躍動する若手メンバー<1>
馬瓜エブリン インタビュー

取材・文/舟山 緑   写真/小永吉陽子

馬瓜にとって「内海ジャパン」入りは初めて。どれだけ自分をアピールできるかだ(左はしから2人目)

■女子日本代表:躍動する若手メンバー<1>
馬瓜エブリン
(アイシンAW ウィングス/180㎝/C/20歳)

「スピードを生かしたドライブでチームに貢献したい!」

女子代表チームで最年少の馬瓜(まうり)エブリン。高校時代はゴール下プレーが中心だったが、
アイシンAWに入団後はプレーの幅を広げ、ミドルレンジのシュートやドライブの上手さを見せている。
昨年は、その思い切りのいいプレーでアジア競技大会の代表メンバーとして3位入賞に貢献した。
180㎝は4番としては決して大きくはないが、スピードと走力に期待が寄せられている。
オセアニア遠征を前に、代表チームでの自分の仕事、最終メンバー入りへの思いを聞いた。
 
 

◆アジア競技大会(2014年)で経験したこと

「去年のアジア大会では、迷わずに打つことは結構、成功したと思います。
ただ、高さと幅のあるウンジュさんを守り切れず、悔しかったです」

――昨年はアジア競技大会に出場。今年は、勢いのある若手の一人として選抜されました。どんな部分をアピールしていきたいですか。

オセアニア遠征に参加している馬瓜エブリン

再び選んでいただけたということは、Wリーグでのプレーをどこかしら評価してもらえたからだと思うので嬉しかったです。経験ではどうしても先輩方に勝てませんが、「若さと勢いのある選手を選んだ」と内海さんが言ってくださったので、そこはチームの役に立てるのかなと思います。

――どんなプレーで貢献したいですか。

ポジションは4番ですが、どちらかと言うと外からのドライブが通用すると思います。同じ4番でも、中国の選手より自分の方がスピードがあると思うので、そこは生かしていきたいです。あとはミドルレンジのシュートですね。3ポイントはまだ完全には身についてないので、スピードを生かしたドライブと外角シュートで貢献したいです。

――もう1つ、走ることも持ち味ですね。

はい。センター陣の中でも走ることはがんばっていきたいなと思っています。

――昨年のアジア競技大会では、3試合で数字を残しました。自分の出来はどうでしたか。

シュート・チャンスがあれば迷わずに打つと考えていたので、それは結構、成功したと思います。準決勝の韓国戦は、スピードを生かしたドライブ、空いたら打つというプレーは成功しましたが、後半、ハ・ウンジュさん(河恩珠/202㎝/28歳)の高さを守り切れず、そこが勝敗の分かれ目になりました。高さも幅もあるウンジュさんに押し込まれて得点され、そこが悔しかったです。ウンジュさん以外のところは、チーム・ディフェンスで結構守れたと思います。

――あの大会で得たものはどんなことでしたか。

アンダーカテゴリのレベルとは違って、上手さだけでなく、体格や身体の強さを強く感じました。韓国はベテラン選手が揃っていただけに、いろんな意味で上手かったです。きわどいプレーをやれるというのは、それだけクレバーだからこそ。やられているこちらはフラストレーションがたまる一方でしたが(苦笑)。
 
 

◆第4次強化合宿のオセアニア遠征

「リングに向かうことだけ考えていきたい。高さや身体の強さを気にして
逃げてしまうと、絶対にファウルをもらえないから」

――内海バスケットには慣れてきましたか。

切れのあるドライブが武器だ(昨年のアジア競技大会:3位決定戦チャイニーズ・タイペイ戦より)

内海さんのバスケットは、状況に応じてバリエーションが多く、とてもシステマチックです。最初は自分をどう生かせばいいのか分からず、1次合宿ではヘコんでいました。でも、2次合宿では内海さんから「もっと1対1をやっていい」と言われ、すごく気持ちが楽になりました。チームとして次の動きが決まっていても、そこで自分の1対1ができるならば、どんどん攻めていこうと思っています。そう考えてからは、少しずつ持ち味が出せるようになってきました。

――最年少ならではの苦労はありますか。

ないです。みんな、よくしてくれます(笑)。見ためをはじめ、いろいろとイジってくれ、可愛がってもらっています。間宮(佑圭)さんも王(朝新喜)さんも髙田(真希)さんからもすごく丁寧に教えてもらっています。ディフェンスでは、自分はパワーでは相手に負けるから「一歩引いて、前に回って守ったほうがいいよ」とか。オフェンスでは、間宮さんから「ダン(馬瓜)はセンターらしくないこともできるから、どんどん走って、どんどんドライブしていいよ。それを生かしてほしい」と言ってもらいました。

――声を出すことも、下級生として意識していますか。

下級生だからというよりも、声を出すことは自分の一つの持ち味だから常に意識はしています。声を出すことによってモチベーションも上がりますし。他のメンバーのモチベーションも上がってくれたらいいし、何よりもゲームの中で乗れるから、声出しは欠かせません。

――高校時代は、U-16アジア選手権(2011年:優勝)、U-17世界選手権(2012年:4位)を経験しています。その経験から、自分がめざす姿をどのようにイメージしていますか。

U-17ではセンターでしたが、そのときから外の攻めもできるオールラウンダーをめざさなくてはと感じていました。あのとき戦った他の国の選手は、もうフル代表に入っていたりします。それがすごく悔しいですね。U-17のときはそんなに上手いなとは思わなかった選手が、今は代表でバリバリやっていたりする。あの伸びは何だろうって思います。尺野さん(テクニカルスタッフ:尺野将太氏)から、そうした選手の映像を見せてもらい、ハッパをかけられています。本当に、そうですね、負けていられないです。

――最終エントリーは12名。そこへの思いを聞かせください。

こういうチャンスがいただけたことは、本当にすごいことだと思っています。インサイドはもちろんですが、スピードを生かしたドライブや外角でチームに貢献できるよう、もっともっと上手くならなくてはと思っています。最終の12名に残れるよう、全力を尽くしていくだけです。

――7月24日からのオセアニア遠征ではオーストラリア、ニュージーランドと対戦します。高さ、フィジカルの強さ、上手さをもった相手ですが、どう戦っていきたいですか。

コートに出たら、リングに向かうことだけ考えていきます。相手の高さや身体の強さを気にして逃げてしまうと、国際試合では絶対にファウルをもらえないからです。逃げたシュートではなく、しっかり身体をあてていきながら、リングに向かっていきたいです。遠征メンバーに入れたということはチャンスをいただけたということなので、たくさんの試合経験を積んで、国際舞台でプレーすることに慣れていきたいと思います。
 
 
 
馬瓜 エブリン MAWULI, Evelyn
アイシンAW/1995年6 月2日/愛知県豊橋市生まれ/180㎝/PF/愛知県・東郷中-桜花学園高出身/20歳。ガーナ人の両親のもと日本で生まれ、14歳で日本国籍を取得。桜花学園では2年と3年次にそれぞれ3冠を達成。また、U-16アジア選手権(2011年/1年次)で優勝。 U-17世界選手権大会(2012年:オランダ/2年次)ではスタメンとして日本の4位に大きく貢献。個人としても大会ベスト5を受賞した。2014年にアイシンAW ウィングスに入団。長いリーチを生かしたリバウンドの強さ、ドライブイン、ミドルシュートには定評がある。Wリーグ1年目の昨シーズンは、シュートレンジを広げたプレーで成長を見せた。また昨年はアジア競技大会に出場(3位)。今年も日本代表候補に選出された。愛称はダン。