インターハイ2015展望
福大大濠――高さと巧さと選手層で「負けないチーム」を目指す

インタビュー・文/清水広美  写真/小永吉陽子

片峯聡太(かたみね・そうた)1988年3月4日生まれ、27歳、福岡県飯塚市出身。福岡大学附属大濠高→筑波大。大学卒業と同時に母校のコーチに就任し6年目。恩師の田中国明コーチとともに、インターハイ連覇を目指す

福岡県代表 福岡大学附属大濠(5年連続36回目)
片峯聡太コーチ インタビュー


高さと巧さと選手層で
「負けないチーム」を目指す

牧隼利、増田啓介、中村太地を中心に、どこからでも攻められる大型フォワード軍団が福岡大附大濠の強みだ。
インターハイ予選の決勝リーグ・福岡第一戦でボールへの執着心が体現されたように、
「ディフェンス、ルーズボールの気迫は日本一」とエース牧は胸を張る。
試合前のアップの儀式は映画「タイタンズを忘れない」をインスパイアしたもの。
激しく、泥臭いプレーを意識してみずからの士気を鼓舞するために始めたという。
昨年の夏の覇者、福岡大附大濠が狙うのはインターハイ連覇。茨の組み合わせも、
「決勝で明成と戦うまでは負けられない」と気持ちをこめる大濠トロージャンズ魂は脈々と受け継がれている。
片峯聡太コーチにインターハイ連覇を狙う今年のチームの特徴、自身の指導論を聞いた。
 
 

どこからでも攻められる高校界随一の高さと選手層

191㎝の中村太地をポイントガードに抜擢し、大型ラインナップが完成

191㎝の中村太地をPGにコンバート。片峯コーチ自身のポジションでもあるガード論を叩きこんでいる

――今年のチームの出発点はどんなところから始まりましたか。

バスケットボールに対する取り組む姿勢、そこから変えてきました。いい意味で、3年は仲がいい。しかし、手をつないでただ頑張るだけのチームでは勝てない。楽しくやるのはいいのだけれど、厳しさを求めながら練習に臨むように。そういうところから始めてきました。

戦術的な面では、最終的にはガードの部分でイニシアチブを取れるようなチームを今年は作っていきたい。スキルアップのトレーニング、1on1から始め、3月の終わりから少しずつ戦略的なことも入れ始めました。中村(太地、191㎝、3年)をポイントガードにコンバートし、ケガ人はいましたけど、少しずついい形になってきています。

――去年と比較するものではないと思うのですが、去年のチームは鳥羽陽介、津山尚大選手の2人が攻防で引っ張ってきました。その2人がいなくなったことで、リーダー不在の中どうチームを作っていくのか注目しています。

そうですね。でも、3年に牧(隼利、188㎝)、増田(啓介、191㎝)とキャリアを積んできた選手がいます。中村を含め3人でリーダーシップを取りながら、下級生が入っても活気づかせるような働きがけをさらに要求していきたいと思います。

――191㎝の中村選手をポイントガードに抜擢した理由は?

すごく視野が広いことがまず一つ。戦術の理解度も高くて、一つのセットプレイ、一つのパターンを教えると、セオリーをすぐ理解するし、それに加えて自分で作れる部分もあるんです。まだ自分勝手な部分があって、周りにそれを上手に伝えながら作っていくまでには至ってなくて、雑な部分は当然あるんですけど、練習中から1つのことを3にも4にも膨らませられる要素が2年の時からあったので、これで作ってみたら面白いのではないのかなと思いました。中村の5年後、10年後のビジョンを考えてみても。

中村がどんどん縦にカッティングをして切れていくことができれば、インサイドでなくミドルレンジは確保できる。そこからシューターを置いておきたい。そこでシューターの西田(優大、187㎝、2年)を起用するという構想のもとに今はやっています。

――牧選手、増田選手の両ウイングの確固たるポジションがあるのが、今年の福大大濠の強みとして鋭利な部分になっています。この2人の成長をどう見ていますか?

牧に関してはもう少しアウトサイドを決めてくれればいいと思うんですけど。増田に関してはおいしいところ(笑)を人に作ってもらってポンと決められる良さ、精度はさらに上がってきています。あとは、ディフェンスを振り切って、縦に切れるスピードなどを夏、あるいは冬までにしっかり身につけさせたいです。

――ゲームを支配する上で、3年が引っ張るという形ではポジションは関係ないと思うのですが、スモールラインナップとして兒玉選手(修、163㎝、2年)を起用する時間帯も増えてきました。逼迫した“イザ”という場面でミスなくボールを運び、ピンチの場面をどう対処できるかも注目点ですね。

191㎝のガードだったり、163㎝のガードになったり、相手にしてみれば非常にやりづらい点だと思いますが、こちらもゲームコントロールがまだまだ。兒玉もチームのスパイスになるように、相手に嫌がられるようなガードになるように作っていくともっと面白いのかな、と思います。牧、増田、中村と大きな布陣から、彼が入って一転スピード感あふれる展開のバスケットに変化をつけられることが、明成に対して追いつけるヒントになるのではないかと感じています。
 
 
◆次ページは「高校3年間でやるべきことと、選手の将来性」
 
 

1 / 41234