JBLファイナル キャプテンインタビュー
JBLファイナル直前! 柏木真介インタビュー

文・写真/小永吉陽子

トヨタとアイシンのファイナルは、2007-2008シーズン以来の対戦となった。トヨタのキャプテン正中岳城、シューターの岡田優介、今季アイシンからトヨタに移籍した竹内公輔がルーキーの時代のことだ。そのファイナルは3勝2敗でアイシンの優勝。新人王はアイシン・竹内公輔と日立・竹内譲次がダブル受賞。アイシンの柏木真介は初のMVPを受賞し、司令塔として独り立ちしたシーズンだった。あれから4年の月日が経ち、互いのチーム状況はガラリと変わり、再び決戦の時を迎えた。今年のオールジャパンでは、トヨタが猛追するアイシンを振り切って優勝を遂げたが、JBLではリーグ後半戦にアイシンが追い上げてシーズン1位の座をつかんだ。ファイナルを直前に控え、両チームの司令塔であり、キャプテンである柏木真介と正中岳城にチーム状況を分析してもらい、ファイナルにかける思いを聞いた。

レギュラーシーズン1位 アイシンシーホース
柏木真介 インタビュー(インタビュー4月17日)

成長して新しいアイシンになったからこそ「今年のチーム」で優勝したい!

キャプテンとして、今年のファイナルにかける決意は人一倍熱い

――2年ぶりのファイナルの舞台。明日にファイナルを控えて今の心境を聞かせてください。

一言で言えばリベンジという気持ちです。以前、優勝していたメンバーとは変わったからこそ、今年のメンバーで優勝したい思いが強いのと、なおかつ、一昨年のリベンジ(ファイナルでリンク栃木に3連敗)という思いが強いです。

――前半はトヨタがレギュラーシーズン1位でしたが、後半はアイシンが挽回して1位になりました。この1年のチームの成長をどう分析していますか。

チームにとっては、このレギュラーシーズンの経験はすごい大きなものだと思います。これまで試合に出ていた主力メンバーが抜け、今年になって出始めたメンバーの中で勝ち続けているということは、もちろんチーム力は上がっているし、経験も積めているし、そういう意味では一シーズンを通していいチームになれていると思います。

もちろん、シーズン前はどうなるかわからなかったですよ。メンバーが大きく変わって周りの評価が低いことが悔しかったですし、でも「勝てるチームだよ」というのはチームメイトにも言ってきたし、取材で聞かれても言ってきました。今までのようにダントツにはいかないかもしれない。ただ、最後まで優勝は狙えるチームだと僕は思っていました。それは、自信があったから言えたのだろうし。

シーズンを通してチームが成長できたからファイナルに上がってこれたと思うんです。チームが一つになってやった結果、チーム力が上がってきているので、そこに関しては、今までのチームも良かったと思いますけど、僕は今年のチームも誇りに思っています。

――オールジャパンでトヨタに負けて、そこから立て直しをして、精度が上がってきたと思うのですが。

オールジャパンで負けたことで「もっとやらなきゃいけない」というチーム内の危機感というのが出てきたし、逆に、何をやらなきゃいけないか再確認できたので、それを後半戦で毎試合修正できたから結果がここまでついてきたと思います。やっぱり、オールジャパンでの負けはチームにとっては大きかったです。勝てた試合ではありましたが、逆に負けたことで今につながっているのかなと感じます。

――オールジャパンでトヨタに負けたことで、何を修正したのですか?

負けたことで悔しいという気持ちが出てきたことがいちばんで、それがプレイに現れました。

――プレイ面ではどんなところを修正したのですか。

すべてです。だって、うちは完成されたチームじゃないし、毎試合、毎試合やるたびに反省が出るし、それをひとつずつクリアしてチームが成長したからここまで来たんです。オールジャパンで負けたとことはディフェンスも、リバウンドもすべて反省点があって、そこを明確に修正できたことで徐々にチーム力が上がってきて、それでシーズン1位という形になって。今年のチームに関しては、毎試合、毎試合が勝負ですから。それぞれが、そういう考えを持っていたから、今年はここまでこれたと思う。

