ウインターカップ3連覇 明成のチーム作り
明成が取り組んだ「高校生を超える、高校生らしいバスケ」

取材・文/小永吉陽子  写真/一柳英男

ウインターカップ3連覇は、能代工、洛南に続く史上3校目。佐藤コーチ自身は仙台で1999年と2000年に連覇をしている(写真/小永吉陽子)

3連覇の明成が取り組んだ
「高校生を超える、高校生らしいバスケ」

明成高(宮城)

超高校級の八村塁(201㎝)を軸に、強烈なアウトサイドのシュート力を持つ明成。
史上初となる2年生チームでウインターカップを制した昨年からさらなるバージョンアップを遂げ、
ウインターカップ3連覇を達成した。
その強さの要因は、常に上のカテゴリーと戦うことを意識したチーム作りにある。
高き目標に挑んだ明成のチーム作りを追った。

【ページ1】ウインターカップ決勝の勝敗をわけたもの
【ページ2】目指したのは「高2では高3を、高3では高校生を超える」バスケ
【ページ3】合格点が出なかったインターハイの戦い方。カギは司令塔の成長
【ページ4】ワンランク上のカテゴリーへの挑戦――善戦したオールジャパン
【ページ5】明成スターティング5を紹介


辛抱の先にあった勝負所。「あのプレッシャーディフェンスを4Qで出せたことが
何といっても王者だと思う」(土浦日大・佐藤コーチ)

 ウインターカップ決勝が終わった直後の記者会見。土浦日大の佐藤豊コーチは「両チームとも高校生らしく一生懸命に戦った。こんなに気持ちのいいゲームをしたのは何十年ぶりだろう」と悔いなき表情を見せたあと、明成に対しての印象をこう語った。

「明成は4Qで松脇と杉本に相当のプレッシャーをかけてきた。あのディフェンスを4Qで出せたことが、何といっても王者だと思います。3Qまで競り合って、4Qに自分たちの力を出そうと練習をしてきたのか、相手の監督に聞いてみたい」

 その直後、明成の佐藤久夫コーチも会見にて、「土浦日大に対しては我慢して辛抱して、春の兆しが来たら一気に攻めまくる」という、東北地方、仙台の高校ならではの独特の表現でゲームプランを明かしている。

 試合は3Qを終了して、シューター松脇圭志を軸とした土浦日大が3点リードしていた。準決勝まで高確率(三上侑希40.5%、富樫洋介51.7%)だった3ポイントに当たりがこない明成は、エース八村塁のインサイドプレーとリバウンドで耐え抜き、流れが変わったのは3Q終盤。ディフェンスをゾーンからオールスイッチのマンツーマンに切り替えて激しくすると、司令塔の納見悠仁を主体に全員で攻め込んで優勝をつかみにいった。最終スコアは78-73だが、4Q開始から土浦日大を5分半ノーゴールに抑え、逆に12得点奪取して畳み掛けたところがハイライトだった。まさしく、両コーチが会見で語った4Qの積極性こそが勝敗をわけたのだ。
 
 

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