5月17日からシアトル・ストームのトレーニング・キャンプが始動
渡嘉敷来夢がWNBA挑戦のために渡米

文/舟山 緑  写真/小永吉陽子

「今は軽くちょっと行ってくるわ、という雰囲気で、自分でも驚いています(笑)」と、気負うことなく渡米への抱負を語って出発した渡嘉敷

「アメリカではうまくいかないこともあるだろうけど、
“テッペンの人”を食うつもりで戦っていきます!」

5月9日夕刻、渡嘉敷来夢がWNBAへの挑戦のために成田からアメリカへと旅だった。向かったのはサンディエゴで、JX-ENEOSのコーチを務めるトム・ホーバスの自宅のある地。そこで5月11日までの3日間、調整とシューティングなどを行い、12日にシアトル入りする予定だ。

シアトル・ストームのトレーニング・キャンプは5月17日から。そのキャンプを経て、6月6日の開幕ロスターが発表される。そこで渡嘉敷がロスター入りすれば、萩原美樹子、大神雄子に次いで3人目の日本人WNBAプレーヤーの誕生となる。

シアトルではアパートメントを借りた自炊生活になると言い、通訳として桜花学園高校時代のチームメイトである大西ムーアダイアンが渡嘉敷をサポートすることも明らかになった。高校時代の大西は4番プレーヤーで、3年次には渡嘉敷とともに高校3冠を達成。コートでも寮生活でも渡嘉敷と苦楽をともにした間柄だ。桜花学園を卒業後は渡米し、2012年にはハワイ大学へ進学して建築学を専攻。同大はNCAAディビジョンⅠで、大西は2012-2013シーズンにはロスター入りして活躍した。かつてのチームメイトが通訳としてつくことで、生活面でもバスケの面でも、渡嘉敷にとっては頼もしいサポートになりそうだ。

成田空港でメディアの取材に応じた渡嘉敷は、冗談を交えながら終始、笑顔でリラックスし、どんな質問にも自信に満ちた言葉で答えてくれた。そのポジティブなコメントに渡嘉敷の確かな決意がのぞくと同時に、そうした言葉を発することで自らを鼓舞しているようにも感じられた。

渡嘉敷ラムのWNBAへの挑戦が、いよいよ始まる。
 
 

◆アメリカへの出発前の会見から@成田空港

「シアトルの7番は渡嘉敷だというのを、
出足から印象づけたいです」

――今は不安が大きい?それともドキドキ感のほうが強いですか。

「英語力はまだまだ。でも、帰国するときにはしゃべれるようになって戻ります(笑)」と、大勢のメディアを前に宣言

不安はほとんどないです。向こうでどんな生活をするのか想像がつかないところもありますが、英語の部分でも自分のこの性格からか、なるようになるし、大丈夫なんじゃないかなって考えています。今はドキドキというか、楽しみな気持ちがすごく強いです。

――最初にトム・ホーバス・コーチのいるサンディエゴで練習するようですが、どんなことを?

トムが考えたメニューをがっつりやらされると思います。身体づくりやディフェンス練習、シュートメニューとか。トムさんの息子さんが通う高校の体育館を借りて、1対1とか3ポイントやミドルシュートの練習をメインにやることになると思います。

――シアトル・ストームのホームページのROSTER欄には「#7Ramu Tokashiki」と出ています。キャンプに参加するにあたり、背番号を7番にした理由は?

10番はスー・バードさん(G)。自分は1と3が好きなんですが、すでに埋まっている。高校のときは15番だったけれど、ローレン・ジャクソン(196㎝/オーストラリア)の後では付けられない。じゃあ何番にしようかと。8番もいい数字だけれどすでにいて、それでラッキーセブンがあいてたんです。背番号を決める理由があったほうがいいじゃないですか。これが6番だったら、「何で6番?」という理由が出てこないし、39も「サンキュウ」でいいかなと思ったけれど、日本人しか分からない。なので、「ラッキーセブンで行こう!」と決めました。

――7番をつけている渡嘉敷選手は、かなりフレッシュな印象です。

だいぶフレッシュですね。でも、今後もアメリカに行く機会があったら、10番が空いていても7番をつけ続けたいなって思っています。やっぱり始まりなので。日本の10番といったら渡嘉敷だとはなってきているけど、シアトルの7番は渡嘉敷だというのを出足から印象づけることができたらと思います。

――トレーニング・キャンプではどんな部分をアピールしていきたいですか。

日本で自分ができているものをしっかり出していきたいなと考えています。シュート力はそんなにないけど、ショートや1対1では負けたくないです。自分と同じ身長の選手や自分より大きい人はいっぱいいると思うけど、その中で身体の使い方や技術面で何が通用するのかを試したいなって思っています。

――アウトサイドのシュートをさらに磨いていかなくてはという思いはありますか。

日本の試合ではあまり打つ機会がなかったですが、打てるとは思っています。3ポイントも練習すればできるかなと。目標は「うちの(JX-ENEOS)宮澤(夕貴)より決める!」こと(笑)。もう勝手にそう思ってます。日本に帰ってきて「いや、自分のほうが入っているから!」って、上から目線で言いたいです(笑)。宮澤も1年間で3番ができるようになったので、自分もこの1年かで外周りを覚えてやるぞって、勝手な敵対心を燃やしています(笑)。

――ポジションは3番なのですか?

4番の外寄り……というか、4番で3番寄りの起用じゃないかと思います。
 
 

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