――「今年のチーム」という言葉に強い思い入れを感じます。

だって、このメンバーで優勝していないですから。(竹内)公輔、アミさん(網野友雄)もいなくなり、佐古(賢一)さんは引退してしまった。もともとアイシンにいる人間からしてみたら、やっぱりいろんな思いはありますよ。朝山(正悟)にしても、(桜木)ジェイアールにしろ。何度も言いますけど、今年は周囲の評価が下がった中でも成長してここまで来れた。だからこそ来年じゃなくて、今年優勝しなきゃならない。自分たちが成長したことを周りに証明するには、今年優勝したいんです。

――たった1年で、佐古、網野、竹内選手を擁していた時代からあまりにも顔ぶれが変わってしまいました。シーズンが始まってすぐに新しいチームを作ることに切り替えができたのですか? それとも葛藤しながらチームを作ってきたのですか?

切り替えはすぐにしました。やるしかないと思っていました。もちろん大変だと思ったけど、それはシーズンを通してチームが形になればいいと思いました。最初は負ける覚悟で臨みました。ただ、最終的には勝てる可能性があると思っていましたから。本当はオールジャパンで勝てれば良かったんですけど、負けたことでチームにとってはいい効果が出たと今では思います。

――日本代表でアジア選手権を戦っていて、チームに合流したのが9月末。そのときチームに戻ってどう感じましたか?

最初見た時は不安でしたよ。まあ、練習試合の結果を聞いたり、実際にプレイを見て、うちらしくないとも感じたし、大丈夫かなと思ったこともあります。けれど、やるバスケの基(もと)となる部分は変わってなかったし、あとは試合を通して経験積むだけと思っていました。基の部分は今までやってきたメンバーが試合を通して教えていくしかないし、シーズンを通して新しいアイシンの形を作っていくしかなかったですよね。

――そんな中でシーズンを通してチームができていった。大きく成長した部分はどこだと感じていますか。

今年は何がいいかというと、控えの選手や若い選手が、自分は何をやらなきゃいけないのかを理解して、それを徹底してやっていることが、チームとして形になりましたね。その辺で最初は不安があったけど、ここまで来れたのだから、ファイナルもやれないことはないですよ。

――ファイナルでの戦いについて、展望を聞かせてください。

僕の状況判断が重要だと思います。ファイナルという舞台を若いメンバーが経験していないのは怖いところです。だから僕たち経験している者の負担は大きいです。でも経験したことある2、3人が頑張ってもダメで、やっぱり今まで通り全員が頑張らないと、ファイナルという舞台でトヨタには勝てないと思います。一戦目でみんながどこまで普通の状態でゲームに入れるかが大切で、逆に一戦目でしっかり入っていければ、いい結果につながると思います。一戦目がすごく大事だと思います。

――トヨタの戦力についてはどう分析していますか。

ディフェンスとリバウンドがすごいです。40分間フルに落ちることなく、メンバーを変えながらしっかりと戦ってくる。だから5戦までもつれた時を考えると大変ですよね。ただ、向こうもファイナルの経験がないので、そこは逆に僕たちからしたら早く決着をつけたいと思うんですよ。早ければ3戦で決めたいですね。1、2戦目を絶対に取りたい。長くなれば体力的にも不利になるし、向こうとしてもファイナルに慣れてきちゃうんで、そうなる前に先手を取りたいです。正直、今さら特別なことをしようとは思わないですけど、トヨタのデータは取れているので、相手の弱点となるところをとことん突きたいです。

――去年は震災の影響でプレイオフがありませんでした。一昨年はリンク栃木にストレート負け。そういう中で新しいチームになって迎える今回のファイナルは柏木選手にとっては、どんな思いで臨むファイナルになりますか。

いやあ……特別ですよ。そう、特別なんですよ。なんか今までのファイナルとは違う感じがします。なんかこう…なんだろうな、ファイナルの雰囲気はすごく好きなんです。でも今までとは状況が違う。今までは勝って当たり前と言われていたし、実際に勝ってきたし、勝つ自信もあった。でも今年は正直わからないです。100%勝てるとは言えないです。でも勝てる可能性は十分あると思っています。何回も言うように、今年はマジで勝ちたいです。その気持ちがすっごく強いので、今までとは思いの大きさが違う特別なファイナルになりそうです。