エース&司令塔に聞く
アイシン三河・金丸晃輔&柏木真介インタビュー

文/小永吉陽子  写真提供/NBL

今シーズン、日本人選手得点1位(19.7得点、全体5位)、3ポイントの確率1位(45.3%)をマークした金丸晃輔

5月23日、NBLファイナルの幕が開く。
ファイナルは3年ぶりとなるアイシンシーホース三河とトヨタ自動車アルバルク東京のライバル決戦。
この2年間、アイシンはリーグとオールジャパンともにファイナルに進出できず、
不本意なシーズンを送ったが、ようやく戦力を整えてファイナルの舞台に戻ってきた。
今季、スコアラーとして確立した金丸晃輔と、
膝の負傷から復活をかける司令塔、柏木真介の2人にファイナルにかける意気込みを聞いた。
 
 

◆アイシンシーホース三河#14◆金丸晃輔
(192㎝/GF/明治大/26歳)

「空いたら打って攻める。落としても打ち続ける。
ファイナルでもいつも通りに戦いたい」

――ここまでクォーターファイナル、セミファイナルでは得点を取ることに徹底できていますが、自分自身ではどのように手応えを感じていますか?

別にプレーオフだからといって特別な意識はしていなかったですし、シーズン中と同じことをやることだけ心がけていました。鈴木ヘッドコーチも「いつもと違うことをやってはダメ」と言っていたので、あまりプレーオフだということを意識せずにやれたから、スコアを残せたというのはありますね。

――昨シーズンはプレーに遠慮が見られたけれど、今シーズンは思い切りシュートを打っていて、まさにエースといえる活躍ぶり。何が変わったのでしょうか。

去年に関しては遠慮のかたまりでした。自分からアクションを起こすというよりも、周りがアクションを起こして、それに自分が合わせてシュートを打つというのが多かったんですが、それだと自分の味を出せていないと反省しました。周りに合わせるのは僕のプレーじゃないと思ったし、僕自身、去年の成績には不満しかないので、それを見つめ直して考えていたら、やっぱり遠慮していたことが一番ダメだったんじゃないかという答えが出ました。

その答えをいかに生かせるかをオフシーズンや代表中に考えながらプレーしていたところに、ヘッドコーチからも「遠慮するな」と言われたので、まあ許可が下りたというか、ボールが来たら攻めて打つという気持ちでやるようにしました。チームが僕にやりやすい環境を作ってくれたのが、今年の成績に大きく関係しています。

アウトサイドシュートだけでなく、いろんな場面で得点が取れるスコアラーとしての活躍に期待したい

――今シーズン、日本人選手得点1位(19.7得点、全体5位)、3ポイントの確率1位(45.3%)。シーズンを通してスタッツを残せたことに関して、自分のパフォーマンスをどう評価しますか?

空いたら打つことを心がけ、また空いたら打つだけじゃなく、落としても打ち続けることを心がけたことが結果につながったと思います。そういうメンタルを維持できたことが去年との違いです。

――昨年秋のアジア大会(韓国・仁川)でもパフォーマンスが出せていました。カザフスタンとの3位決定戦では40分間出場、21得点。自分が得点を取るということは、日本代表でも自覚が出てきたといえるのでしょうか。

鈴木ヘッドコーチと同じことを、長谷川ヘッドコーチからも代表で言われました。空いたら打っていいんだと。僕と辻(直人、東芝)の両ウイングでシューターが揃っていたら、抑えるのが難しいだろうから、辻にも僕にもボールが来たら思い切り打てと言われました。日本代表がアウトサイドからの得点を取るチームになったので、そういう自覚はだんだん出てきました。

――では、今シーズンの自分の出来には満足していますか?

満足はしていないです。キャッチ&シュートとか、1オン1で自分で間合いを作って攻めることが今の攻めのパターンなんですけど、それ以外に技を増やすことをこれから先やっていきたいので、まだまだ満足といったプレーはないですね。

――初のNBLファイナルを迎えた心境は?

特に気負いはないですね。シーズン中にやり続けたことをファイナルでもやり通したい。僕自身、アイシンに来て初のファイナルですけど、特に緊張だとかそういうことはなく、しっかりバスケットを楽しむことを考えてプレーしたい。トヨタとは激戦になると思いますが、普段通りにやって、いつも通りのアイシンのバスケットをやり遂げたいです。

――ファイナルのキーワードは「いつも通り」でしょうか。

はい。ファイナルだからといって、僕一人がいつも通りじゃないプレーをすると他の4人の歯車が狂い出すこともあるので、そういうことだけはしてはいけないと思っています。特にこのチームは、それぞれ5人がやるべきことが明確なチームで、それを踏まえたオフェンスを作っているので、自己中心的なプレーは許されないです。一人一人に役割がしっかり任されているので、僕も普段通りにやるだけです。

――アイシンは優勝回数の多い名門チームだけど、この2年間ファイナルから遠ざかり、今年のオールジャパンでは3回戦(初戦)敗退。ファイナルに向けてはどうチームでモチベーションを高めてきたのですか?

うちのチームは、どこの試合に向けてよしやるぞ、というのが特にないチームなんです。とにかく、目の前の試合に勝てばいい、目の前の試合内容を良くして勝とうというチームなので、遠くにある目標はシーズン中は特に気にかけたことはないです。ファイナルはファイナルでその場に立てることが決まったら、ファイナルのことだけを考えます。目の前のことをしっかり考えてやってきた結果がファイナルだと思っています。

――トヨタの田中大貴選手について。ファイナル前の会見でも二人が呼ばれるほどお互いエース格となりました。田中選手のことをどう見ていますか?

田中選手は判断力がすごいなあと思います。行けるところは行く。行けないところは無理に突っ込まないでパスを選択して、その選択肢は冷静ですね。ディフェンスに対しても相手のエースを抑える力を持っていますし、フィニッシュする力もある。総合的にも素晴らしい選手。トヨタでは間違いなくキーになる選手だと思います。

――お互いマッチアップするシーンもあるかと思うけれど、「自分も負けたくない!」と燃えていますか?

いえ。あまりそういうことは考えないですね。ファイナルといっても、いつもと違うプレーだけは絶対にやらないです。違うことやりだすと周りとの歯車が狂い出すので、自分は自分の仕事をやるだけです。

――初のファイナルに向けての意気込みを聞かせてください。

アイシンに移籍して昨シーズンはファイナルに行けずに終わってしまったので、僕にとっては初のファイナル。僕自身、どこまでファイナルの舞台でできるか挑戦の意味もこめて、頑張って優勝を狙いたいと思います。
 
 
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