延岡学園・北郷純一郎コーチ、ベンドラメ礼生/尽誠学園・色摩拓也コーチ
延岡学園 vs 尽誠学園 コーチ&選手のコメント

レポート/星野志保  写真/一柳英男

優勝・延岡学園/石橋を叩いて渡ったような試合展開だったが、3冠は感無量の気持ち

延岡学園・北郷純一郎コーチ

北郷純一郎コーチ

 私のチームはこの決勝で5戦目、尽誠学園は6戦目ということで、いくら尽誠学園がミラクルで勝ち上がったチームといえども、体力的に疲れていたように見えました。ですので、尽誠学園をオールコートで追い掛け回すかな、ということも頭をよぎりましたけど、石橋を叩いてゲームをやったような気がします。

 ファイナルに尽誠学園が上がってくる確率は2割から3割と見ていて、80%は福岡第一か沼津中央が勝ち上がってくるとみていましたが、あれよあれよの大躍進。さっきも話しましたように、対戦相手が尽誠学園と決まって、疲労度からいってよっぽどのことがないかぎり、負けはないなと思っていました。ただ、うちが三ケタの得点を取って、相手を40点ぐらいで抑えるという気持ちはありませんでした。

 決勝では疲労が足にきている関係で、尽誠学園のアウトサイドの精度がちょっと落ちていたような気がします。少し点数は開きましたけど、ともに一生懸命にやっていました。それが、こういう結果になったんじゃないかと思います。

 うちはどの試合も失点が60点台以下でしたが、ことさら足を鍛えたわけではなかった。今の3年生が入学する前から、数人は中学時代から中高一貫(同じ敷地内に強豪の尚学館中がある)のような形で同じ場所で練習をしてきましたので、苦労というのはありませんでした。特別に練習をしたというよりは、よそと同じような練習だと思います。

 (小林高女子でもインターハイとウインターカップの前身の高校選抜で優勝。男子では延岡学園でインターハイもウンイターカップで優勝。40年以上指導を続けて、すべてのタイトルを取った感想) 3冠については、時代的なものもありますから、過去との比較は難しいです。当時は竹山とよ子(共同石油)という選手の時代に高校選抜とインターハイと国体を勝たせてもらいました。そして27年間、女子を指導しましたけど、後半に男子を見るようになりました。

 その理由の一つは息子(慎太郎、謙二郎)がバスケをやっていたこともあって、(小林高でコーチの森億先生の補佐として)一緒に男子を指導しようかと始まったわけです。そうこうしているうちに、いつの間にか、スカウティングの問題やリクルートの問題もあって、男子のほうが選手が集まりやすい状況になりました。教師生活27年目に異動がありまして、宮崎県の行政に入りました。生涯一指導者という思いで過ごしていましたので、行政の方に入るのはなかなか大変で頭が硬直状態で大変でしたけど、もう一回指導者の現場に入りたいという思いがあって、本格的に男子を見るぞという思いで延岡学園に入りました。 

延岡学園のエース・ベンドラメ礼生

 女子を指導していて、なかなかナンバーワンになるのは難しいと思っていましたが、男子でもたまたま3回ほど勝たせてもらった。それは私がというより、これまでの選手たちが頑張ったわけです。しかし、うれしいですよね。子供たちを指導しながらバスケットに携わってきて、そういう意味では感無量です。


ベンドラメ礼生

 今日の試合は出だしから自分たちのバスケットができて、チーム全員で戦って、最後までいい内容で勝てたのでうれしかったです。 

 延岡学園の強さは、スタートも控えメンバーも実力は一緒なので、スタートメンバーが後半に体力を残すということを考えずに思い切りやれるのがいいところだと思います。控えの選手がいるという安心があるから、3分間なら3分間、全力でディフェンスをすることで、控えの選手がつないでくれます。スタメンだけじゃなく、チーム全員でディフェンス、オフェンスができたと思います。

 新チームになって延岡が強いという評判があって、インターハイではプレッシャーがありました。そのあとに国体とウインターカップもあるので、ずっとプレッシャーに追われているというのはありました。ウインターカップも3冠かかっているから、自分的には一番重要な大会という気持ちはあったんですけど、逆にプレッシャーをモチベーションに変えて楽しもうとしました。
 

準優勝・尽誠学園/日本一を目指してやってきたことに悔いはない。選手は心も技術も成長

尽誠学園・色摩拓也コーチ

色摩拓也コーチ

 新チームができた時から日本一を目指してきました。今日の決勝戦についても意識確認をして試合を始めました。ただ、相手の延岡学園のほうが正直、実力は上でした。ただ、最後まで頑張れたことは悔いはないです。

 選手に多少の緊張はあったと思います。延岡学園の動きの素早い選手は、一瞬の隙をついてスティールを狙ってくるというのは試合前のミーティングで言いました。そこの簡単なミスを減らせと。そこでボールを取られてしまうと、次に集中しきれずに2本目、3本目が出ると注意してきたんですけど、うちのチームは多少緊張もあってか、延岡学園の選手たちのうまさにターンオーバーが出てしまったかなというのが本音です。

 福岡第一戦が僕らの1つの山で、目標を高く持っていた中で、選手たちが落ち着くことなくここまでやってくれました。僕が一番すごいなと思ったのは、何人かの方は「尽誠は負けていくだろう」と思っていただろう中で、我慢を1つのキーワードにしていく中で、僕がやってくれるだろうと思っている以上に、選手たちが我慢を徹底してチームでやってくれたことです。いつも心の面について話をするんですけど、一番大事なこの大会で最後までやってくれたと思います。ただ延岡の方が一枚上手でした。僕としては、最後まで心の部分でも、特に技術の部分でも成長を続けてくれた大会だったかなと思います。

 試合の終盤、うちの勝ちはないなと思ったんですけど、3年生で試合に出たくても出られなかった選手もいる中で、渡辺(雄太)を最後までコートに残しました。みんな同じに感じていると思うんですけど、まずよくやったという部分と、悔しいという部分を心に残していると思います。新チームはまたゼロからという気持ちで戦います。目標は選手たちが決めるので、僕はそれに乗っかっていく形になります。これから新チームを作っていくことになりますが、この悔しさは持ってほしいと思っています。