また一歩、過去の先輩が残した実績を越えられたので、来年以降、また日本一を目指せるようなチームを、何年後かわかりませんが、作っていきたいと思っています。