日本とライバル国のチーム分析
1枚の切符をかけた壮絶な戦い――大会展望

文・写真/小永吉陽子

たった一枚の切符をかけた壮絶な戦い
中国も韓国も倒さなければロンドンに行けない険しい道

 過去最大といっていい“壮絶”な争いが予想されるFIBAアジア女子選手権。たった一枚のロンドン行きの切符をかけた戦いが、いよいよ8月21日から、長崎県大村市で開催される。

 アジア選手権優勝国がロンドン五輪のチケットをゲットし、2、3位には来年開催される世界最終予選のチケットが与えられる。日本がロンドン行きのチケットを手にするには、準決勝、決勝に進出してくるであろう韓国と中国の両国を倒さなければならない。

 過去の歴史を見ても日本の優勝は1970年の1回しかない(優勝回数=韓国12回、中国は10回)。オリンピック出場枠が12に拡大した1996年のアトランタ五輪以降、オリンピックに出場することができたのはアジア枠が3つの時のみ(1996年アトランタ、2004年アテネ大会)。アジアの出場枠が1つだったシドニー五輪予選は決勝で韓国に3点差で敗れ、中国が開催枠を持っていたことでチャンスだった北京五輪予選では、日本は準決勝で若手中心の中国に敗れる屈辱を味わった(その翌年の世界最終予選でもチケットを獲ることはできなかった)。過去の歴史を見ても、いかに、オリンピックに出ることが大変なことかがわかるだろう。そんな中で今回は一枠をかけて戦うことになる。

 2009年、中川文一ヘッドコーチが10年ぶりに代表の指揮官に就任。ここまで3年間かけて選手を入れ替えながらも、ロンドン五輪を目指すチームへと構築してきた。この3年間、チームの柱となっているのは、得点源の大神雄子、司令塔の吉田亜沙美、シューターの三谷藍。バスケットスタイルは粘り強いディフェンスからのスピードを生かした攻撃を持ち味としている。昨年の世界選手権では2勝をあげて目標のベスト8には届かず10位に終わったが、8試合中6試合が3ゴール以内の接戦。格上であるロシアとスペイン以外には戦える手応えをつかんでおり、最後まであきらめない粘りある攻防はこのチームの最大の魅力であろう。

 しかし、勝ち切れないゲームが多かったことと、リバウンドへの絡み、これまで日本の生命線であった3Pシュート率が上がらないことについては、今年の宿題へと持ち越した。

 世界選手権後、日本は進化したのだろうか。昨年11月、アジア大会準決勝で韓国に78-93で完敗を喫したときに、キャプテン大神が、自分自身に、チームメイトに、怒りをぶつけた言葉が忘れられない。

「日本はまだまだ甘い」――。

 韓国には世界選手権同様、出鼻をくじかれ、さらには、このチームにとって久々の対戦となった202㎝のハ・ウンジュが出てきた時の“インサイドアウト”の攻撃に対策を取ることもなく、対応力のなさを露呈したのだ。決勝進出を目指していた日本だが、結果は3位。この結果をふまえても、Wリーグ間で競争し、再度、選手選考をふるいにかけ、レベルアップする必要があった。

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